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35 バーサーカー

「八波さん」


 戦場に八波が現れた事に蘭華を始め初音と湊も驚く。


「蘭華さん、初音さん、湊さん、よく持ちこたえてくれました、ここからは私に任せてください」


「まさか、一人で戦うつもり?」


「ええ」


「そんなの無謀だわ、私ならまだ戦える」


「いえ、あなた達にはここで退いてもらいます、それに私が戦えばあなた達を巻き込んでしまいますので、どちらかと言えば私は一人で大群と戦った方が良いのです」


「どう言う事?」


「説明している時間がありませんので、今言える事は私が戦う時は私の近くにいない方が良いのです、あなた達を巻き込みたくありませんので」


「・・・・・・蘭華、初音、私に捕まれ」


 湊がスキルで腕を伸ばして蘭華と初音を掴み自分に引き寄せる。


「八波、本当に任せて良いのね?」


「ええ、お願いします」


「わかった」


 湊は片腕で二人を巻き付けるように掴みもう片方の腕で城壁を掴み楓のいる場所まで移動する。


「これで、私以外はこの戦場にいませんね」


「あ? お前一人で戦うつもりか?」


「その通りです」


 八波の言葉を聞きリンネは一瞬唖然とするがすぐに笑い出し他のナンバーズ達も笑い出す。


「こりゃ傑作だ、本当に一人で戦うつもりかよ!!」


「・・・・・・」


「おい、舐めてんじゃねえぞ」


「別に舐めていませんよ、ただ私が戦うと敵も味方も関係なく巻き込みますから、だから私は一人で戦うのですよ、仲間を巻き込まないために」


「はっ!! 随分な事を言うな、一人で十分? じゃあやって見ろよ!!」


「ええ、今やってあげますよ、私も仲間を傷つけられてそろそろ我慢の限界でしたからね」


「おい、まさか八波一人で戦うのか?」


 楓は城壁から八波を見る。


「この軍勢相手に無茶だ、今すぐに加勢に行かねば」


「そんな事したら八波ちゃんの邪魔にしかならないわ」


 楓が加勢しようと考えてると大きなカバンを持った玲子が現れて楓を止める。


「玲子、どう言う事だ?」


「八波ちゃんは一人で戦った方が良いの、どうしても加勢したいのなら皆が持っている武器を八波ちゃんの近くに置いて」


「武器を?」


「そうよ、八波ちゃんの周りには仲間じゃなくてたくさんの武器があった方が良いのよ」


「・・・・・・総員、持っている武器を八波の近くに落とすんだ」


 楓の指示で少女達は困惑しつつも城壁から八波に当たらないように武器を落とす。


「助かります、これだけ武器があれば十分です、では始めましょう」


 八波はスキルを発動させる。


「うう、ううう」


 スキルを発動させた瞬間八波は呻き声を上げる。


「な、何だ?」


「ぐうう、うああああああああああアアアアアアアアアアアアアアー!!!」


 八波は雄叫びを上げると辺りに衝撃が走る。


「な、何だあれは?」


 八波の変化に楓は目を見開き、蘭華、初音、湊も驚愕する中、玲子だけが冷静に答える。


「あれが八波ちゃんのスキル『バーサーカー』よ」

読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。

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