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50 集結

 いつものように柚葉は未確認と戦っていた。

 今回はナンバーズはおらず大型の未確認だけだったため柚葉からすれば楽勝と言える相手であった。


「これで全部倒したわね、ん?」


 柚葉が何かに気づくと目の前に一台のバイクが現れる。


「誰?」


「・・・・・・」


 バイクに乗っている少女と思われる人物は柚葉をじっと見る。


「・・・・・・またね」


 それだけ言って少女はバイクを走らせるのだった。


「何だったのかしら?」


 不思議に思った柚葉はしばらくバイクの向かった方角を見るのだった。






「リーネ、何してるんだ?」


「リンネとイリスを弔ってるの」


 リーネがそう答えると台座がありその上にリンネとイリスの写真が飾られていた。


「遺影かでもこんな写真いつ撮ったんだ?」


「この子が撮った」


「あ、どうもっす」


 リーネに言われて出て来たのはカメラの姿をしたナンバーズである。

 

 ナンバー022(ぜろにいに) 道具型モデルカメラ。


「お前いつの間に撮ったんだ?」


「ええっと何か撮って良いっすかって言ったら撮ってもらえたっす」


「お前、それでどうやって戦うんだ?」


「いや、自分戦えないっす、非戦闘員のナンバーズっす」


「え? 撮った相手を写真に封じ込めたりとかできないのか?」


「そんなオカルト的な能力持ってるわけないじゃないっすか、自分にできる事って言ったら写真を撮る事とシャッターの光で相手の目くらましくらいっすよ」


 表情はわからないがナンバー022は軽い調子で答えるのだった。


「マジかよ、そう言えばナンバーズに進化しても戦闘で役に立たない奴も少なからずいたな」


「そうっす、それにリーネ様だって元はマネキンの非戦闘員だったじゃないっすか」


「言われて見れば」


「うん、だからこの子が撮った二人の写真を遺影にしたの、皆も二人の冥福を祈って」


「ああ、わかった、お前等も祈りな」


「「「「へい」」」」


 リーネに言われアドメラも自身の配下のナンバーズ達と共に倒されたネームド、リンネとイリスの冥福を祈るのだった。


「仲間思いな子がネームドに進化したんだ」


 声のした方を向くと白衣を着た少女が立っていた。

 その姿はイリスと瓜二つだった。


「イリス?」


「私はアリス、イリスは私の双子の妹よ」


「あいつ姉がいたのか」


「しばらく見ない間に二人ほど変わってるわね、あなたもしかしてアドラを取り込んだのかしら?」


「ああ、確かにアドラを取り込んで進化したがそう言えばアドラの記憶にお前の姿があったな」


「そう」


 アリスは二人の遺影に近づく。


「あの子は何かと私に対して敵意をむき出していたわ、それでも私にとってはたった一人の妹だったからこんな結果になって残念だわ」


「一応妹を大切に思ってたのか?」


「わからない、でもあの子がいなくなったのは何だか自分の中に空白ができた気分よ」


「それで、お前他の国で暗躍してたのに何で日本に来たんだ?」


「私だけじゃない、他のネームド達全員この日本に向かってるわ」


「え?」


「ネームドを二人も倒されたのよ、この国は危険だと判断したから各国にいるネームド達がこの国に向かってるわ、何人かまだ来てないけど、少なくとも私ともう一人はこの国についてるわ、噂をすれば」


 すると音が響いたと思えばバイクに乗った少女がその場に現れるのだった。


「こいつが言っていたもう一人か?」


「そうよ、今は私と彼女だけだけど、他のネームドももうじき来るからしばらくは私達だけで行動しましょう」


「おう、わかった」


「どうしたの?」


「いや、何て言うかリーネの時もそうだけどアリスもイリスと見た目が同じで声も同じだからどうもイリスと違う事に違和感を覚えるんだよな」


「しばらく一緒にいれば慣れるわ」


「そう言うものなのか」


 未確認側も戦力が集結しつつあるのだった。



読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。

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