4 柚葉の戦場
「待たせたかしら?」
組織からの命令で柚葉は未確認の反応があった場所に到着する。
「大丈夫よ、まだ未確認は現れてないから」
先についたスキルホルダーの少女の一人が言う。
「そう言えば今朝聞いたと思うけど、あなた達の国のスキルホルダーが処刑人に殺されたけど、なんて言うかとても残念だわ、真面目で一生懸命な子だったからまさかスパイだったなんてね」
「気にしなくて良いわユズハ、同じ国の者として協力関係にあるあなた達を裏切って代わりに謝罪するわ」
アメリカ支部から来たスキルホルダー達の隊長と呼べる少女が謝罪する。
「ターニャが謝る事じゃないわ、日本でもスパイが送り込まれた事があるからね、ただこうも頻繁に他国のスパイが多く来ているから理事長もそろそろ日本だけでなく他国の協力する気がない者達に対して何かをすると思うわ、あなた達には、居心地悪い感じになるかもしれないけど」
「仕方ない事よ、私達のいる基地は特に未確認との戦闘で善戦しているからね、敵も多いわ私達他国から来た者を疑うのもわかるわ、だから気にしないで」
「そう言ってくれると、助かるわね」
「来たよ」
柚葉とターニャが話し合っているとターニャの部隊の少女が未確認を発見する。
「私は一人で大丈夫、だからあなた達は連携でお願い」
「わかったわ」
柚葉は両手にナイフを構えて未確認達を攻撃する。
未確認達は柚葉を確認するがすぐに見失い気づくと柚葉に切り刻まれて倒されていく。
「ターニャ、あれが彼女のスキル?」
「ええ、彼女のスキル『影の存在』よ、自分の存在を影のように薄くし相手が目を離したら最後次に見つけた時には相手が倒されていた時、不意打ちができるから相手は知らないうちに倒される」
「地味なスキルだけど、使い方によっては軍勢も倒せちゃうわね、怖い怖い」
「さあ、私達も行くわよ」
ターニャ達も武器を構えて未確認達を倒しに掛かる。
それから十分くらいたってから未確認達は殲滅された。
「柚葉、あなたがいると戦闘が楽になるわね、ほとんどあなたが倒したんだもの」
「ターニャ達も良い連携よ、あなた達組んで相当長いそうね」
「ええ、スキルホルダーになってからずっと組んでるもの」
「ふふ、頼もしいわね、あなた達が仲間で良かったわ」
「それはこちらも同じよ、任務も終えたし帰還しましょう」
「私は少しここで休んでから行くから、先に帰ってて」
「ええ、わかったわ」
「ねえ、ターニャ」
「何かしら?」
帰ろうとしたターニャは柚葉に呼ばれて振り向く。
「さっきも言ったようにこれから居心地が悪いと感じるかもしれないけど、それでも私達はあなた達を仲間だと思っているわ、だから気をつけてね」
「ええ、わかってるわ」
柚葉の言葉に笑って答えたターニャ達はそのまま基地へと帰還するのだった。
「本当に仲間だと思っているのよ、処刑されたあの子の事もね」
ターニャ達がいなくなった後、柚葉は空を見ながら一人そうつぶやくのだった。
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