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エレメンタルワールド  作者: ゆめみじ18
2020年~原典(オリジン)~

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004

 リスクとスズは戸惑う、何かふざけたことでもやっただろうか……。

「こんなレベル差で……プレイ時間で俺が戦うとでも思ったか……ましてや子供……せめて俺と同じレベル10にしろ、話はそれからだ」

 スズが戸惑うように質問する、まるであたかもそれが異常かのように。

「私達がレベル10になるまで……待つって言うの?」

「そうだ……」

 今までの敵とは毛色が違う、そう確信した、リスクは闘いを拒否ってしまったさそり座に対して怒る。

「お……おいなんだよそれ !このままじゃ負けるって言いてえのか!?」

「リスク、解ってる? 彼は神聖12星座なのよ!?」

「神聖……なんだって?」

「あんた説明書読まなかったの?」

「いや……読んでねえ」

 ガクっとスズは肩を落とす、リスクの為に説明せねばならない。

「この男はね、宇宙最強決定戦エレメンタルマスター大会で上位12人に入った人なの、つまり宇宙で12番目に強い人物」

「宇宙で12番目に強い!?」

 さそり座が話にのる、まるで出されたディナーに調味料でも付け足すかのように、味を絶妙なブレンドで良く、美味しくするように。

「ちなみに第一回エレメンタルマスター大会が終わって参加者全員レベル1になったからな、俺はそれから修行してレベル10になったってわけさ、だからお前らも修行しろ」

「だからこれは好都合なのよ。同じレベルで、同じ力で戦いましょうって言ってるの、リスクこの話乗りましょう」

「……うし……わかった!」

 リスクとスズはエレメンタルマスターのダンジョン機能で自分たちより弱いモンスターと一晩中戦った、しかし、レベルは全然上がらなかった。

「………レベル10になった時にまたくる、その時は連絡をくれ、レイシャどの」

「……わかった」

 リスクは疑問に思ったことを口にする。

「あいつってさ……敵なのか?」

 その答えに、ミュウがのんきそうに返す。

「戦って仲間になるタイプじゃよ少年漫画だとな、まあ神聖12星座だから元々仲間みたいなもんじゃけどな」

「今回リスクとスズは初めて出会ったのかもな。真の強者、ライバルに」

 そう思うブロードとミュウであった。


 それからリスクとスズの二人は、ダンジョンでコツコツコツコツとレベルを上げることとなった、そして一週間後。リスク レベル10 プレイ時間15時間。スズ レベル11 プレイ時間15時間。さそり座 レベル10 プレイ時間100時間。

 二人が勝てばレイシャの抹殺は阻止できる、負ければ今度はブロードが相手をする、という合意の元で今回の話は決行された。レイシャはさそり座に話をする。

「ちょっとさそり座さんに聞きたいことがあるの」

「なんだ?」

「その……、ヒミコさんとお話をすることはできないのでしょうか……?」

「望みが全て叶うとは限らん、会えばお前は殺されると思っておいた方がいいだろう」

「そう……よね……ですよね、ははは」

 レイシャは少し残念そうである。今回は場所も指定した、湘南の海辺である、ここなら被害を最小限に抑えられる、その上で結界を張る。レイシャが審判役を務める。

「勝敗はどちらかが戦闘不能になるか、降参するまで行われます、では互いにエレメンタルマスターを」

メダルを親指で弾き宙へ浮かす。飛んだメダルは回転し。トリガーから、扇形の光が空へライトアップ。水中にダイブしたかのように光の中で遊泳。空中で静止する。静止したメダルはパリィン! とメダルサイズから、手のひらサイズへ大きくなり。コンペイトウのような形に変貌。水晶の結晶体のような透明感と、ダイヤモンドのような煌びやかさを輝かせ。西部劇の拳銃を抜くような緊張感と構えで、ヒーロー戦隊のお約束変身シーンでの、前動作をした後。

