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56 ネームド強化

「フッフッフ、よく来たね」


 未確認の反応があり080が立ち尽くしていた。


「こっちはアンタ達のおかげで苛立ちが募ってるのよ」


 夜見が銃を構えすでに戦闘態勢に入っている。


「でも、相手は僕じゃないけどね」


「はあ? じゃあ誰が相手するって言うのよ?」


「私だよ」


 声のした方を向くとそこにはアドメラの姿があった。


「アドメラ」


「お前達からすればここ最近わけわからない行動だと思うわな、だがそれも今日で終わりだよ」


「どう言う意味よ?」


「こう言う事さ」


 言った瞬間アドメラから一気に力が解放される。


「なっ!?」


 今までとは比べ物にならない力に夜見は目を見開く。 


「アリスが強化薬でパワーアップした私だが、この力に慣れるための時間が必要だったんだよ」


「まさか、アンタの部下がわけわからない行動していたのって」


「そうだ、私がこの力に慣れるための訓練を邪魔させないためにこいつらに囮となって暴れさせてたのさ」


「そう言う事か、そしてのこのこ現れたって事は」


「その通り、力に慣れたから戦いを挑みに来たのさ、今日こそはお前達を一人残らず消してやるよ」


 アドメラは大鎌を出し夜見に攻撃を仕掛ける。


「くっ」


 夜見は銃で攻撃を受け止めようとするが寸での所で夜見は躱す選択をすると振り払った大鎌の威力は以前よりも格段に上がっていてもし受け止めていたらタダでは済まなかった事が窺える。


「パワーアップは伊達じゃないってか」


 夜見が銃を構えると080がコードを伸ばして夜見を捕らえる。


「なっ!?」


「僕達の事忘れてもらっちゃ困るな」


 080の言う通り他にも027、047、062が立っている。

 そして前に現れたロボット型の未確認が数体いた。


「あれは、柚葉が戦った未確認」


「お前達がボカスカと倒しまくった大型の未確認が強化した姿さ、アーマノイドと言うのさ」


「アーマノイド、あのデカい未確認まで強化するなんてね」


「強くなったのはお前達だけじゃないって事さ」


 アドメラが大鎌を振って起きたかまいたちが夜見を襲う。


「うあああー!!」


 080のコードによって身動きができなかったため夜見はそのかまいたちをくらってしまう。


「くそ、マジでヤバいかも」


「卑怯だなんて思うなよ、お前の仲間が言ってたからな、戦争では卑怯と思われる戦いも定石だと」


「おらー!!」


「くっ!!」


 047が鋭い爪で夜見に激しい攻撃を仕掛ける。


「吹っ飛べぇ!!」


 爪の形をしたエネルギー波が夜見に襲い掛かる。


「おまけだ!!」


「うおお!!」


 062と027がそれぞれ電気と砂の塊を飛ばし047の爪と融合して合体技として夜見を襲う。

 夜見が銃を打って相殺しようと試みるが三体の技が合体したため威力は消えない。


「くそ!!」


 夜見が躱すと躱した方向からアーマノイド達がレーザーを一斉に発射する。


「くっ!!」


 躱せないと判断した夜見はせめて急所だけは避けるように身を守るがそれでも腕や足にレーザーが掠ってしまう。


「うっ!!」


 夜見はそのまま倒れてしまうがそこにたたみかけるようにアドメラが大鎌を構える。


「これで終わりだ!!」

 

 アドメラが大鎌を振り斬撃が夜見を襲うが直撃する前に夜見の姿がその場から消えるのだった。


「何!?」


「危ない所だったわね」


「何が危ないよ、もうちょっと早く来なさいよ」


 夜見を抱きかかえている柚葉の姿があった。






「ナンバーズの行動の理由がわかった?」


 時間は数時間前柚葉達は理事長室でここ最近のナンバーズの行動理由について新たにわかった事を話し合っていた。


「左京さんが映像を見ておかしな点に気づいたので今から皆さんにも見ていただこうと思いお呼びしました、早速映像を見てください」


 八波が映像を見せるとある部分で映像を止める。


「左京さんによるとこの部分」


「煙が上がっている部分だな、ナンバーズが撤退する時にいつも音がして煙が上がっていたな」


 楓の言葉に全員も頷くと八波はその部分を拡大させる。


「ん? 何だ? 何か人影のようなものに見えなくもないな」


「これ以上拡大ができなかったので成海さんに頼んでさらに拡大できる装置を作ってもらったのでこれを使うとさらに拡大し鮮明になるそうです」


 八波が成海に作ってもらった装置を使ってその部分を拡大すると何が写っているかはっきりする。 

 写っていたのはアドメラの姿だった。


「誰かが起こしているものだと思ってましたが、アドメラだったとは」


「でも、何でアドメラが?」


「わかりませんが、彼女が何かをしていたのは確かですね」


「でも、左京さんよくわかったわね」


「うん、こんな小さいの普通なら見逃す」


「いつも書類を隅々まで見ていますので細かい所まで目がいったのでしょう、そのおかげでこれを見つける事ができました」


「目的はわからないけど何か嫌な予感がするわね」


 夜見の言葉に全員も同じ考えだった。


「二週間、敵が同じ行動をしていたって事は、そろそろ行動に移すんじゃない?」


「行動?」


「ええ、アドメラ自身が現れるって考えね」


「なるほど、それで何か仕掛けて来るなら全滅を避けるために誰かが囮として状況を知る必要があるって事ね」


「ええ、だから夜見、頼むわよ」


「は?」


 柚葉の言葉に気の抜けた声を出す夜見。


「だからその囮役はあなたに任せるって言ってるのよ、あなたなら上手く立ち回れるわ」


「はあー!?」

 

