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39 圧倒的な戦い

「うらあぁー!!」


 リンネが剣で猛攻するが蘭華は大剣で軽々とリンネの攻撃を受け流す。


「くそ!! 何でお前は倒れない!!」


「今のあなたの攻撃で確信した、あなたは私に勝てない」


「ハッタリぬかすな!!」


 リンネはエネルギーを込めて斬撃を飛ばすが蘭華は大剣で切り伏せる。


「クソが!! ならこれでどうだ!!」


 リンネが斬撃を連続で飛ばしその全てが自在に操作されて蘭華に迫る。


「四方八方全方向からの攻撃だ!! 避けれるわけがねえ!!」


 しかし蘭華はその場で回転し大剣で全ての斬撃を防ぐ。


「は?」


「言ったはずよ、あなたは私に勝てないと」


 唖然とするリンネを余所に蘭華は冷静に言葉を続ける。


「リンネ、あなたはどうやったのかは知らないが傷も癒えているし力も上がっている、でもあなたの戦い方は何も変わっていない、八波さんとの戦いであなたの戦い方は全て見た、だからあなたがいくら強くなっても戦い方が変わってないならただ少し強くなっただけ、すでに対策できているから猛攻撃は通用しない、他の技とかがあるなら別だけど」


「ぐっ、ふざけるな、ふざけるなぁー!!!」


 リンネが剣に大きなエネルギーを纏い蘭華に切り掛かるが蘭華が大剣で受け止めさらに纏っていたエネルギーも分散される。


「・・・・・・」


「あなたは自分の思い通りにならないとすぐに熱くなって周りに当たり散らす、それがあなたの最大の弱点よ、もう一度言うわ、あなたに勝ち目はない」


「な、な」


 何か言おうとしても図星をつかれたからか何も言う事ができない。

 しかし、その時リンネに異変が起きた。


「が、ああ」


 突然苦しみだし胸を抑えるリンネ。


「あ、あああああああああああアアアアアアアアアアアアアァー!!」


 リンネの身体が変化し身体が大きくなりバケモノみたいな異形な姿に変化した。


「これは」


「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァー!!」


 バケモノになったリンネが蘭華に襲い掛かる。


「へえー、あの薬ってこんな副作用があったんだ」


 バケモノになったリンネの姿を廃墟の上から面白そうにイリスは見ていた。


「ま、こうなったらもう手遅れだよね、せめて良い実験体になってよね、リンネ」


 リンネを見るイリスはまるで面白いおもちゃを見ているような表情だった。


「蘭華様!!」


「大丈夫よ初音、他の皆も巻き込まれないように離れていて」


 初音が心配して蘭華に寄ろうとするが蘭華は手で制して来ないようにさせる。


「・・・・・・」


「ウウウウ」


 蘭華はバケモノの姿になったリンネを見る。


「あれだけの傷が早く治り力も増している、そして急な苦しみでバケモノのような姿、理性を失っている、考えられるのは薬か何かを使ったって所かしら」


「グウウウ」


「物語とかで復讐したい相手がこんな姿になった時、怒りよりも憐れみが強くなる展開が多いけど・・・・・・なるほど、確かにそんな気持ちになるわね」 


 蘭華は大剣を構えて理性を失っているリンネに言う。


「来なさいリンネ、私が引導を渡すわ」


「ガアアア!!」


 リンネが蘭華に突進するのだった。

読んでいただきありがとうございます。

今年最後の投稿です。

来年もよろしくお願いします。

良いお年を。

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