「「「エレメンタル」」」

 拳銃を抜くように水晶を割る。

「「「ドロー!」」」

 リスク、能力風。スズ、能力神経。さそり座、能力炎。

 互いに力と力がぶつかりあった。すぐに衝撃波が結界を壊さんとばかりの勢いだ、砂浜での決闘、足場は砂で足場が悪いがその砂が、衝撃波で全て飛んでしまうかのような大衝撃を放つ。

 スズが木刀で切りかかる! 流れるような連続攻撃、その動作ににリスクも加わる。

「はぁああああああああああああああああ!」

「だぁああああああああああああああああ!」

「月閃!!!!」

「ビックバンバースト!!!!」

 リスクとスズ、互いの必殺技がさそり座の急所をとらえた。だが、まるで効いてない。

「そ、そんな……あれだけ修行したのに……」

「だりゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 スズとリスクの連続攻撃がけたたましく続く。

「今度はこっちの番だ炎剣3連殺えんけんさんれんさつ!」

 右腕から炎のような塊を持ち、それを相手に向けて振り回す3連続の攻撃

「まずいちいいいいいいいいいあああああ!!」

 リスクの風の受け身バリアが破壊された。

「にいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」

 正面からきた炎撃は、今度は横全体にまるで扇型のようになり、あたり一面を火の海へと化した。その攻撃で力ないスズが、後ろへ吹っ飛ばされる。

「さああああああああああああああんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!!」

 右手に持った爆炎を相手に向かって突き出す、まるで水ヨーヨーでも持ってるかのような恰好ではあったがその爆炎は凄まじく。触れた相手は、木端微塵に吹き飛ぶのではないかというほどの爆炎が結界全体に広がった。最後の全体攻撃で視界は全て炎で包まれ、自分たちがどれほどの強者に闘いを挑んでいるのかを、マジマジと思い知らされる結果となった。その衝撃で二人は彼方まで吹っ飛んでしまった、体制を立て直すどころの騒ぎではない。途端に二人はその三連撃を、まじまじと食らいダウンしてしまった。

「…もう終わりか?立て! そんなはずはないだろう……ブロードが認めた男だ、そのすみきった心……俺にも見せてみろ!」

 しかし二人は立てなかった、あまりにレベル差があったからだろうか。いや違う、熟練度の差がそうさせたのだろうか……おそらく後者だろう、まるで先週までやっていたレベル上げが嘘のような、無かったかのようなそんな焦燥感、無意味。いや無意味ではなかった。レベル上げをしていた分二人は明らかに、体力も防御力も反射神経も何もかもパワーアップしてここへ立っていた、だが体が動かない。浮き沈みはあるものの、気力で意識を保つのがやっとという感じだった。だから、立つことは出来た……が……それだけである。どさり……と二人は立ち上がったものの、再び倒れてしまった……。

 レイシャが無慈悲な審判を下す

「勝者、さそり座!」

「次は俺か……」

 そう言いブロードは重い腰を上げた。リスクは薄れゆく景色の中、二人が対戦する所を目に焼き付けようとしたが出来なかった、薄れゆく景色の中でリスクは思った。

「ちく……しょう……」

 そこで意識は消失する、その後ブロードは戦った。レイシャを護る為に、奪われないために、結果はブロード圧勝、さそり座もまた井の中の蛙だった。井の中の蛙大海を知らず、場所は湘南の海だったがそういう意味ではなく、リスクもスズもさそり座も、互いに学ぶべきものがあったという事。その後、またここ湘南の海、湘南海岸公園で再戦する事を約束した。


 翌日、リスクは自宅のベットの上で目を覚ました。いつも通りの朝、違っているのは体の筋肉痛と脳裏に残るあのさそり座の必殺技、炎剣3連殺えんけんさんれんさつ

「みてろよ……今度こそ……」そう誓うリスクであった。


スズといつも通り通学途中で出会うが、互いに無言のまま放課後になった。そのあと帰り道、スズは提案する。

「ねえリスク」

「ん?」

「ちょっと付き合ってくれない」

「付き合うってなんだ?」

「あらら」

 スズはガクッ……と肩透かしを食らう。スズの付き合うという言葉がわからないリスク、それをわかりやすく言うにはどうすればいいのかわからず、逆にわかりずらくなるような事を、スズは思ったようにそのまま口にだす。

