2 少女の仕事
未確認との戦いを終えた柚葉は基地へと帰還した。
基地はまるで学園みたいで柚葉が来ている服も学生服のような服である。
柚葉は学園に入り理事長室と書かれている部屋に入る。
「ただいま、戻ったわ」
「ご苦労だったな、柚葉君」
柚葉の目の前に座っている男性が柚葉に労いの言葉を掛ける。
「早速報告してもらうが、今回の未確認はどうだったかね?」
「いつも通り、特にこれと言った特異な個体はいなかったわ」
「そうか、未確認についてはまだまだわからない事だらけだからな、少しでも情報がわかれば君達戦闘系のスキルホルダー達も戦いやすくなると思うのだが」
「今のところ知能がない個体ばかりだから問題ないと思うわ、理事長」
「だが油断は禁物だ、とは言え今は君が無事に帰って来てくれて良かった、今日はゆっくり休むと良い」
「そうさせてもらうわ」
柚葉は報告を終えて理事長室を出て行く。
「それにしても相変わらず彼女の戦闘能力は凄まじいですね、たった一人で未確認を全滅させるのですから」
理事長の隣で黙っていた秘書らしき少女が口を開く。
「とんでもない戦力を得たと思っているよ」
「ええ、それに彼女のスキルは戦闘だけでなく他の事にも役立ってますからね」
「彼女の性格だからこそできる事でもあるがな」
「理助長、報告したい事があります」
「聞こうか」
少女は理事長に報告書を見せて話し合うのだった。
理事長への報告を終えた柚葉は学園の中を適当に歩いていた。
「あ、おーい、柚葉ちゃーん!!」
柚葉の事を呼び少女が柚葉に抱き着く。
「お帰り柚葉ちゃん、どこもケガしてない?」
「菜乃、相変わらずあなたは誰にでも抱き着くわね」
「しょうがないもん、これが私なんだから」
菜乃と呼ばれた少女は柚葉に抱き着きしばらくしてから離れる。
「今日もたくさん頑張ったのね、由奈」
「はい、お姉様」
菜乃の隣にいた少女は他と違い首に大きな首輪をつけている。
「由奈ちゃんは今日もたくさん手伝ってくれたから助かったよ、由奈ちゃんとっても良い子だからね」
菜乃はそう言って由奈に抱き着く。
「あ、それと柚葉ちゃんあまり由奈ちゃんに無理させないでね、由奈ちゃんが嫌だと言ったら絶対にやめてよね」
「大丈夫よ、由奈が嫌がる事はしていないわ、あなたが毎日確認してるでしょ?」
「それでもだよ、確認する私も恥ずかしいんだから」
「あの、二人は何の話をしてるのですか?」
二人の会話の意味がわからない由奈は二人に質問する。
「何でもないわ」
「何でもないよ、由奈ちゃんこっちの話だから」
「そう?」
それから柚葉は食事を摂り自分の部屋へと入る。
お風呂に入りベッドの上には柚葉と由奈がいる。
この基地ではそれぞれ二人一組で部屋があり柚葉は由奈と同じ部屋である。
「じゃあ、由奈今日も寝る前の最後のお仕事をするけど、体調は大丈夫?」
「はい、お姉様」
柚葉の問いに由奈は顔を赤くして答える。
「じゃあ、始めるわね」
「はい」
そう言って柚葉は由奈の唇に自分の唇を重ねる。
「んぅ」
柚葉にキスをされている由奈は感情が高ぶって身体が熱くなる。
しばらくキスをしてから柚葉は由奈から離れる。
「かわいい反応ね、由奈」
「は、はい」
「ふふ、そんなに怖がらなくても大丈夫よ、いつも通り力を抜いて私に全て任せれば良いわ」
「はい、お姉様」
そう言って由奈は柚葉に身体を任せるのだった。
「んっ」
「どうした? 八波君」
理事長室で仕事をしている理事長は秘書である少女を心配する。
「理事長、どうやらいつものが来たみたいなので少し休みます」
顔を赤くして八波は答える。
「そうか、落ち着いたら戻って来てくれ」
「はい」
八波は理事長室の中にある個室に入り落ち着くまで休むのだった。
そしてそれは彼女だけでなく基地内にいる全ての少女達にも同じ症状が起こっていたのだった。
「おねえ、さま」
数時間後には柚葉の隣でぐったりしている由奈が気を失って眠っている。
「お疲れ様、由奈」
柚葉は由奈の頭を優しく撫でてから制服に着替えて部屋を出てしばらくしてから帰って来て由奈の隣で眠りにつくのだった。
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同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。