11月13日――サルトリイバラ
大きな棘で私を捕らえ、あなたの糧と包んで下さい。
そしてどうか、紅い真珠の輝きを天に燦燦と掲げて下さい。
艶めく大きなその葉の翳で、私はあなたに跪くでしょう。
もしもあなたがその時まで、天日のみ見つめ昇華するのならば。
どうかあなたのその棘で世界すらも捕えて下さい。
その時あなたは幾千万の苦しみに贖うだけのものを、
きっとその手に収めるでしょう。
それはあなたの味わった苦渋の対価。
それはあなたが授かり然るべき贖いの美酒。
ご堪能下さいませ。
大きな棘で私を捕らえ、あなたの糧と包んで下さい。
神すら捕らえるその蔓に、私の血肉を捧げましょう。
大いなる野望のために。
凡てを飲み下すために。
私はあなたの糧と沈みましょう。
そして滴る血の色は深紅の宝石に滲み、
硬く罅割れた骨は棘となり、
あなたを飾り守るでしょう。
どうか高く、雲を突くまで、昇って下さいまし。