「デートしてって言ってるのよ」

 これでわからなかったらどうしようと、思う反面わかったらすごいな~、ちょっとは見直しちゃうっとか思ったのだ。がやはりそこはリスク、全く予想を裏切らない。

「デートって何だ?」

「やっぱり……」

 スズは呆れたように言う。しかしリスクはリスクだ、ちゃんと説明しなければわかってくれない。

「ちょっと来て」

 学校の帰り、スズとリスクは前回さそり座と戦った浜辺によった。湘南海岸公園である。

 そして結界を張る。今回の時間は、エレメンタルマスターの設定で時間を経過させている、外の人々に認知されないような結界だ。そのなかでリスクは何をするんだ? と思いながらスズの様子を見つつ、体をそわそわさせている。途端にエレメンタルを起動させる。

「デートって言うのは……こういう事よ!」

 ととっさにスズは木刀を持ち、能力を発動させ、リスクに切りかかる。リスクはいきなり戦闘態勢に入ったスズに驚きながらも、ああそういう事かと理解する。

「ああ……デートって闘いの事か」

 ごっこ遊びではない、闘いである。この場合組手、といった方が正しい解釈なのかもしれないがリスクとスズの中では闘い=組手=デートなのである。二人にしか通じない、通じ合えない用語にここでなった。

「リスク! あのさそり座にリベンジしたいでしょ!」

「ああ! もう一度戦いてえ!」

「レベルを上げたら! 身体能力とかも上がって勝てる可能性は上がるかもしれない……でも同レベルまで待ってくれてた相手に、そんな事出来ると思う!」

「したくねえ! やりたくねえ! 同じレベルであいつに勝ちてえ!!」

「じゃあどうするか!? 技術を上げるしかないでしょ!!」

 リスクとスズは互いに喧嘩する。砂だらけになりながら、負けた悔しさをバネにし、更なる高みを目指す。もっと強く、もっと早く、もっと最善手を。ばかすかと殴り合う、最初はどっちも下手だった、あざになったり、擦り傷になったり、互いが互いを思いやらないような殴り方だった。しかし次第に打たれ強く、打たれ馴れ、どこを攻撃すればいいかわかるようになってきた。

「ちょっと胸触んないでよ!」

「ええ―でも胸ってスゲー当てやすいぞ!」

「あてんなバーカバーカ」

「何だとバーカバーカバーカ!」

「何よ! バーカバーカバーカバーカ!」

「バーカバーカバーカバーカ!バーカバーカバーカバーカ!」

「バーカバーカバーカバーカ!バーカバーカバーカバーカ!」

 どちらも口喧嘩ですら負けようとしない、互いに負けず嫌いなのである、それでも手と足は止まらない、間合いを詰めたり伸ばしたり。右フックから左アッパー、それを交わして面小手胴、ガードしてかわして飛び跳ねて、するとリスクが気づく。

