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31 意外と良い二人

「昨日の任務で蘭華さん達が新たなネームドに遭遇しました、そのネームドとも戦闘を少ししたそうです」


「ええ、名前はリンネ、さっきの映像を見たように使えないと判断した部下は容赦なく切り捨てる、部下を駒としか思っていない性格よ」


 お菓子を食べながら若干怒り交じりに言う蘭華。


「あー、蘭華が昨日帰って来た時怒っていた理由ってこれか、蘭華って仲間を大事にするから簡単に切り捨てるこいつが許せなかったんだな」


 夜見は蘭華が怒っていた理由を知って納得する。


「しかし、映像を見る限りこのリンネと言うネームド、かなりの戦闘力を持っていると見て間違いないですね」


「確かにスキルを使った蘭華の攻撃を簡単に剣で正面から受け止めてしかも押し返しているな、単純に力はかなりのものと見て間違いないだろう」


 真由と楓は冷静に映像を見てリンネを観察する。


「そうね、しかもこのリンネと言うネームドもアドメラと同じで本気で戦ってはいないわね、その時点ですでに別次元の強さね」


「柚葉さんの言う通りネームドの強さは私達が思っている以上に強大だと思われます、そのためにも私達もさらに強くならなければ確実に敗北し人間は支配されるでしょう」


「さらなる鍛錬を積んで次に備えるのみだな」


 楓の言葉でその場の全員が頷くのだった。






「ちっ、使えない奴だったな」


「だから言っただろ、あいつらを甘く見てると痛い目見るって」


「あ?」


 リンネが振り向くとそこにはアドメラがいた。


「つーか、お前自分の部下を何簡単に切り捨てるんだよ、次に備えて強くなれば良いだろ」


「はん、あんな程度の奴等に負けるようじゃ鍛えたって大して強くならねーよ」


「その使えねえ奴を部下にしているのはお前だろ、部下の責任は私ら上の存在の責任も少しはあるだろ」


「何だと?」


 リンネはアドメラに不快な顔を向ける。


「何で私がそんな使えない奴の責任まで取らないといけない、そこまで面倒見切れるか」


「お前な」


「057は役に立たなかった、ならそいつより強い奴を送れば良い、次はお前が行け、042」


「は!!」


 リンネに言われナンバー042は出撃するのだった。






「はい、ええ、わかりました、皆さん未確認が出現しました」


 スマホを切った八波は未確認が出現した事を伝える。


「それでこっちは誰が行くの?」


「あたしが行くよ」


 柚葉の問いに夜見が手を上げて答える。


「行ってくれますか?」


「最近行ってないからね、柚葉アンタ付き合いなさいよ」


「あら、私で良いのかしら?」


「良いってアンタ以外にあたしが組む相手いるの?」


「いないわね、戦闘においての私のパートナーが務まるとしたらあなたくらいだし」


「じゃあ、行きますか」


「ええ」


「二人で大丈夫なのですか?」


「問題ないわ、むしろ私達ってどっちかと言うと一人で勝手に戦っていくタイプだし」


 真由の問いに夜見はそう答える。


「まあ、そう言う事だから、行ってくるね」


 柚葉と夜見は二人だけで出撃するのだった。


「で、反応のあった場所はここみたいだけど」


 夜見が辺りをキョロキョロと見渡す。


「夜見、あそこ」


「ん?」


 柚葉の指差す方を見ると大型の未確認の姿を見つける。


「現れたわね」


「作戦はどうする?」


「私達二人だけで作戦なんて必要?」


「特にないわね」


「じゃあ、行くわよ」


「ええ」


 二人は大量にいる未確認に向かう。

 柚葉は二本のナイフで夜見は二丁の拳銃で未確認を倒していく。


「未確認だけ? ナンバーズは?」


「見当たらないわね」


「いないならいないで良いわ、さっさとこいつらを倒すだけだし」


 夜見は銃を打ち未確認達を倒して行く。


「夜見」


「ん? って!?」


 柚葉が夜見に向かってナイフを投げ夜見は後ろに飛んでナイフは足元に刺さる。


「アンタ、いきなり何するの!!」


 怒って叫ぼうとした夜見の目の前を何かが通りそのまま近くにいた未確認に当たり未確認は倒れる。


「え?」


「危なかったわね、もう少し遅れてたらあなたの頭が打たれてたわよ」


「そう、助かったわ、でもどこから?」


「おそらくだけどナンバーズね、かなり遠くから狙ってるわね」


「何でアンタわかったの?」


「私そう言う世界で生きてたから命の危険を感じるのが人より優れているのよね、そう言う世界で生きていくのに必要な技術だったから」


「アンタがいて良かったわね、でもどうするの? どこから狙ってるかもわからないし」


「大丈夫、大体の目星はついてるから、行ってくるわ」


 柚葉がそう言うと一瞬で柚葉の姿が消える。


「スキルを使ったわね、まあいいわ、あたしは残りの奴等を殲滅するだけ」


 夜見は銃を打ちまくるのだった。






「消えただと?」


 遠く離れた場所にいたナンバーズは柚葉が突然消えた事に驚く。


「どこに行った」


「ここにいるわよ」


「ッ!?」


 振り向くとそこには消えたはずの柚葉がいた。


「その姿、やっぱり思った通りのナンバーズだったわね」


 柚葉が見たナンバーズは片手が銃の形をしていた。

 

 ナンバー042 装備型モデルライフル。


「何故俺の居場所がわかった?」


「あなたのような狙撃手とも戦った経験があってね、打ってきた方角がわかれば後は狙撃ができそうな場所を探して見つければ簡単よ」


「お前、何者だ?」


「あなたが知る必要はないわ、だってここで倒されるんだから」


「ほざけ!!」


 042がライフルを向けるがそこに柚葉の姿はなかった。


「なっ!?」


「近距離じゃライフルは何の意味も持たないしナイフの方が早いわよ」

 

「ぐはあ!!」


 042は柚葉に切られてそのまま倒れて爆散する。


「夜見、無事かしら?」


「ちょうど終わったところよ、アンタも終わったようね」


 柚葉が戻ると夜見が未確認を殲滅していた。


「て言うかアンタが普通にスキル使ってやれば簡単に倒せるのに、何でそうしないの?」


「そうね、簡単に終わらせるのがつまらないからかしら、だから舐めプとかしてしまうのかもしれないわね」


「アンタが味方で良かったかもね、こんなヤバいのが敵だったらもう人類は終わってるわね」


「褒め言葉として受け取っておくわ」


「いや、皮肉として受け取りなさいよ、いや自分で言って何だこのセリフ」


 二人はそんな会話をしながら戻るのだった。


 





読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。

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