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花宴讃毒謌  作者: 高村
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11月13日――サルトリイバラ

大きなとげで私を捕らえ、あなたの糧と包んで下さい。

                                                                                    

そしてどうか、紅い真珠の輝きを天に燦燦と掲げて下さい。

艶めく大きなその葉の翳で、私はあなたに跪くでしょう。

もしもあなたがその時まで、天日てんのみ見つめ昇華するのならば。                                                                                             

どうかあなたのそのいばらで世界すらも捕えて下さい。



その時あなたは幾千万の苦しみに贖うだけのものを、

きっとその手に収めるでしょう。

それはあなたの味わった苦渋の対価。

それはあなたが授かり然るべき贖いの美酒。

ご堪能下さいませ。

                                                                                                                     

大きな棘で私を捕らえ、あなたの糧と包んで下さい。

神すら捕らえるその蔓に、私の血肉を捧げましょう。

大いなる野望のために。

凡てを飲み下すために。

私はあなたの糧と沈みましょう。

そして滴る血の色は深紅の宝石に滲み、

硬く罅割れた骨は棘となり、

あなたを飾り守るでしょう。

どうか高く、雲を突くまで、昇って下さいまし。

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