「あ……能力使ってねえ……」

「………」

 スズも能力を使ってなかった、忘れていた、完全に忘れていた、頭に血が上っていて忘れていた、それに気づいた二人は少し笑う。

「ば―か」

「ば―か」

「つ―ってもうち風の使い方いまいちわかんねーんだよな―ブロードも全然教えてくれね―し」

「あたしの方はそうでもないわよ、ちゃんと丁寧に教えてくれる」

「風の受け身だけだぜ?」

「応用は利くじゃない、私なんて全部肉弾戦よ?いいな~風を操れて」

「何だよ、体早く動かせるほうがいいじゃん」

「……やめましょう無いものねだり、隣の芝生は青く見えるってやつよ」

「隣の芝生がなんだって?」

「はあ……説明するのがだるい……」

「なあ……なんだよ隣の芝は真っ赤に燃える?」

「燃えてどうすんねん! あ―もうツッコミするのもめんどくさい! 謎を増やすな!」

「そんな事言ったってよ……隣が真っ赤に燃えたら大変だろ……」

「話を広げるな! 変な方向に広げるな!」

「だから隣の芝生は何で真っ赤に燃えてるんだよ!!」

「知るかあぁあああああああああああああああ!!!」

 口もうるさいが手も足もうるさい、どちらも組手デートをやってる途中なので、バカスカとズカバカと攻撃をする。互いに口喧嘩をして互いに組手をして互いに互いを理解する、でもそれだけじゃ相手は倒せない、さそり座には遠く及ばない絶望的なまでの体格差もしかり。

 でも一人じゃない、二人なのだ。それなら何とか勝てるのかもしれない、連携が足らなかったのかもしれない、もしかしたら二人ともバラバラで足並みがそろわなかったから負けたのかもしれない。しかし前回は最初の一撃で負けてしまった、連携もくそもない。

 互いに自分たちの力の足りないところ、補えるところを二人で考え実践し、そして型にはめてゆく、型にはめれば流れるように技が出せるからだ。基本も同じ、基本があって応用がある。基本を覚えていけば流れるように応用が繰り出せるからだ、だから基本はないがしろにしちゃいけない。ここはじっくり、一歩ずつ、確実に、相手を追いつめてゆく。そうしたデートを二人は日が暮れるまで、延々と続けていた。


 翌日、学校が終わった後、湘南海岸公園。

 リスク レベル10 プレイ時間25時間。スズ レベル11 プレイ時間25時間。さそり座 レベル10 プレイ時間105時間。

 リスクとスズは強くなって帰ってきた、が……さそり座とて同じである、ブロードに負けたさそり座は己の未熟を知り、更なる鍛錬を積んできた、リスクとスズ以上の特訓を。

 その上でリスクとスズの相手をしようとしている、なのでさそり座はもうリスクとスズの事ではなくブロードの事に集中している、二人は踏み台でしかないのだ、前夜祭でしかないのだ。

 レイシャが審判役を務める。

「勝敗はどちらかが戦闘不能になるか、降参するまで行われます。では互いにエレメンタルマスターを」

 まずメダルを親指ではじき宙へ浮かす、浮かせたメダルは回転しトリガーの上あたりでまるで水中の中に入ったように空中で静止する。静止したメダルは水晶の結晶体のような形に変貌する。互いに西部劇の拳銃を抜くような動作をしてからまるでヒーロー戦隊の変身ポーズのような仕草をして。

「「「エレメンタル」」」

 拳銃を抜くように水晶を割る。

「「「ドロー!」」」

 リスク、能力、風。スズ、能力、神経。さそり座、能力、炎。

「おらあ先に行くぞ―ビックバンバーストー」

 われ先にと先制攻撃をかけるリスク。

「おそい」

 いきなり後ろへ回り込んださそり座、当たれば一撃でダウンである。

「遅い!!」

 それをスズが受け止めリスクが体制を立て直した。

「ほう……少しは動けるようになったようだな……ではこれはどうだ! 炎剣3連殺えんけんさんれんさつ!!!!」

 右腕から炎のような塊を持ち、それを相手に向けて振り回す3連続の攻撃。

「いちいいいいいいいいいあああああ!!」

「ビックバンバーストー!」

 攻撃と攻撃がかち合った、タイミングはばっちり、さそり座の炎剣3連殺は相殺された

「やった!」

「喜んでるばあいじゃないわよ、ほら二撃目!」

「にいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」

「月閃!!」

 正面からきた炎撃は、今度は横全体にまるで扇型のようになり、あたり一面を火の海へと化した……かに見えたがスズも月閃を扇型のようにして放ち、攻撃を相殺した。

「さああああああああああああああんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!!」

 右手に持った爆炎を相手に向かって突き出す、まるで水ヨーヨーでも持ってるかのような恰好ではあったがその爆炎は凄まじく、触れた相手は木端微塵に吹き飛ぶのではないかというほどの爆炎が結界全体に広がった…かにみえた。

「「ビックバン月閃!!」」

 球体のビックバンバーストと扇型の月閃がまるで横一文字に弧を描き炎剣3連殺は相殺された。

「畳みかける! ダウンバースト!」

 とたんに、下降気流が地面に衝突した際に四方に広がる風の災害が発生した、さそり座は突然の真上からの突風によろめく、スズが追い打ちをかけるように月閃を畳みかける!

