32 襲撃
「くそ!!」
ナンバーズがやられた事でリンネは苛立っていた。
「おい、当たり散らすな」
「あ!?」
「失敗したのはお前が力押しでやろうとするからだろ、何も考えず力で行っても勝てるわけないだろ」
「はっ!! 失敗ばっかしたお前に言われても説得力がないぞ」
アドメラの言葉にリンネは鼻で笑う。
「そもそも、ちまちまと一体ずつ行かせるのが間違いだったんだよ、こう言うのは最高火力で行けば良いんだ」
「何をする気だ」
「おい、アドメラお前確かスキルホルダーの居場所がわかってるよな」
「ああ、ハッキングで基地を一ヶ所だけ突き止めたぞ」
その言葉を聞いたリンネは笑みを浮かべるのだった。
「未確認が現れました、しかも今までの比ではないないほどの大群です」
未確認の反応をキャッチした事により理事長室に今柚葉達が集まっていた。
「確かに、今までの比じゃないわね」
未確認の反応の数を見て柚葉が言う。
「これだけの反応です、こちらも相応の戦力で行きたいと思います」
八波に言われて基地には蘭華、初音、楓、湊の四人が残りそれ以外は未確認んの討伐に向かうのだった。
反応があった場所に向かい大量にいた未確認達を柚葉達は次々と倒していくが違和感を感じていた。
「何かおかしいわね」
「何がおかしいの?」
「未確認の数が減っている気がしないわ」
夜見の問いに柚葉はその違和感を答える。
「確かにもうかなりの数を倒したのに一向に減っている気配がありませんね」
「うん、私も真由と同じ、もう結構倒したはずなのに」
「まるで倒しても次々とどこからか出てきているかのような感じがしますね」
「アンタ達の話をまとめるとどこからか無限に未確認が出てきているって事になるけど?」
「そうなるわね、反応の数を見た限りだともうその数は倒しているはずよ」
「じゃあ、どこかにこいつらを生み出している奴がいるって事?」
「今だに姿を見せないナンバーズかもしれないわね」
「また、前みたいに遠くから狙撃をして来るって?」
「それならとっくに狙撃しているはずだし、ましてや次々と未確認が現れる事に説明がつかないわ」
「なるほどね、でもどうやって探すの?」
「場所なら目星はついてるわ」
「え?」
柚葉の言葉に夜見は疑問の声を上げる。
「目星がついてるってどこよ?」
「考えても見なさい、この未確認達は倒しても倒してもすぐに湧いて出て来るわ、つまり相当近くで生み出されていると思われる」
「確かに、遠くから生み出しているなら私達が倒してから来るのにそれなりに時間が掛かるはずですね」
「でも、時間なんてそんなに掛からずに来ている、と言う事は敵が近くにいると言う柚葉の考えは可能性として十分ありえる」
「でも、これだけ倒しているのに近くに見当たらなかったわよ」
「私達と同じ場所にはいないわ」
「どう言う事?」
「敵は全体を見渡せる場所にいると思うわ、私達と同じくらい近くにいてかつ全体を見渡せる場所なら」
柚葉はナイフを突きつける。
「そこにいたのね」
柚葉がナイフを突きつけた場所、そこは建物の屋上だった。
「ヤバい、バレた」
建物の屋上にはナンバーズの姿があった。
「あんな所にいたのか」
「ぐっ」
ナンバー091 道具型モデルコピー機。
「あの姿、もしかしてコピー機ですか?」
「コピー機、だから未確認が次々と出て来たんだ」
「こいつらをコピーして次々と生み出してたって事か、厄介ね」
「バレてしまったら仕方ない、逃げるか」
姿がバレてしまった091は分が悪いと判断したのかその場から逃走を図る。
「どこに行くのかしら?」
しかし、すでに柚葉によって先回りされてしまう。
「いつの間に」
「遅い」
柚葉は091の両腕を切り落とす。
「うおおー!!」
「その両腕で未確認を増やしていたみたいね」
「ぐう・・・ふふふ」
「?」
「ははははははは!!」
091は突然笑い出す。
「何がおかしいの?」
「いや、俺は負けるが時間稼ぎは十分できたと思ってな」
「時間稼ぎ?」
「俺は囮に過ぎないんだよ」
「何ですって?」
「俺はリンネ様の命令でお前達の基地から遠いこの場所におびき出すようにしていたのさ、今頃お前達の基地はリンネ様とその部下達が向かっている!!」
「私達の基地にネームドとその部下が、そう言えばハッキングされたと聞いたけどその時に基地の場所を特定したのね」
「俺を倒したところでお前達が戻る頃には基地はすでになくなっているだろうな」
言った瞬間091は柚葉に切られて爆散した。
未確認の殲滅を完了したがその時基地の方ではすでにリンネ達の襲撃を受けていたのだった。
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