36 暴走
「バーサーカー」
「ええ、それが八波ちゃんのスキル」
「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアー!!」
雄叫びを上げた八波は近くに落ちた刀を二本拾い次々と未確認の軍勢を倒していく。
そして077に襲い掛かる。
「来るか、真っ二つにしてやる」
077に正面から突っ込む八波。
「正面から来るとはバカが死ね!!」
077は両腕の斧を振り下ろし八波はそれを刀で受け止めるが刀は折れてしまう。
「ふん、俺の斧がそんな刀で防げるか」
077は丸腰になった八波に斧を振り下ろすが八波は今度は素手で斧を防ぐ。
「何!?」
077は驚くがそんな暇など与えずに八波はそのまま077の顔面を掴みそのまま地面に叩きつけ近くに落ちていた槍を取り077に突き刺す。
「ぐああ!!」
077は振り払うが八波が拾った斧で077を真っ二つに切り裂く。
「うああああああああああああああああああああああー!!」
真っ二つにされた077は爆散する。
「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアー!!」
077を倒して八波は雄叫びを上げる。
「バカな」
077がやられた事に動揺する065だが雄叫びをやめた八波が065に振り向き迫っていく。
「クソが、くたばれぇー!!」
065は両腕のマシンガンを連射させるが八波は槍と斧で突っ込みながら弾を弾きそのまま近づき槍を刺しそのまま065を押していき木に突き刺しそのまま斧で065を真っ二つにする。
「があっ!!」
「潰れろ」
065が爆散すると背後から八波目掛けて030がハンマーで叩きつぶそうとするが八波は腕でハンマーをガードする。
「何!?」
「ガアアアアー!!」
八波は雄叫びと共に近くにあった剣を拾い030の身体を切り刻み爆散させると八波の上空に何か振って来る。
見るとそれは爆弾であり八波の周囲で爆発が起こる。
「跡形もなく吹き飛んだぜ・・・・・・な!?」
ナンバー086が八波を爆弾で吹き飛ばしたと確信するが爆発で起きた煙が晴れるとそこには八波が何事もなかったかのように立っていた。
「バカな」
瞬間八波が086に迫る。
「く、クソが!!」
086は爆弾を投げるが八波は手に持っている剣で爆弾を切りそのまま086に迫り剣で086を切り刻み086は断末魔を上げて爆散する。
「く、おらああああああああああ!!」
最後に残されたナンバー096は両腕のガトリングガンで連射し八波は剣ではじくが065のマシンガンと違って威力が強いのか途中で剣が折れてしまうが八波は即座に落ちている斧や槍や刀を拾い096の連射を弾きながら096に迫っていく。
「あ、ああ」
096は迫っていく八波に何の恐れもなく迫って来る八波に恐怖を感じる事になるがその瞬間八波の持っている刀が096を突き刺しそのまま切り込む。
「ば、バケモノが」
そう言って096は爆散する。
ナンバーズを全て倒したが八波はそのまま武器を拾い周りにいる大型未確認達を殲滅して行く。
「まさか、八波がこれほど強かったとは」
城壁の上から見ていた楓達は八波の強さに驚いている。
「当然よ、だって八波ちゃんは最初に現れた戦闘系のレアスキルだったから」
「最初の戦闘系レアスキル」
「ええ、八波ちゃんが現れるまで戦闘系のレアスキル持ちは今までいなかったのだから国は早速八波ちゃんに戦わせた、そのおかげで当時苦戦していた未確認を簡単に倒せたからそれからは八波ちゃんが戦闘をする事になったの」
「だが今は戦いに参加せずに指揮官の秘書をしているな」
「八波ちゃんのスキルは確かに強力だった、でもそのスキルは八波ちゃんの身体を壊していったのよ、あまりにも強大な力で周りだけでなく自分自身も傷ついていったの、しかもあのスキルは自我が失われて目の前に映るもの全てが敵だと思い見境なく襲い掛かるの、そのせいで味方も危険に晒される事になるから実質八波ちゃん一人で戦う事になったの」
「ちょっと待て、いくら戦えるのが彼女だけだからって自分も傷つくリスクがあるなら一人で戦い続けたらいつか完全に壊れてしまう、だったら彼女の体力が回復するまで休ませるはず・・・・・・まさか」
自分で言って湊は一つの恐ろしい事実に気づいてしまう。
そして玲子の言葉でそれが事実だったと言う事になる。
「そうよ、当時の支部長は八波ちゃんに休む時間を与えずに未確認が現れる度に八波ちゃんを行かせてたのよ」
「何て事を、それじゃ八波さんの身体が壊れてしまうのも当然よ」
「ええ、だから最後の戦いで理事長が八波ちゃんを引き取って自分の秘書に置かせたのよ、その時の八波ちゃんの身体はもう戦えないくらいにボロボロだったのよ、それからあなた達戦闘系のレアスキルが現れてくれたから八波ちゃんも身体を治す時間ができたのよ」
「でも、今再び戦って大丈夫なの?」
心配した初音が玲子に問う。
「私の見立てでは一時間が限界よ、今三十分経過したから後半分、それ以上は例え倒しきれてなくても強制的に止めさせてもらうわ」
「それに異論はないがどうやって彼女を止めるの?」
湊の言うように八波は今暴走状態に入っている。
止めに入っても自我を失っている八波には全てが敵に見えてしまっている。
そんな疑問に答えるように玲子は持って来ていた大きなカバンのケースを開きあるものを取り出す。
「これを使うのよ」
「なるほど、他の者達にすぐに準備をさせる」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアー!!!」
楓が少女達に指示を出していると同時に八波は全て未確認を全滅させ雄叫びを上げている。
そして残されたのはネームドのリンネだけであった。
「何だよ、こいつ」
「フウゥ」
最後に残ったリンネの姿を八波は捕らえるのだった、
読んでいただきありがとうございます。
同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。




