51 強化兵士
「まずは大型達の強化をしたいと思う」
そう言ったアリスは薬が入った瓶を取り出す。
「何だそれは?」
「イリスが作った強化薬を改良した物よ、あの子は十分な実験をせずにすぐ使ったからナンバーズも自分も理性が変になってしまっていた、ちゃんと長い期間でやれば良い物になれたのに」
アリスは瓶を見つめながら残念そうな顔をする。
敵意を向けられても双子の妹、姉として大切に思っていたのは確かである。
「改良って大丈夫なのか?」
「問題ない、大型で実験をして成功した、疑うなら今ここで試そう」
アリスは大型未確認の一体に薬を与えると大型未確認の姿は変化していく。
「おいおい、マジかよ」
「凄い」
アドメラとリーネはその変化に素直に驚くのだった。
「それじゃ、早速どれくらいのものか戦闘データも取ろうか」
アリスが命じると大型未確認は出撃するのだった。
「今までの反応と違う?」
理事長室に呼ばれた柚葉は八波から説明を受けていた。
「ええ、未確認の反応は確かにあったのですが、ネームドともナンバーズとも違う反応でした」
「なるほど、初見だから私が行くのが適任って事ね、私ならいざと言う時に逃げられるし」
「敵の新たな戦力ではないかと考えている、君と夜見君がイリスを倒した事で向こうも警戒心が強くなったのかもしれない」
「まあ敵の最高戦力を二体も倒したしね、じゃあ早速行ってくるわ」
「反応があったのはここね」
柚葉が現場につくと目の前に未確認が現れる。
「これは」
柚葉興味深そうにその未確認を見る。
その未確認は機械でできた人型の姿をしている。
「まるでロボットみたいね」
そう言っているとロボットの未確認が手を前に出すと手からエネルギーがレーザーのように放たれる。
「本当にロボットみたいね」
柚葉が躱すと今度は柚葉に接近し手を振り上げると手が剣の形に変化し柚葉に切り掛かる。
「腕が剣に、でも動きが単調ね」
柚葉はナイフでロボットの未確認の剣を捌くともう片方の手を前に出し先程のレーザーを放つ。
「あら、さすがにこれは避けきれないわね」
柚葉はスキルで時を止めてレーザーを回避する。
「・・・・・・攻撃方法はこれで全部のようね、なら」
柚葉はナイフを振るうとロボットの未確認の片腕を切り落とす。
「その腕は貰うわね、帰って成海に見せて調べてもらうから、それと」
柚葉はナイフでロボットの未確認を両断させて爆散させる。
「ん?」
爆炎の中を一台のバイクが飛び出し、柚葉の前で止まる。
「あなた、この間の」
柚葉が見たのは前に出会ったバイクに乗っている少女と思われる人物であった。
「・・・・・・」
「あなた、ネームドかしら?」
柚葉の問いに黙って柚葉を見ていた少女はバイクから降りるのだった。
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同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。




