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エレメンタルワールド  作者: ゆめみじ18
2020年~原典(オリジン)~

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002

「……」

「なあちょっと戦おうぜ―」

「断る、ガキのおもりはごめんだ」

「え―」

 ブロードは心の中で考える。

(だがあの潜在能力は何だ……初めてゲームをやってレベルが一億だと…故障か何かか…)

 レイシャは質問攻めになることを見越して早々に切り上げる形をとった。

「さあさあ二人とも質問はこの辺にして学校に行ってらっしゃい、わからないことは学校が終わってから。ね」

「わかったわ」

「へ―い」


 キーンコーンカーンコーンとルミネ小学校のベルがなる、リスクとスズは小学5年生の教室に入っ。、そしてこの学校で波乱は巻き起こる。

「転校生のリクション=S=リスク君です」

 湘南桃花先生は転校生の自己紹介をする。ぱちぱちぱちと教室中から拍手が沸き起こる、リスクは緊張している。これまでこういった舞台に立ったこともないので緊張している、その様子をスズは珍しい動物を見るような目で見ていた、昨日からすると随分にぎやかになるような予感は若干感じた。何故ならスズ自身がアシストしたとは言え、美味しい所は全部彼に持っていかれたのだから。自分があのエレメンタルマスターをつけたら自分も1億レベルくらいになるのだろうか。などの期待感もあった。そんな中の朝のホームルームである。ちなみに先生である湘南桃花も緊張している、実習の頃に経験したとはいえ初めて自分の担当のクラスを持つのだ。緊張しないはずがない、ここのクラスの子たちはどうか大人しい子たちでありますようにと切々と願っているような状況である。そんな中で授業は行われた。

 湘南桃花は歴史の授業を進める。教科書に目を通すもの、だらける者、歴史の方が間違ってるよと疑いの目を投げかける者、今晩の料理を考えてる者、皆真剣に授業を聞いている中リスクだけ寝ていた。桃花先生はリスクをゆさゆさと優しく起こし、リスクに授業の問題を投げかける。

「一国の重厚な内乱が引き金となって、三つの国による戦争が行われたのがアリス大戦であり……リスク君、この大戦の勝国はどこかな?」

「そんなの一番強い奴に決まってるじゃねーか」

「いや、その強い国を聞いてるんだけど……」

「強い奴がいる強い国だ」

「あー……スズちゃん解るかな?」

「はい、漢字圏である蒼国が争いを治めました。その後、国王は民を信頼し始め、軽快に文明が花開き国歌を歌いながら喜びを分かち合います」

「ええ、完璧すぎる答えね。ありがとうスズちゃん」

 助け舟を求めた桃花先生は、見事スズの回答に満足し授業を続ける。

「元々、吸血鬼の国だったんだけど、内乱が起こったのが吸血鬼大戦。それから紅国、蒼国、そして白国が三つ巴の戦いを起こしたのがアリス大戦。この大戦が終結したあと沈静化、統合され花の国になりました、これが三国統一和平協定へ繋がり~……」

 このクラスにはスズを頂点とし彼女の使いであるスズ四天王という人物達がいる、かけっこが得意な修造、力自慢のダイスケ、計算が得意な田中、剣道が得意な山下。

 ちなみにスズも剣を使うが実力はスズの方が上だ、あくまで子供が扱う「得意」の部類、「上手い」「強い」っではない。彼女はクラスの中では女王様的な立ち位置なのだ、礼儀正しく成績優秀、運動も得意そして男の子女の子両方から人気。そこだけ書くと天才タイプに入ると誤解されがちだが、彼女はあくまで努力をした結果クラスの人気者になった。いわば努力家タイプの人間だ、両親、特に父親からの影響が大きい。厳格な父親が会社の社長という立場にあり、

将来そのあとを継ぐ可能性が高い。だから彼女は父親に常に人の上に立つ時の心構えを教え込まれてきた、だがスズ自身は半人前である。光ればその分闇も生まれる、彼女を嫌っている派閥も少なくないこともここに記しておく。そんな中リスクはスズにエレメンタルマスターの事について話す。

「なあなあ、折角エレメンタルマスター貰ったんだし。試しに遊ぼうぜ」

「あのね―、まずそれおもちゃにしかみえないわよ。学校であの力を使うのはまず禁止にしとかなきゃ、目立ってしょうがないわ。仮にそのゲーム機で遊んだとして、先生とかに見つかったら没収されるのがオチだわ」

