58 圧倒
「さあ、どこからでも掛かって来い」
ディベルタは無防備な状態で言う。
「随分と余裕ね」
「何もできずに負けてしまうのは不本意だろ? だから攻撃させてやるよ」
「なら、遠慮なくそうさせてもらいます」
真由は超加速を発動させディベルタトの距離を一気に縮める。
「ほう」
「ふん!!」
真由は刀を抜きディベルタを切る。
「どうした、こんなものか?」
「なっ!?」
刀はディベルタの身体に触れているのに刀はそのままディベルタの身体を切れずに止まってしまう。
(バカな、確実に切ったと思ったのに刃が動かない!?)
「まさかこれが全力か? だとしたら拍子抜けだな」
ディベルタはそのまま真由の腹目掛けて一撃拳を入れる。
「がっ!! はっ!!」
真由はもろに受けてしまい血を吐きそのまま地面に転がって行く。
「真由!! この!!」
紗耶香がディベルタに刀で切り掛かるが片腕で刀を受け止めそのまま拳を振るうが紗耶香のスキルでディベルタの動きを読んで躱す。
「ぐふっ!?」
しかし、紗耶香は吐血する。
躱したと思ったがディベルタの振るった拳に纏っていたエネルギーがかまいたちのように紗耶香に直撃していたのだった。
吐血してよろけた紗耶香にディベルタが容赦なく拳を入れる。
「ぐはっ!!」
紗耶香も倒れてしまうが蘭華がディベルタの頭上を取りエネルギーを込めた大剣を振るがディベルタは片手で難なく受け止める。
「なっ!?」
「ほう、中々の力だな、リンネを倒したのはお前だな、だが私が相手なのが運の尽きだ」
そのまま大剣を真っ二つに折り蹴りを入れるとミシミシと骨が折れる嫌な音が立ちそのまま壁に激突して倒れる。
「蘭華様!! よくも!!」
初音は冷気を出しディベルタを氷漬けにするが粉々に砕かれる。
「こんな氷で私を止められると思ったのか」
「くっ」
『初音!! 私と代われ!!』
ディベルタが初音に向かうと初音と入れ替わった終音が業火でディベルタを炎で包む。
「こんな火遊びがどうした」
「がっ!!」
腹部に衝撃が走った次の瞬間終音は後ろに勢いよく飛ばされて地面に転がるのだった。
「残るは、お前だけだな」
ディベルタの視線には夜見が立っている。
「冗談じゃないわね、とんだ貧乏くじだわ」
「なら四人が戦っている間に逃げれば良かっただろ?」
「それこそ冗談じゃないわ、仲間見捨てて逃げるほどあたしはそこまで薄情じゃないわ」
「愚かだな、嫌いではないが」
「そりゃどうも!!」
夜見は二丁の銃を連射するがディベルタは全ての銃弾を手で掴んで受け止めてしまう。
「遅い攻撃だな」
「ちっ、やっぱこれしかないか」
夜見はディベルタに向かって行く。
「逃げずに向かってくのは褒めてやるが無謀だな」
ディベルタの攻撃が夜見の腹部に当たり衝撃が走り夜見は吐血するが次の瞬間夜見は笑みを浮かべ銃口を向ける。
「ん?」
「アンタの弱点はここよ」
夜見はスキルでディベルタの弱点を見つけその部分目掛けて相打ち覚悟で突っ込み零距離で最大威力で銃を打つのだった。
「・・・・・・」
「嘘でしょ」
夜見は驚愕する。
弱点をもろに撃ち抜いたのにディベルタは倒れずに立っていたのだ。
「危なかった、アリスの強化薬を飲んでなければ今ので倒れてたかもな」
「バケモノじゃない」
夜見はその場に倒れてしまう。
ディベルタが近づいて来るが夜見は倒れた状態でも銃を向けるがディベルタに腕を踏みつけられ嫌な音が走る。
「ぐ、ああああああー!!!」
踏みつけられた事で夜見の片腕が折れてしまったのである。
「こんなものか、ネームドを倒したと聞いたからどんなのだと思ったが」
「まさか、これほどとは」
基地内でディベルタの戦闘を見ていた理事長と八波はディベルタの圧倒的な強さに驚く。
「すみません、私のミスです」
「いや、あれほどの強さだと誰が想像できたか」
「しかし、このままでは」
「心配ない、まだ手はある」
「え?」
「そろそろ終わりにしようか」
「いや驚いたね、まさか戦闘のレアスキル持ち五人を相手にして余裕で勝っちゃうなんて」
「!!」
ディベルタの前に一人のローブを纏った誰かがいた。
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同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。