「月閃月閃月閃月閃月閃月閃月閃月閃月閃月閃月閃月閃!! はあああああああああああああ月閃連牙斬!!!!」

 白と黒のコントラストが放つ月閃の連続攻撃、続けてリスクが怒涛の連続攻撃をさそり座にこれでもかと畳みかける!

「ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!ビバ!」

 ドゴンドゴンドゴンと連続創世爆発を声高々に張り上げる!銃使いベレッタを倒した技だ、これで勝てなければもう次は無い。

 さそり座の連続攻撃をかわしてからの見事な連携攻撃だった、そしてさそり座はこれを全て受け止めた、全て受けてなお立っている。

「ふふ……いい攻撃だ……これはブロード戦の為に体力を温存しておこうとは言ってられないな……」

 リスクとスズは唖然とする、これまで培ってきた今までの攻撃が利かなかったのだ、いや、正確には効いてはいるが、それも微々たるものように感じる。ゲームのようにHPパラメータがないのが残念だ、どれぐらい今のでダメージを与えられたのかわからない。

「どうしよう、もう必殺技全部出し尽くしちまったよ」

「私もよ……でも私達にはこれしかない……なら! このまま押し切るまで!」

 三人とも技は出し切った、あとは三人による技の読み合いである。やはり最初に飛び出したのはリスクだった、スズは高速思考の準備を初めて間合いを取っている。スズが高速思考を開始する、世界が静止するような中、スズは考える、思考を加速させる。

 どうする? 炎剣3連殺は何とか相殺できた、あれは遠くに逃げても炎の遠距離攻撃が付属でついてくるから、どうしてもガードするしかない。するしかないが、攻撃を絶妙な位置で相殺、奇跡的なタイミング、さっきは二人の息がぴったり合ったから出来たが次にもう一度出来る保証はどこにもない。さっきの攻撃、月閃を攻撃力1とするなら月閃連牙斬が5ぐらいのダメージ、ダウンバーストも5ぐらいのダメージで、ビックバンバーストはスキがちょっとでかいから威力は2ぐらい。やっぱり速さは私の方が上だ、問題があるとすれば、威力がない分リスクのビックバンバーストが当たった方が威力的にはでかいという事、ならリスクに加勢した方がいいんじゃないか? いや、そんな余裕もスピードも思考もない……私がやるべきことは威力が少なくてもさそり座にスキを作ってその間にビックバンバーストを当ててもらう事。その方がさそり座の体力の削り具合は早いハズ……。


 とそこへ、隙だらけと思ったさそり座はスズへ標準を合わせてきた、リスクがビックバンバーストを放とうとしている中さそり座はスズの方を向いた、炎剣3連殺の構えだ。スズは思考をさらに加速させる。

 !? こっちに向かって攻撃を仕掛けようとしている姿勢に立った! これは炎剣3連殺えんけんさんれんさつの構え、まずい!リスクと間が空きすぎている。これじゃあ相殺出来ない!?私に与えられた選択肢は攻撃を避けるか、逃げるか、受け止めるか、それぐらい…それぐらいだが技を受け止めるのは無理だ。一戦目で力の差がありすぎるのをわたしは理解した、これじゃあ一撃ガードしただけで、体力がごっそり奪われる可能性がある、そうなればリスクへのサポートなんてできない。じゃあ逃げるか……嫌だ! 逃げるなんて私にはできない! じゃあ私に出来ることは…前へ避ける!!!!

