3.8歩先が空
いつからだろう
死にたいと思い始めたのは
いつからだろう
いつか、自分で死ぬのだろうと感じ取るようになったのは
自分が首を吊っているイメージが年を重ねる事に濃く、鮮明になっていた。
ビルの高い屋上の地面がなくなるところまで、少しずつ、年を重ねる毎にじりじりと背中を何かに押されているような感覚のなかで生きてる。
何かとは。
殴られて育ったことだろうか、
とげのついた言葉を沢山受けてきたことだろうか、
顔色ばかりを窺って、空っぽになったことだろうか、
愛されたい人に愛されないことだろうか、
自分の作ったハードルを超えられない不甲斐なさからか、
背負ってきた色んな色の不幸が混ざりあって、赤黒い、とても綺麗とは言えない色をして蠢いている。
Googleの検索の白い枠に打てば、自分を超える不幸が沢山ヒットするだろう。
『辛いのはお前だけでない』と伝えているようで、何も言えなくなってしまう。
1番不幸でないと悲しんではならないとは分かっているが、どうしてもそうなってしまうのだ。
比較的裕福な家庭に生まれた。
両親は大病せず、今も健在で大学にも出してもらえた。
優しく、頭の良い彼氏もいる。
何が不満なんだろう。
きっと甘えだ。贅沢なんだ。
自分を卑下する言葉は容易くいくつも浮かんだ。