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15 静かに正確に切る

「言葉を話す未確認か」


 基地に戻った柚葉は理事長室に行き小型のカメラで記録した映像を見せて新たな未確認の報告をしていた。


「小型カメラでもわかるように確かに巨大な未確認と違い人型で身長も人より少し大きいくらいですね、大体二メートルくらいでしょうか」


「ええ、この未確認は自分の事をナンバーズと言っていたわ」


「そのようだな今回のナンバー015だったな自分は十五番目に生まれたと言っていたな」


「十五番目に生まれたと言う事は少なくとも似たようなのが後十四体、いえ、もしかしたらそれ以上いるかもしれませんね」


「それだけではないな」


 理事長は小型カメラの撮った映像を再生させる。


『俺達よりもさらに上の存在がいるんだよ』


 ここで理事長は再生を止める。


「この未確認が言っていた自分達よりも上の存在」


「私達と同じように人間の女と同じ姿をしているそうですね」


「まだ確認されていないが少なくともこの上位の存在が未確認達を率いていると言う事になる」


「そのようね、自我があるから今までの未確認のようにはいかないわ」


「取りあえずもう少し情報を得てから総帥達に報告しようと思う、八波君、他の少女達にも伝えておいてくれ」


「わかりました」


「柚葉君は休んでおいてくれ、貴重な情報をご苦労だった」


「そうさせてもらうわ」


 柚葉は理事長室を後にするのだった。

 それから数日後に別の場所で未確認との戦いをしている少女達がいた。


「真由、敵の数が残り僅かになったよ」


「ええ、一気に決めましょう」


 他国の支部から帰って来た真由と紗耶香が他の少女達と共に未確認と戦っていたが真由達の優勢で未確認を後少しで殲滅まで追い込んでいた。


「!! 真由、あそこ!!」


「!!」


「お前等か、こいつらを倒している人間は?」


「015が倒されたと聞いたからこの国に来たが、弱そうだな」


 二体の人型の未確認が姿を現し言葉を話している。


「言葉を話す未確認」


「柚葉さんが遭遇したナンバーズとか言う者達ですね」


「何だ、俺達の事知ってるのか? なら自己紹介だ、俺はナンバー036(ぜろさんろく)


「俺はナンバー078(ぜろななはち)だ」


 ナンバー036はクモのような見た目をナンバー078はカマキリのような見た目をした人型の未確認の姿をしていた。


「036に078、確か番号は生まれた順と言ってましたね」


「と言う事はあのカマキリみたいなのが078だから七十八体いると言う事に」


「それ以上の数がいると聞きましたがこれはかなりの数を覚悟した方が良いですね、紗耶香あなたはクモの方を私はカマキリの方を相手します」


「わかった、この未確認は私達が相手をするからあなた達はいつもの未確認の方をお願い」


『はい!!』


 巨大な未確認は他の少女達に任せ真由と紗耶香はナンバーズと戦う。


「俺とやるのか? 良いぜ、この鎌で切り刻んでやるよ」


「あなた達はここで倒します」


「一人で俺を止められると思ってるのか? なめやがって、これでもくらえ!!」


 036が口から糸を吐き出し紗耶香を襲う。


「おらあ!!」


 078が両腕についている鎌で切りに掛かると真由は刀で受ける。


「甘いぞ!!」


 078が鎌で空を切るとそこからかまいたちが起き真由を襲うが真由が躱すとかまいたちは柱に当たるがコンクリートでできている柱は綺麗に切れるのだった。


「・・・・・・」


「余所見してる場合か?」


 036が糸を吐き出し紗耶香を拘束しようとするが紗耶香は躱し冷静に二体のナンバーズを分析する。


(カマキリの方は鋭い鎌の切れ味は中々のもの、まともに切られれば確実に終わる、そしてクモの方は糸を出して相手を捉えて身動きを封じる、クモの糸で敵を捕らえカマキリの鎌で確実に仕留める事ができる、厄介なコンビ)


「真由」


「ええ、わかっています、クモが糸で捕らえカマキリが鎌でとどめを刺す、そんな所ですね」


「うん、真由こっちもコンビネーションでいく?」


「いえ、敵も私達と同じようにどこかで見ている可能性もありますからね、手数は少な目で終わらせるために私が二体共相手をします」


「わかった」


 紗耶香は下がり真由が前に出て刀を鞘に戻し居合の体制に入る。


「何だ、一人でやるのか?」


「舐められたものだな」


「これから死にゆくあなた達に私のスキルを教えておきましょう、私のスキルは『超加速(ちょうかそく)』ただ速く動く事ができるだけのスキルです、最初はその速さに制御できずにケガを多くしましたが何度も繰り返す事によりある程度自在に動く事ができるようになりました、ですがずっと動けるわけではなく一瞬の動きしかできませんでしたがレベルが上がった事により五分間なら超加速のスピードで戦えるくらいにまでなりました」


「はあ? だから何だって言うんだよ?」


「結局何が言いたいんだ?」


「つまり、私は()()()()()()()使()()()|と言う事です」


「あ?」


「何言って」


 次の瞬間036と078の身体から血が噴き出す。


「な、何ぃ!!?」


「ば、バカな!!?」


「狙いを定めたら、私のスキルで速く動きそして静かに正確に切るただそれだけです」


「いつ・・・切られた」


「それ・・・以前にいつ・・・刀を抜いた」


「終わりですね」


「「ぐあああああああ!!」」


 真由が後ろを向いた瞬間036と078は断末魔を上げながら倒れて爆散した。


「真由、他の未確認も全て殲滅したよ」


「紗耶香、皆さんご苦労様でした、では帰りましょう」


『はい』


 未確認を殲滅した真由達は基地に帰還するのだった。


 

読んでいただきありがとうございます。

同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。

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