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42 見破る者

「俺はナンバー014(ぜろいちよん)


 ナンバー014 自然型モデルダイヤモンド。


「世界一硬い物質って言われているダイヤモンドねぇ」


「そう言われてるけど、ダイヤより硬い物があるそうよ」


「そうなの? でもダイヤモンドか、あの大きさならどれくらいで売れるのかしら?」


「状態にもよるけど相当な値段になりそうね、でも倒さないといけないから少し勿体ないわね」


「確かに勿体ないけど、やるしかないでしょ」


「話し合いは終わったか? なら行くぞ」


 014は構えて全力でタックルをする。


「堂々と正面から突っ込むなんて良い度胸ね」


 正面からタックルして来る014に向けて銃を打つが014の硬い身体に弾かれてしまう。


「やっぱダメか」


「そんな豆鉄砲など効くか!!」


 正面から勢いよくタックルして来るので夜見は難なく躱そうとする。


「甘いわ!!」


 躱した瞬間すぐに身体をターンさせ再び夜見にタックルする。


「なっ!?」


「危なかったわね」


 しかし、夜見に当たる寸前に柚葉がスキルで時間を止めて夜見を移動させた事により014のタックルを躱すのだった。


「おかしい、確かに捉えたと思ったんだが」


 何が起きたのかわからない014は不思議な感覚に陥るがその答えがわからないので即座に思考するのをやめて再び戦闘態勢に入る。


「助かったわ、でもあいつ思ったより動きも俊敏ね」


「見た目に騙されたわね」


「さて、どうする? あたしの銃も効かないしおそらくアンタのナイフも通らないわよ?」


「そうね、そうなるとスキルで不意打ちも無理ね、でもあなたならできるでしょ?」


「はいはい、じゃあいつも通りに少し時間稼ぎお願い」


「わかったわ」


 柚葉はスキルを発動させ時間を止め014に接近しナイフで突き刺すがダイヤモンドだけありナイフは刺さらない。


「やはり硬いわね」


「? いつの間に?」


 気づいたら接近されている事に014は疑問に思いながらも柚葉を攻撃する。


「これでもくらえ!!」

 

 014は両手を前に出すと両手からダイヤモンドの破片がマシンガンのように柚葉に向かって行く。


「あら」


 柚葉は近くにあった壁に隠れて攻撃を防ごうとするがダイヤの破片は壁を貫いて柚葉に襲い掛かる。


「破片でもダイヤモンドね、ただの石の硬さの壁じゃ防ぎきれないわね、しかも尖っているから当たったらいっかんの終わりね」


 当たるとマズいと判断した柚葉は躱しきれないと判断しスキルで時間を止めてダイヤのマシンガンを全段躱すのだった。


「また躱されただと?」


「ダイヤを飛ばすなんて贅沢な事をするわね」


「柚葉」


 柚葉が014と戦っている間静観していた夜見が近づく。


「見つかった?」 


「ええ、ここからはあたしに任せて」


「わかったわ」


 柚葉は後ろに下がり夜見が前に出る。


「さあ、相手になってもらうわよ、ダイヤモンドのナンバーズ」


 夜見が銃を構えて014に接近するために走り出す。


「何度来ても同じだ、お前達じゃ俺に傷一つ付けられない」


「そう、じゃあ試して見る?」


 夜見が014に近づくが014も近づかせまいとダイヤモンドのマシンガンを連射するが次の瞬間には夜見は014の懐にまで迫っていた。


「もう少し近づけば良かった?」


「十分過ぎ」


 夜見は銃を014の身体につきつける。


「ここ」


 そのまま連射すると014の身体にひびが入る。


「ぐおおおおー!!」


 014は打たれた部分を抑える。


「な、何故俺の身体に傷が!?」


「あたしのスキルよ」


「スキル?」


「あたしのスキルは『ウィークポイント』簡単に言うと相手の弱点がわかるスキルよ」


「弱点」


「柚葉がアンタの相手をしている間にあたしがアンタの弱点を見つけたのよ、あたしのスキルはすぐに見えるわけじゃないから発動したら少しの時間相手を見なければいけないのよ」 


「だから、お前はさっき戦いに参加しなかったのか、だが俺の身体はお前の銃じゃ打つ抜けないほどの硬さだ、何故」


「どんな硬い物質にも弱点があるのよ、詳しい事はよく知らないけど何かダイヤモンドが割れる場所があってそこをピンポイントで叩くと割れるってテレビでやっていたけど、要はその弱点部分が複数見えてその中で一番弱点が大きい部分を撃ち抜いたのよ、だからアンタの身体にひびが入った」


「そう言う事か、だが俺はまだ倒れていない相手に自分の力を喋り過ぎたな」


 014は手を前に出しダイヤモンドのマシンガンを放とうとするがその瞬間自身の身体に衝撃が走る。


「な」


「私を忘れていないかしら?」


 柚葉がナイフでひびの入った部分を突き刺し014の身体を砕くのだった。


「お、お前、また、何故?」


「さあ、何故かしらね?」


「ぐう」


 014はそのまま倒れて爆散する。

 辺りには破片となったダイヤが散らばっていた。


「破片でも一応ダイヤよね?」


「そうね、ダイヤはダイヤよ」


「・・・・・・持ってく?」


「そうね、売れるかはわからないけど、成海に渡せば強力な武器とかを作る材料になるかもね」


「それもそうね、じゃあ早速回収するわよ」


「そうね、でもその前に、そこに隠れているあなた出て来たら?」


 柚葉が建物に向かって言うと建物の隅から一人の少女が姿を見せた。



 

読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。

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