 その会話を四天王の一人、力自慢のダイスケが聞く。

「なんだ―? 初対面のはずなのに何かなれなれしいぞ? 知り合いか何かか?」

 気になったダイスケは、リスクに話しかける。

「おいお前、リスクって言ったな、何故スズ様になれなれしく話しかけている」

 ダイスケに対してリスクは振り返り、嬉しそうに語る。

「なあおい、見てみろよコレ。すっげ―ゲームなんだぜ」

 そこへ桃花先生が乱入する、彼女はゲーム機であるエレメンタルマスターをリスクから取り上げる。

「こら―、学校におもちゃを持ってくるんじゃありません―」

「あ―こら返せ―! それはうちのだぞ―」

 先生は呆れたように続ける。

「あなたのでも、学校のしかも授業中にこれは必要ありません。これは没収、放課後職員室まで来なさい」

 ほら言わんこっちゃないと思うスズ、ちなみにスズもこの時エレメンタルマスターを学校に持ってきていたが。何とか難を逃れた、そして放課後の職員室。リスクは自分のエレメンタルマスターを返してほしいので、大人しく授業をうけ放課後まで待った。事情を知っているスズも、ざわざわと騒がしい職員室の入り口前まで一緒に同行した。


 桃花先生はリスクに優しく注意する。

「だめじゃない、こんなおもちゃ学校に持ってきちゃ」

 リスクは、嫌々ながら反省した素振りを見せて返事をする。

「すみません~」

 そして桃花先生は他の先生に聞こえないように、こっそりと告げ口する。

「こういうのは、先生に見つからないようにこっそり持ってくるのよ」

 桃花先生は、教師になったばかりの新米の先生だ。教師というよりまだ大学生っと言った方が彼女の印象としては近い。子供のおもちゃを持ってきたい気持ちも少しはわかるのだ。

 ただこういう公の場でやっていいことと、悪いことの区別はついている。公の場で見つけてしまった以上、先生として注意するのはしょうがない事なのだ。リスクは転校生、やっていいことと悪い事の判断がつかないのもしょうがない。そして、初対面でもっとリスクと仲良くなりたいという思いから、おもちゃであるエレメンタルマスターを手にし。リスクに、ゲーム機に興味を持った湘南桃花先生は……。

「で、これどうやって遊ぶの?」

 リスクはさっきの表情から一変、うきうきと心踊りながら答える。

「それな! エレメンタルってやって…」

 桃花先生はトリガーをはめリスクと同じ動作をする。

メダルを親指で弾き宙へ浮かす。飛んだメダルは回転し。トリガーから、扇形の光が空へライトアップ。水中にダイブしたかのように光の中で遊泳。空中で静止する。静止したメダルはパリィン! とメダルサイズから、手のひらサイズへ大きくなり。コンペイトウのような形に変貌。水晶の結晶体のような透明感と、ダイヤモンドのような煌びやかさを輝かせ。西部劇の拳銃を抜くような緊張感と構えで、ヒーロー戦隊のお約束変身シーンでの、前動作をした後。

「ドロー! ってするの」

 悪ふざけで桃花先生も「ドロー!」っとマネをする。途端にパリンとガラスを割ったような衝撃と、ダイヤモンドダストのキラキラとした粒子が風に乗って浮遊する。職員室中を覆う凄まじい突風も発生した。桃花先生の山ずみにしてあった書類、描きかけの答案用紙などが。まるで紙ふぶきのように吹っ飛ぶ。職員室内でいきなり起こった出来事に、騒がしかった職員室は急に静寂を取り戻し。他の大人の先生達が桃花先生の方を凝視している。廊下の方で待っていたスズも何事かと思い職員室の方へ入ってくる。桃花先生の前にはまるで、人形のようなはたまた、召喚獣のような形相の少女が空中で浮いていた。背中には星型の翼があり目は灼眼色に輝きまるで幻想のような姿だった。

 湘南桃花:レベル1能力。幻想具現化。

 創造したものを具現化する能力である、ただし戦闘用ではないため戦闘では弱い補助型の能力、自分で上手くイメージしないともろく崩れ去る、使いすぎると頭痛になる。

 桃花先生は茫然としたまま、場をごまかすようにこう言う…。

「あ、あははは。さ……最近のおもちゃは高性能ね……」


 ゲーム機エレメンタルマスターは、使用した人間の心に反応して能力が変わる。自分から選ぶことは最初できない、のちに使用者の心に反応して、能力が変化したりもする。能力は基本的に1つしか使用できないが、増えた場合選んで選択して、使用する事が出来る。初めて使う場合、全員レベルは一である。能力はどこから発生しているかというと、コインから発生した四角い結晶体のようなものが割れて空気上に漂う。ミクロ単位に細かくなり、細胞の中へとエレメンタルが入る。入ったら汗、気泡となって体外へ出てくる。この時に能力が使用可能になる。使用すると気力体力を消費していくので、マラソンをしているような感覚に陥る。

