13 それぞれの部屋での出来事
報告を終えた少女達は、それぞれの部屋で休憩していた。
成海と桃花
「いや~、久々の私のベッド~!!」
成海がベッドの上にダイブしうつ伏せになる。
「成海先輩、それ危ないですよ」
「桃花は、私のおかんか」
「いや、あなたより年下ですよ」
「まあ、冗談はここまでにして、桃花これから忙しくなるわよ」
仰向けになり天井を見ながら桃花に言う。
「帰って来たからね明日から武器とか戦闘用の道具とか色々作る事になるし、桃花も武器の調整が大量に来るわよ」
「はい、わかっています」
「さてと、それじゃ、おやすみー」
「て、先輩お風呂に入って身体を洗ってください」
桃花が寝ようとしている成海をお風呂に連れて行くのだった。
真由と紗耶香
「久しぶりに帰って来ましたね」
「うん」
二人は、帰って来てお互いにベッドに座る。
「紗耶香も疲れたでしょう、今日はゆっくり休みましょう」
「うん」
「どうしました紗耶香? 何か考え事ですか?」
真由は、紗耶香に問う。
物静かであまり表情を変えない紗耶香は何を考えているかわからないが一緒に行動して長い真由には、紗耶香が何を考えているかは何となくわかるのである。
「真由、さっきの話しどう思う?」
「さっきの話とはどの話ですか?」
「統率の執れた未確認」
「なるほど、確かに私もそれは気になってました」
「本当に統率が執れていたとするなら未確認は知能があると言う事になる、もしくは」
「未確認を統率できる存在がいると言う事ですね」
真由の言葉に紗耶香は頷く。
「仮にそのような存在がいたとしても私達が戦う事に変わりはないですけどね」
「でも、脅威にはなると思う」
「そうですね、これからの未確認の動きにも注意しておきましょう」
二人は、未確認についての警戒を強めるのだった。
蘭華と初音
「ふう、取りあえず今日はこれくらいにしておきましょう」
食べるのをやめた蘭華はそのままベッドに横になる。
「蘭華様お疲れ」
「あなたもね初音いつもこんな雑用までやらせてごめんなさい」
「蘭華様のスキルを考えたらたくさん食べるのは当然、それに私は好きでやっているから蘭華様が謝る必要はない」
「初音」
蘭華は起き上がって初音を優しく抱きしめる。
「ありがとう、私も頑張らないとね」
「大丈夫蘭華様は強いから、決して未確認には負けない」
「そうね、私は負けないわ」
蘭華の決意と初音の蘭華に対する絶対的な信頼は強かったのだった。
楓と右京、左京
右京と左京の部屋の戸がノックされる。
「はーい」
「どうぞ」
「うむ、右京、左京帰ったぞ」
戸が開き楓が部屋に入る。
「あ、楓っち」
「お帰りなさい楓さん」
「うむ、聞いたぞお前達指揮官を守ったそうだな大儀であったぞ」
「守ったって言っても私ただ理事長と八波っち複製しただけだし」
「私も複製したものを操作しただけだから大儀だなんて大げさだと思うわ」
「何を言う、お前達がいなければ我々は指揮官を失っていた、組織のトップを失うのは組織の崩壊を意味する、お前達は組織の崩壊の危機を防いだのだこれを大儀と言わずなんと言うお前達のように戦場以外で頑張ってくれる者達がいるから私達も安心して戦場で戦えるのだ、謙遜する事はない誇るべき事だ」
「うーん、楓っちって本当に素直に真っ直ぐ言うよね」
「そうね、こう真っ直ぐストレートに言われるとどう反応して良いのか」
右京と左京は、困りながらも褒められた事に照れるのだった。
夜見と菜乃
「あ、夜見ちゃんお帰り!!」
部屋に入ると菜乃が夜見に抱き着く。
「ああ、ただいま、相変わらずだな」
夜見も菜乃の相変わらずなスキンシップに安心して笑みを浮かべる。
「菜乃」
「ん? 何?」
「ターニャ達の事聞いたよ、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ、だって私だけができる事だから」
菜乃は両手でガッツポーズをしながら笑顔で答える。
「・・・・・・菜乃」
「何? え?」
菜乃が返事をすると同時に夜見は菜乃を抱きしめる。
「え? 夜見ちゃん?」
「菜乃、あたしがいない間にあたしとの約束忘れたの? あたしと二人っきりの時は、無理しないで自分の正直な気持ちを話すって、アンタが大丈夫なわけないでしょ、ターニャや他のアメリカ支部の少女達と仲が良かったんだから、その子達をスパイと報告して始末されて辛くないわけないでしょ、アンタは誰よりも仲間を大切にする子だから」
「夜見、ちゃん」
夜見の言葉に菜乃も夜見を抱きしめる。
「ごめん、でもこれは、私にしかできない事だから皆のために私が頑張らないといけないからちゃんと切り替えないといけないと思って、いつまでも友達だと思ってた子がスパイと知ってその度にいちいち泣いてたらいけないと思って、だから」
菜乃が言葉を言うといつの間にか菜乃の目から涙が流れていた。
「わかってる、菜乃は優しいから今は戦いの中だからそんな甘い考えを捨てようとしている事も、でもだからこそその気持ちをあたしにだけは吐き出してほしいあたしはアンタのパートナーだからアンタが一人で抱え込まなくても良いようにあたしがいるんだから」
「う、ひっく、夜見ちゃん」
菜乃は、夜見の胸の中で泣き夜見は、菜乃抱きしめ頭を優しく撫でるのだった。
柚葉と由奈
由奈の意識が戻ったので二人でお風呂に入っていた。
「あっ!! ダメです、お姉様!!」
「いくら部屋が防音だからって夜中に大声を上げるものじゃないわ」
「んっ、んんー」
大声を出す由奈の口を片手で塞ぎ柚葉は由奈の首筋を舌で舐める。
「んんっ!!」
柚葉の行為に身体をビクッとする由奈だが柚葉の行為を黙って由奈は受け入れている。
「さあ、由奈ベッドでやる前に少しお風呂でしましょうか」
「んんっ」
今日もまた由奈から経験値を貰うために柚葉は行動するのだった。
こうして少女達は戦いの後の休息を送るのだった。
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