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23 未確認の真実

 未確認のある情報を見た理事長は会議で話す前に自身の基地にいるスキルホルダーの少女達に話す事を決め、現在理事長室に少女達が集まっていた。


 八波(やなみ)により招集を掛けたのは、柚葉(ゆずは)由奈(ゆな)夜見(よみ)菜乃(なの)(かえで)(みなと)真由(まゆ)紗耶香(さやか)蘭華(らんか)初音(はつね)成海(なるみ)桃花(ももか)右京(うきょう)左京(さきょう)玲子(れいこ)の十五人である。


 多いと思われるかもしれないが基地には百人以上のスキルホルダーがいるのでその中の一部としては少ない方であるとも言える。


「理事長、私達を集めたって事は何か重要な事でもあったのですか?」


 成海が手を上げて言う。


「その通りだ」


「でも、由奈さんに菜乃さん、右京さんに左京さんも呼ぶ必要があったのですか?」


「確かに」


「私達、凄い場違い感を感じるわね」

 

 右京と左京が何故自分達はここにいるのかと疑問に思っている。


「そうだな、八波君、この子達を選んだ理由を説明してくれ」


「はい、あなた達を選んだのは、現在この基地でレアスキルを持っているからです、レアスキルを持っている者全員を呼ばせていただきました」


「なるほど、レアスキル持ちね、納得したわ」


 八波の説明に夜見は納得の意を示す。


「お姉様、レアスキル持ちって確か私の無限のエネルギーとかそう言うのですよね?」


「ええそうよ、スキルホルダーは適性があれば未確認と戦える力を持つけど、その時に得るスキルは、同じものが多いのは知ってるわよね?」


「はい、『剣使い』や『銃使い』と言う戦闘専門のスキル、『事務要員』や『料理人』や『技術者』や『科学者』と言う基地でサポート専門のスキル、『検査』や『看護』や『治癒』と言った医療専門のスキル、などですよね?」


「ええ、細かく言うとまだあるけど、一般的にそのスキルの内のどれかになるのがほとんどね、でも時々私達のようにそのどれにも当てはまらないスキルが現れる事があって、それを私達はレアスキルと呼んでいるわ、レアスキルは貴重だから戦力として失うのは大きいわ」


「その貴重な戦力であるレアスキル持ちを全員呼んだと言う事は、それほど重要な事を話すと言う事ですか?」


「ええ、その通りです」


 由奈の言葉に八波が答える。


「楓さん達が持って来たナンバーズの身体の一部である片腕を玲子さんに調べてもらいましたがその結果とんでもない事がわかりました」


「とんでもない事? なるほど、そう言う事ね」


「どう言う事ですか、お姉様?」


「未確認について新たに手に入れた情報ならそのまま他の支部にも話せば良い事わざわざ話す事もない、それでも私達を呼んで話そうとする事は私達にも意見を聞きたいと言う事ね」


「私達に意見をですか?」


「ええ、しかもレアスキル持ちの私達つまり少人数にしたのも、それだけ多くの人に話して良いのかわからないそれほどの内容だと判断したって事、だからそれを話しても大丈夫そうな者達を呼んだと言う事でしょう?」


「ええ、その通りです」


 柚葉の言葉に八波は頷く。


「うむ、それなら前置きはここまでにして早速本題に入った方が良いな、説明を求む」


「わかりました」


 楓の言葉に頷いた八波は玲子を見ると玲子はスクリーンにパソコンから二つのデータを見せる。


「単刀直入に結果から言うけど、この二つのデータの左側はナンバーズの腕から採取した細胞のデータなのよ、遺伝子とかそう言うのとかを数値化したね」


「未確認のデータですか、二つありますが片方が未確認ならもう片方も何かの細胞のデータと言う事になりますね」


「全ての数値が未確認の数値と近いから未確認と同じ存在の細胞って事になる」


 真由と紗耶香はデータを見て思った事を口にする。


「そうなのよ、この二つのデータは数値が近いからほぼ同じ存在の細胞を持っているって事なのよ、それで、そのもう一つのデータって何の生物のデータだと思う?」


「ちょっと待ちなさいよ、アンタ今とんでもない事言おうとしてるでしょ?」


 夜見がくわえていたアメを手に取ると冷や汗をかきながら玲子に問う。


「夜見ちゃんは何かわかったの?」


「ここまで言われたらバカでも何となくわかるわよ」


 再びアメをくわえた夜見は何とも言えない苦い顔をする。


「あたしの予想通りならとんでもない情報を得たわね、確かにこれは簡単に他の支部に言って良いのかわからないわ」


「なるほど、そう言う事か」


「大体わかったわ」


 夜見に続き楓も蘭華も答えがわかり納得する。


「まあ、さすがにここまで言えばわかるか」


「玲子、勿体ぶってないでさっさと言ったらどうかしら?」


「あら、柚葉ちゃんもわかったの?」


「ええ、呼ばれた時から未確認の事で何か言えない情報がわかったんじゃないのかとは思っていたけど、このデータを見て何かわかったわ」


 そして柚葉はその続きを口にする。


「もう一つのデータは人間のデータ、つまり未確認は私達()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って事でしょ?」


 柚葉の答えに玲子は頷いた。


「そうよ、データで見れば私達と未確認は同じ存在の生き物なのよ」

 


 


 

読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。

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