心の消費、能力は精霊界にいる精霊と契約しているので心のエネルギーは精霊達の栄養となる。栄養となる代わりに精霊達が人間たちに自分たちの能力を分け与えることにより、能力が使用可能になる。最初は契約していない精霊達に契約を申込みに行くのでその契約はエレメンタルマスターを作っているミュウや、ミュウが経営している会社の運営側が契約を申込みに行く。今はある程度の火水風などの基本属性の契約は運営側が契約済みなので、知らない人がいきなりエレメンタルを起動しても精霊と契約したことになり。能力を発動することができる。さらに細かいことが知りたい場合は取扱い説明書を読むか、ミュウ側が運営しているダンジョンや、ゲームワールドに関しては、運営側から攻略本が発売されているのでそちらをお読みください。なお、攻略本は地球には売っておりません。地球は田舎でまだゲーム機であるエレメンタルマスターが普及していないので本が発売されていないのです。ミュウは神様でありお金は必要ありませんが、他の運営している社員は生活で、お金が必要なので攻略本は料金を払う、または物々交換をしてくだされれば手に入れる事が出来ます。

 職員室に居づらくなった桃花先生は、リスクとスズを連れて体育館裏へときた。

「一体どういうことなのよ、ゲーム機にしてはやけに高性能過ぎない?」

 スズは謝罪するように言う。

「申し訳ありません、リスクににはあとできつ~く言っておきます」

 まるでリスクの保護者のようである、するとリスクは愚痴るように。

「うちは言われた通りにやっただけだもん」

「スズちゃん、最近のおもちゃってこんなんなの?」

「おもちゃじゃなくてゲーム機です。でもそれ以外の事、どうやって遊ぶかなども私はわかりません」

 とそこへ今朝の黒魔道師が現れた、時のような結界が学校中を覆った。結界は全体的に黒色ドーム状になっていてまるで檻のようである。桃花先生は叫ぶ。

「なにこれ!?」

 スズが貼られた結界に警戒する。

「これは今朝の結界のようなものね!」

 リスクは本能で戦闘態勢に入った。闇の中から黒魔道師クラウンが現れた、クラウンは言う。

「また会ったな子供たち二人組……っと誰だお前」

 全く状況について行けない桃花先生はとりあえず礼儀正しく振る舞う。

「あ、初めまして湘南桃花と申します。うちの生徒たちが何か?」

 クラウンは邪魔されたこともありそそくさと帰ったが、そのあとに巫女ヒミコにこってり怒られ今度こそ失敗は許されないと言われたのだった。クラウンは怒鳴り散らすように……。

「とにかく! あのブロードの言っていた事も一理ある! あのレイシャという巫女を狙う前にアイアンゴーレムを止めたそこのスズって子から抹殺する!」

 スズは嬉々として語る。

「好都合! さっきの借り! きっちり返させてもらうわ!」

 スズとリスクは臨戦態勢に入る、前回こっぴどくやられそうになったのだ。今回はスキを見せない、さっさと変身ポーズをとり。

「「エレメンタル! ドロー!」」

リスク:レベル1。スズ:レベル1。

「今回は念には念をして呼んできたぜ! でてきな! お前達!」

 っとクラウンは言うとクラウンの後ろからワラワラと出てきた。

「炎豪。火を操れる」

「水魚。水を操れるわ」

「風花。風を操れるぜ」

「土偶。土を操れるでやんす」

「ライライ。電気を操るで―す」

「草草。草を操るっす」

「氷結。氷を操るわっふる!」

「毒手。毒を操れるんだぜ」

「サイコ。超能力を操れるのさ」

「虫取り少年。虫を操れるんだよ」

「剛力。筋肉を操れるだ―っは!」

「竜子。ドラゴンを操れるんご」

「我ら!クラウン12人集!」ドドドン!っと出てきたが全員レベルは1だった。リスクは気を引き締めながら言う。

「無駄に多いな……」

 スズはあきれ果てたように言う。

「流行ってるのかしら、12人……」

 桃花先生は何が何だかわからない、ついでにエレメンタルマスターも二人分しかないので桃花先生は素のままである。

「何……? 何……? 何……?」

 スズは若干嬉しそうに語る。

「ねえリスク競争しない? どっちが多く倒せるか」

 嬉々としてリスクはそれに乗る。

「良いね! 勝負だ!」

 二人とも駆ける、12人もいる敵に向かって、速攻だった。相手は自分の能力を披露する間もなくバタバタと倒されていった。相手が余裕を見せているその油断に鋭い殺気を子供二人が放つ、明らかに戦いなれしている。クラウン12人集はリスクとスズが視界から外れた瞬間

