64 新タイプのナンバーズ 2
「湊、私の目がおかしいのか、目の前に救急車が見えるんだが」
「安心しなさい、あなたの目はおかしくないわ、私の目にも救急車に見えるから」「そうね、どう見ても救急車だな」
二人が目の前の救急車を観察していると救急車からアーマノイドが二体降りて来る。
「あいつらは、確かアーマノイドと言ったな」
「まさか、あれが運転して来たのか? 奴等知能が上がってるのか?」
「簡単な命令ならこいつらは行動する事ができるのさ」
「ん? 誰だ?」
「どこから声が?」
二人は声の主を探すが周りにはそれらしいナンバーズの姿はない。
「どこを見ている? 俺なら目の前にいるぞ」
「目の前?」
「目の前って」
目の前には救急車がある。
「チェンジ!! 人型モード!!」
瞬間救急車は変形し人型の姿になる。
「な、なにぃー!!?」
お互いに双眼鏡で見たのが救急車である事を言った事によりお互いに目がおかしくなっていない事を確認する。
そして目の前に来たそれが救急車である事は間違いなくなった。
「どう見ても救急車だな」
救急車が人型になった事に驚きを隠せない二人。
「俺はナンバー071、我が主アリス様の命によりお前達を倒す」
ナンバー071 乗り物型モデル救急車
「そ、それがどうした!! 変形できるからどうした!! そんなカッコいいもの見せたとしても勝てるとは言えないぞ!!」
そう言ってるが楓の目はキラキラした子供のような目だった。
「そう言えばこう言うのが好きだったわね、あなた」
戦闘中なのに湊は興奮した楓に額に頭を当てて溜息をするのだった。
「来ないのか? ならこっちから行くぞ、アーマノイド!!」
『ギギギ』
『グゴゴ』
071の命令を聞いたアーマノイド達は行動開始した。
「楓、来たぞ」
「ん? おお!? 私とした事が戦場で気を抜くなどあってはならない事」
「取りあえず、先にアーマノイドを倒す」
湊は剣を抜き二体のアーマノイドを切る。
『ギイイ』
『グゴォ』
湊に切られたアーマノイドは倒れるが071が近づき注射器の形をした右腕をアーマノイドにかざすと注射器からエネルギーが注がれてそれを受けた二体のアーマノイドの切られた部分が治り立ち上がるのだった。
「何!?」
「あの注射器回復の効果があるのか、まあ救急車ならわからなくもないが」
「感心してる場合じゃないぞ楓、先にあいつを倒さない限りアーマノイドは倒せないぞ」
「うむ、予定変更だな」
「俺の武器が回復だけだと思うなよ」
071がそう言うと注射器からエネルギーを放つ。
「俺の武器は好きな時に攻撃にも回復にもなるのさ、連射だ!!」
071が連射するが楓が壁を何重にも作り出し防御する。
「こらー!! 救急車が傷つけるなー!!」
「落ち着け楓、あれは救急車がモデルの未確認だ」
怒る楓を湊は宥めるが071の連射は続き、さらにアーマノイド達も攻撃に参加する。
「ぐう、防戦一方だな」
「他の子達もいたらアーマノイドを任せてナンバーズを叩けるんだけど、私達二人じゃマズいな」
「そうかしら? なら私が行くわ」
「え?」
二人が向くとそこには柚葉が立っていた。
「柚葉、何故ここに?」
「新手のナンバーズが来たから私も行く事になったのよ、それであのナンバーズは何なの?」
「ああ、あのナンバーズは乗り物と人型に変形できてあの注射器の武器は傷ついた者達の傷を治したりエネルギー弾を発射させて攻撃もできるくらいだな」
「そう、なら簡単ね」
湊の説明を聞いた柚葉は次の瞬間071の背後にいた。
「何だお前は?」
「誰でも良いでしょ、それよりあなたの仲間達は倒させてもらったわ」
見るとアーマノイド二体は切られて倒れていた。
「いつの間に、だが俺の前ではこんな傷はすぐに治せる」
「その腕で?」
「何?」
柚葉の言葉に疑問を持つと071の注射器は切り刻まれて壊されていた。
「何!?」
「その注射器がなければ回復できないようね」
「ぐっ」
「終わりよ」
柚葉はそのまま071を切り刻み071は地面に膝を着く。
「ぐ、ぬう」
「あら、まだ生きてたの? 頑丈ね、でもこれで今度こそ終わりよ」
柚葉がとどめを刺そうとすると柚葉の後方からバイクの音がして柚葉はその場を離れるとバイクは071の後ろで止まる。
「あなたは、ライリア」
「ライリア様」
「071、このままじゃやられる、コアを抜くよ」
「了解」
ライリアは071の身体を貫き何かの石を手に取りそれをしまう。
「その石」
「あなたとは、また今度」
柚葉にそう言ってライリアはバイクを走らせるのだった。
「そう、まだなのね」
そう言った柚葉はどこか喜んでいる顔をしていたのだった。
読んでいただきありがとうございます。
乗り物が変形するってやっぱり良い。
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