14 新たな未確認
今日も未確認を殲滅する柚葉だが違和感に気づく。
「この動き、連携が執れている?」
未確認の動きは明らかに今までのように無差別に暴れるのではなく連携が執れた動きをして簡単に倒せなくなっていた。
「楓が言っていたわね、統率の執れた動きをする未確認に出会ったと、これの事ね、なら」
柚葉は、四角い形の機械を取り出しそれを空に投げると機械は、変形し自動で空を飛びそこから現場を見下ろすように止まる。
「この戦いの記録をしておいた方が良いわね、それじゃ殲滅を続けましょうか」
柚葉は冷静に未確認の動きを見て確実に未確認を倒していき、その光景を上空の小型カメラがついている機械が記録する。
「おいおい、たった一人に何全滅してんだよ」
「?」
声がした方を向くとそこには未確認の姿だが今までの巨大な未確認とは違い二足歩行で立っている人型だった。
「今喋ったのはあなたかしら?」
「俺以外に誰がいるんだよ」
人型の未確認は柚葉の問いに答える。
(言葉を話せる未確認、どうやらとんでもない当たりを引いたみたいね、人と同じ二足歩行だけど姿は、動物に近いわね、見たところライオンかしら)
人型の未確認を見て柚葉は、冷静に観察するとライオンの姿をした人型の未確認に話し掛ける。
「あなたも未確認かしら?」
「未確認? 俺達の事か?」
「ええ、突然この世界に現れて私達の知っている生物達と違うから総称して未確認と呼んでいるわ、もしかしてあなた達に種族みたいな名前があるのかしら?」
「いや、種族なんて知らねーよ」
「そう、なら名前はあるのかしら?」
「ああ、あるぜ、俺はナンバー015だ」
(015、数字が名前)
「んな事より、俺と戦おうぜ」
そう言ってナンバー015は柚葉に襲い掛かる。
鋭い爪で攻撃するが柚葉もナイフで捌く。
「ははは!! どんどん行くぜ!!」
015は連続で爪で切り裂いていくが柚葉は何とかナイフで捌く。
「どうした反撃しないのか!?」
「・・・・・・」
柚葉は015の猛攻をナイフで捌くだけで精一杯と言う感じに押されている。
(パワーもスピードも今までの未確認とは段違いね)
柚葉のナイフが015を切り付けるがその鋭い爪で受け止められ押し返される。
「・・・・・・」
「何だ、大した事ねぇな」
「聞きたい事があるのだけど、良いかしら?」
「ん? 何だよ?」
「あなた、名前がナンバー015って言ってたけど、あなたは上から十五番目の強さなのかしら?」
「はあ? んなわけねえだろ、数字は強さじゃなくて生まれた順だよ、俺は十五番目に生まれたから015なんだよ」
「そう、あなたは今まで見て来た未確認と違うわね、普通に考えればあなた達はこの巨大な未確認達を率いる上位の存在と言う所かしら?」
「ああ、確かに俺達ナンバーズはそこらに倒れてるザコ共よりも優れた存在だこいつらは、暴れるだけしか脳がないから俺達ナンバーズが率いてやってるのさ」
「ならばあなた達を倒せば後は今まで通りの未確認達しかいなくなるわね」
「はっ!! バカじゃねーか、俺達より上の存在がいないと思ってるのか?」
「何ですって?」
「俺達よりもさらに上の存在がいるんだよ」
「あなた達よりさらに上の存在」
「ははは、驚いたか、俺達ナンバーズよりもさらに上の存在がいる事に、あの方達は俺達よりもさらに別次元の強さを持っている、俺なんかに苦戦してるようじゃあの方達に勝つなんて無理な話だ、お前達の勝利などないのさ」
「そう、ナンバーズよりさらに上の存在、なら聞くけどその別次元の存在はどんな見た目をしてるのかしら?」
「見た目? そうだな、全員お前達と同じ人間の女の姿をしているな」
「私達と同じ人間の姿?」
「ああ、あの方達は全員人間の女の姿をしているんだよ」
「そう、ちなみにその女達より上の存在はいるのかしら?」
「いや、それ以上の存在なんて聞いた事ねぇな」
「そう、ならもうあなたから聞く事は何もないわね、終わりにしましょうか」
「は? お前何言って」
瞬間、柚葉は015の背後に立っていてそして015の胴体部分はエックス字に切り刻まれていた。
「な、何ぃ!?」
015は突然の事に驚き後ろを見る。
「お、お前、まさか今まで手加減してたのか?」
「さあ、どうかしら、ただあなたみたいなタイプは相手が自分より弱いと絶望を与えるためか自分達の情報を簡単に喋るかもしれないと思っていたけど、思ったより情報が手に入って良かったわ、ありがとうね」
「ち、畜生、ぐわああああああああああー!!!」
015の身体は崩れ落ちそのまま爆散する。
「さてと、有力な情報もたくさん手に入ったし戻りましょうか」
小型の機械が柚葉の手に止まるとそのまま元の四角い形に戻りそれをしまうと柚葉は基地へと帰還した。
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同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。