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花宴讃毒謌  作者: 高村
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9月29日――林檎

                                   

 富める者よ。貧しき者よ。            

 報われぬ正義を抱く者よ。

                                        

 わたしに契約のくちづけを。              

 先ず柔らかく触れ、唇をそっと開いてください。       

 そして歯を立て、優しく食んで頂きます。    

 白い果肉を咽喉に下し。                      

 甘い香りを鼻腔に刻み。                    

                           

 あなたの墓に花の絶える事はなく、その名は永劫に叫ばれます。    

 世界中が涙を流し、あなたの名を讃えるでしょう。      

 後ろから殺された兵士も、主に叛いた謀反人も、尽く英雄の名を浴するのです。   

 たった一口、わたしを食めば夫殺しの悪妻にも貞淑な未亡人の誉れ高い墓石を与えましょう。

                           

 さあ、栄光への道はあなたのもの。           

 我が毒林檎はあなたのその名声の為に!                

                           

 そして墓前に、契約書――白い林檎の花を一枝。           

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