 夜見の声が理事長室中に響くのだった。






「ったく遅いわよ、もう少しで死ぬかと思ったわ」


「その割には元気じゃない? でもおかげで相手のここ二週間の目的がわかったわ、まさか強化した力に慣れるための修行みたいなものだったなんてね」


「あいつらの部下も相当パワーアップしてるわ」


「了解、アドメラは任せて、夜見をお願いね」


「ああ、任せろ、総員出撃!!」


 建物の屋上から楓が発した瞬間その周辺の建物の屋上から少女達が姿を現す。


「なっ!?」


「卑怯な手段は戦場では定石だと確かに言った、だからお前達がその手を使ったとしても特に咎める気はない、ならばこちらもそれ以上の手段を使うだけだ!!」


 楓の指示で047には真由、027には初音、062には紗耶香、080には蘭華がつき、夜見には湊が駆け付ける。


「さて、あなたの相手は私よ」


 湊に夜見を任せて柚葉はアドメラにナイフを向ける。


「上等だ、前に戦った時と一緒だと思うなよ」


 アドメラは大鎌を振るう。


「おらぁ!!」


 047は爪を振るい真由に攻撃する。


「強さも速さも前とは大違いだぞ!!」


「速さなら私も少しは自身があります」


「蟻地獄に沈め!!」


 027が自分の周辺に巨大な蟻地獄を出現させ初音は引きずり込まれて行く。


「・・・・・・暴れてもダメか」


「はあー!!」


 062は電気の塊を地面に流し電流が紗耶香を襲う。

 躱しても電流はどこまでも紗耶香を追いかける。


「相手に反応しているのね」


「そら!!」


 080はコードを伸ばして夜見を捕らえた時みたいに蘭華を捕らえようとする。


「あなたは見た事ないわね、パソコンの姿をしているからもしかして支部でのハッキングの時のナンバーズね」  


「おらおら!!」


「ふふ」


 アドメラは大鎌を振り回すが柚葉は涼しい顔でナイフで捌いて行く。


「余裕だな」


「そう見えるだけかもよ?」


「余裕ねえ奴が言う言葉か」


「あら」


「はあ!!」


 蘭華が大剣を振ると080の伸ばしたコードが切られる。


「バカな、パワーアップしたんだぞ」


「だったら私がさらに強かっただけの話ね」


「ぐわああああー!!」

 

 蘭華の大剣が080を切り080は倒れる。


「そろそろ終わりね」


「ああ、お前がな!!」


 柚葉がアドメラの大鎌をジャンプして躱す。


「甘い!!」


 アドメラは瞬時に大鎌の向きを変えそのまま柚葉に向かう。


「強くなったからこれぐらいはできるようになったんだよ、これで終わりだ!!」


「ええ、そうね、終わりにしましょう」


「何っ!?」


 背後を向くといつの間にか柚葉がいてそのまま柚葉に切られてしまう。


「ぐふっ!! バカ、な」


「強化しているから身体の防御力も上がってるのね」


「う、ぬ」


「隙あり」


 真由の超加速に翻弄している047の隙をついて刀で一太刀入れる。


「私以外なら勝てたかもしれないけど、相手が悪かった」


 027の蟻地獄に呑みこまれるが初音が砂全てを凍らせた事で蟻地獄から脱出しそのまま027を凍らせる。


「何故当たらない!?」


 062の電流が紗耶香を襲うが先読みによって電流の動きもわかるため紗耶香には当たらずその事に気を回し過ぎたせいか紗耶香の接近を許してしまいそのまま紗耶香に切られる。


「ぐう!!」


 アドメラの部下達も次々と倒されていきアーマノイド達も楓の指揮で少女達により全滅する。


「よし、総員構え!! 目標、ナンバーズ!!」


『了解!!』


 少女達が一斉にナンバーズに射撃する。


「ぐおおー!!」


「うああー!!」


「うわあー!!」


「ぐああー!!」


 一斉射撃を受けたナンバーズ達はそのまま倒れるが強化薬で強化されているからかかろうじて生きている状態である。


「くそ、まだだ」


 アドメラは立ち上がるがもはや勝敗は目に見えている状態である。  

 とどめを刺されそうになった瞬間どこかからバイクが飛び出しアドメラ達の前で止まる。

 それは同じネームドのライリアだった。

 ライリアは銃を取り出し地面に向けて打ち煙幕を起こす。

 煙幕が晴れるとそこにはアドメラ達の姿は消えていた。


「逃がしたか」


「でも死者は出なかったから結果オーライでしょ?」


「そうだな」


 湊の言葉に楓は頷き少女達は帰還する準備をするのだった。






「どう? これが今の私達の仲間よ?」


 どこかで見ていた玲子が隣にいる人物に語り掛ける。

 

「あの時と違って戦える子も増えているし、あの子も今では戦いに参加する事もないわ、そろそろあなたにも戦いに参加してもらうつもりよ、準備は良いかしら?」


 玲子の問いに隣にいる人物は無言で頷くのだった。


 


 


読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。

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