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60 再会

「五人ともかなり重症よ、特に夜見ちゃんと蘭華ちゃんの二人はね、夜見ちゃんは片腕が折れているし、蘭華ちゃんもあばらを何本か折れてるから一ヶ月は絶対安静よ」


「そうか、彼女達にはしばらく任務は控えさせて治す事に専念してもらうとしようとにかく命に別状がなくて何よりだ」


「それにしてもディベルタと言ったかしら、とんでもなく強いネームドが現れたわね」


「ああ、まさか彼女達を圧倒するほどの強さだとは驚いた」


「これからどうするの? 夜見ちゃん達がしばらく復帰できないなら戦えるレアスキル持ちは三人しかいないわ」


「だからこそ彼女に来てもらった」


 理事長達が振り向くとそこには香弥が座っていた。

 ディベルタとの戦いで壊れた義手と義足の代わりに日常生活で使えるタイプに変えていた。


「・・・・・・」


 香弥の姿を見た八波は何を考えているかわからないような表情をして香弥を見ていた。


「八波君、君も色々と言いたい事があるだろうがあの時香弥君は確かに薬を使って拒絶反応を起こして倒れてた、その後玲子君によって何とか一命を取り止めたが拒絶反応によって両腕両足は使えなくなってしまったんだ、それからしばらくして成海君と桃花君が入ってくれた事で彼女達に義手と義足を作ってもらった、そして彼女は戦える力が欲しいと言って彼女の意思は強かったそして偶然にも彼女のスキルが変わっていたんだ、今彼女が持っているスキルは『強固な身体』異常なまでの頑丈な身体になったためかそのおかげで成海君達が作った戦闘用の義手や義足を使って戦えるようにずっと特訓してもらっていた、今の彼女は常人が扱えない強力な兵器を使う事ができる強力な戦力になってくれている」


「そうだったのですか」


「八波」


 香弥は立ち上がり八波の前に立つ。


「私は八波を助けるために強くなった、これは私が決めた事、だからこれからは私も戦うよ、八波が安全な場所で安心して見ていられるようにね」


「香弥」


「八波」


 香弥は八波に近づいたがその瞬間八波に殴られるのだった。


「え?」


 殴られた頬を抑えて八波を見ると八波の顔は怒っていた。


「私がどれほど心配したと思ってるんですか? あなたはそれに関して何も反省してないようですね」


 そう言って八波は再び香弥を殴るのだった。


「い、痛い痛い!! ちょっと八波ストップ!!」


「何も聞こえません」


「いや怒ってる気持ちはわかるけど女の子同士の場合は普通ビンタとかでしょ!?」


「今のあなたにはビンタは生ぬるいし何より機械の身体のあなたにはこれで十分です」


「いやいや機械の身体はあくまで両腕と両足だけだから!! 顔は普通の生身だから!!」


 そう訴える香弥だが八波は聞く耳持たずに香弥を殴り続けるのだった。


「それで玲子さん、知っていて今まで黙っていたんですか?」


 正座させられている香弥を余所に今度は玲子に顔を向けて八波は問う。


「いや、あのね」


「知っていたんですか?」


「はい、知っていました、知っていて黙ってました」


 八波の圧に屈した玲子は香弥の隣で正座する。


「すまない八波君、君の状態を考えて私が隠すように言ったんだ、君も君で色々大変な状態だったからね、申し訳ない」


「いえ、理事長は何も悪くありません、むしろ気遣わせて申し訳ありません」


「ちょっと八波、何で理事長には優しいのよ」


「そうよ、明らかな差別よ」


「はい?」


「「すみませんでした」」


 ブーイングを言うが八波の圧に屈して正座した状態で二人は頭を下げるのだった。


「とにかく、香弥君にはこれから頑張ってもらうつもりだ、頼りにしているぞ」


「はい、任せてください、頑張ります」


 頭を上げた香弥は敬礼するのだった。






「おおー、良い部屋だね、前の支部とは大違いだよ」


 そう言って香弥はベッドに座る。

 香弥は前に八波と一緒の部屋で暮らしてたので再び八波と一緒の部屋になったのだ。


「私の日用品が届くのは少し先だけど、その間寝場所どうしよ」


「仕方ないので私のベッドで一緒に寝てもらいます」


「え? そうなの? じゃあ」


「?」


「ほら、来なよ」


 香弥はベッドに横になり八波を誘う仕草をするのだった。


「・・・・・・床で寝ますか?」


「すいませんでした、調子に乗りました」


 八波が拳を握る仕草を見せると香弥はすぐに土下座するのだった。

 それから二人は同じベッドに寝るのだった。

 

「香弥」


 しばらくの静寂を破るかのように八波が話し掛ける。


「何?」


「あなたが生きていて私は本当に驚きました」


「うん」


「でも同時にあなたが生きていてまた私と一緒にいてくれて私は嬉しくもあったんですよ」


「八波」


「だから、お帰りなさい、香弥」


 香弥に振り向き八波優しい顔で香弥に言う。


「っ、八波~!!」


 香弥は八波に思い切り抱き着く。


「ちょっと、いきなりなんですか!?」


「八波前より全然違うから変わっちゃったのかと思ってたけど、優しい所は変わってなかったね、もう心配させないでよ~」


「・・・・・・いい加減にしなさい!!」


 八波に思い切り叩かれるのだった。

 昔の親友同士は再び再会したのだった。







 

読んでいただきありがとうございます。


この後の展開考えるの大変です。

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