 この間0.5秒。

 スズは前へ前転した、地面は砂浜だ、転がっても痛くない、すると今度はさそり座が炎剣3連殺をリスクに当てる構えに入った、スズは足を思いっきり踏み込み前転するのを中断して

 さそり座に相殺覚悟で月閃連牙斬をお見舞いしようと頭を切り替えた、スズの思考はさらにさらに加速させる。

 前言撤回! 無理だ! 炎剣3連殺は月閃を攻撃力1とするなら一撃目が10、二撃目が50、三撃目が80くらい! 相打ちにもっていっても私が吹っ飛ぶ! でもね…。リスクが攻撃を当ててくれれば2なのよ! 2相手にあててくれるのよそこからの逆転劇だってあり得る、第一あいつがさそり座の攻撃まともにガードするわけないでしょ。当たってでも攻撃するようなやつ見過ごせないでしょ!だから私はあたりに行く、大丈夫上手く攻撃を相殺して見せる!この高速思考を使いながら相手の攻撃を最小単位でガードするんだ!


 ここでさそり座はスズに攻撃することに決定した、スズは攻撃をガード、いや月閃を放つ。

「月閃!!」

「炎剣3連殺!!」

「いちいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 途端にもの凄い衝撃、スズは一撃目は耐えられると思った、が、木刀を落としてしまった、スズは心の中で「しまった」っと口づさんだ。

「にいいいいああああああ!?!???」

 バコンとリスクの放ったビックバンバーストがあたった、当たった場所はさそり座の左目、さそり座は視界が急に狭くなりよろよろと倒れる。すかさず落っこちた木刀をスズは拾う。

 この間3秒。

 さそり座は3発目をリスクに向けて発射することを決めた、スズは月閃連牙斬げつせんれんがざんをさそり座に食らわすことに決めた。リスクはダウンバーストをさそり座にきめると決めた。

「さあああああああああああああああああああああああああああああんんんんんんん!!!!」

「月閃連牙斬!!!!」

「ダウンバースト!!」

 途端にさそり座のパンチでリスクの腹がメキメキと鳴った、さそり座は月閃連牙斬とダウンバーストを同時に受けた、今度は効いたようである、だが決定打に欠ける。しかしこれしかない、さそり座を倒すには自分たちの必殺技である月閃連牙斬とダウンバースト、威力にして5の攻撃を確実に当てて行くしかないのだ。リスクは海のある方へ吹っ飛ぶ、スズは高速思考の後遺症による精神的な疲れで息が上がっている。

「はあ……はあ……はあ……」

「どうやらここまでのようだな」

「月閃連牙斬!!」

「その技はもう見切った! 成長しているのがお前らだけだと思うなよ!」

 その時25メートルの彼方先から。

「ダウンバースト!!」

 どうんとさそり座の脳天に豪風が直撃した、リスクが初めて長距離からダウンバーストを放ったのである、だいぶ能力に慣れてきたようだ。だが……。ドスン!

「か…は…」

 スズの腹にさそり座のグーパンチが当たる、腹パンである、スズはそのまま倒れた……。

「スズううううううううううううう――――――――――――!!!!この野郎おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 ドスン! っとさそり座はリスクの腹にケリをお見舞いした。

「う……ぐ……う……」

 吐きそうになる、血でも吐きそうな勢いだ、そのまま足にシビレが来て、ガタが来、リスクは倒れた。

「さて…ここからが本番だ…」

 まるでここまでが前座だったかのようにさそり座は続ける、そんなわけはないリスクもスズも今を精一杯生きた、負ければ次は無いと思いながら走り続けた、しかしダメだった……圧倒的に力が、技量が、何もかも足りなかった。

「今回もダメだったか……やはり早すぎたか……」

 座っていたブロードが重い腰を上げる、さそり座は続ける。

「あんたにしては、情が入りすぎなんじゃないんですかい?ブロード」

「こいつらはな……魂が綺麗なんだよ……世の中全部が綺麗に見える、だから強いんだ……」

 リスクが声を張り上げる。

「まて! まだ終わってね―ぞ!」

「そ、そうよ……ま、まだ、戦える……負けてない……!!」

 

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