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花宴讃毒謌  作者: 高村
3/8

9月4日――ダチュラ

そうして甘やかな腐臭を振りまいて、あなたは僕を殺すのですね。

                                                                                    

最初はあの夏の日です。

俯いたあなたの首筋は、馨しいほどの美しさで

思えばあの時から僕は毒されていたんだ。

夕日を浴びたあの唇で、僕の体に毒を注ぎ込んだのでしょう。

                                                                                    

知っていますよ。

あなたはそうして幾人もの命を奪ってきたんだ。

みんなその優美な細腰に欺かれたんだ。

甘い夏の香りで、僕の記憶を飛ばしたんだ。

                                                                                    

分かっています。

あなたは何の気なしに愛嬌を振りまくのです。

可憐な笑みに毒を込めて。

あなたは初めから、そのつもりだったのでしょう。

正直に仰って下さい。

僕は何人目です?

僕のような男は、幾人いたのです?

                                                                                    

僕と出会ったあの日のように、何度毒を注いだのです?

                                                                                    

僕はこれから死ぬのでしょう。        

あなたの毒で、痙攣の中で。           

気づいていましたよ。           

甘やかな腐臭は毒の匂いですね。           

あなたは何の気なしに僕を殺すのですね。         

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