 もうその姿をとらえることはできずに敗北した。身体能力が十倍のクラウンにだけその速さと技がわかった、冷静に自分が負けた敗因を探すように。

「こいつら……戦闘なれしている!? でもわかった……能力は扱いなれてない!」

 リスクもそうだがスズも戦ってきた場数が違う、だからアイアンゴーレムを止めることが出来た、抑えることが出来た。アイアンゴーレムもレベル10だった…!ドオンと音がなった、決着がついた音だった。リスクがはりきった声で言う。

「うちは6人倒した」

 スズも一仕事終えたような溜息をついた。

「あたしも6人……引き分けね」

 互いが互いをにらみ合い、競い合うように微笑む、驚いたクラウンは。

「う、嘘でしょ……普通のモンスターならまだともかく、普通の人間と戦って一瞬だなんて…」

 悔しがるクラウンは負けまいと。

「え…ええい! アイアンゴーレムー!」

 ゴオオっと人間の一回り大きいゴーレムが現れた、リスクは身構えるがそれをスズが前に出て静止させる。

「あたし一人で十分!」

 スズに迫りくるアイアンゴーレム。

「はあああああああ! 月閃!!」

 途端に視界が瞬いた、光でも放ったかのような光速を超えたようなまぶしい光と闇のコントラストがアイアンゴーレムに襲い掛かった。途端にアイアンゴーレムは静止し、一瞬の静寂が訪れる、アイアンゴーレムが倒れた。それを見てクラウンは。

「ひ……ひいいいいい!」

 アイアンゴーレムが倒れたことを確認し、余裕を見せたスズは高らかに自分の名台詞を話す。

「これでわかったでしょ。あたしが上で、あんたが下ってことが!」

 レベル10のアイアンゴーレムを倒したことにより、スズはレベル2に上がった。悔し紛れにクラウンは言う。

「お……覚えてろよ―!」

 クラウンは闇の中へ消えていった。一緒にクラウン12人集も逃げ帰った、終始事の全部を見ていた桃花先生はぽかんとしたあと。

「世の中変なことばかりなのね……」

 と自分が置かれている状況を、整理するのに必死だった。


 学校での授業が終わったあと、リスク、スズ、ブロード、レイシャの4人はブロードのお寺に集まることとなった。

 リスクとスズはブロードとレイシャに、学校であったことを説明しレイシャは補足した。

「ここまでは理解出来た?」

 っとレイシャが語る、それに対してスズが申し訳なさそうに。

「ん~なんか更に謎が増えた……わからないことが増えた感じが」

 例え頭が良くても。頭の回転が速くても。容量がよくても器量があっても。察することが出来たとしても。謎は謎のままで、謎を知る為にレイシャの言葉に耳を傾けたのに、更に謎が増えたというのが現状だった。そのことに対してレイシャは困ったように。

「ん~まいったな、どれぐらいわかりやすく説明すればいいんだろう」

 それに対して、リスクがジェスチャーをはさみながら。

「メシがある、食う! ぐらい簡単に」

 突拍子もない愚直なことを口にした。実際に子供なのだが、子供が何気なく言う理にかなった言葉だった。まとを得ているような発言をするのがリスクの特徴だ。とぼけているようで動物的本能で、内容を理解しようとしている。ブロードは説明するのがめんどくさそうなので、出来れば話さないでほしそうにレイシャのほうを見ているが、そうもいかないようで困っている。レイシャは伝染したように困った顔でリスクとスズに言う。

「しょうがないわね、じゃあまず第一回目の大会の事から話しましょう」


 第一回エレメンタルマスター大会。レイシャに憑依しているミュウは「嫌だ」っと言った。

 俺、ブロードが何故このようなめんどくさいことをやらなければならないのか、そう思うがミュウは聞いていない。聞く耳を持たない、ただ自分の我を通すだけだ。

「嫌ったら嫌だ! 絶対に決勝でブロードと戦う!」

「いい加減にしろ! 俺は、お前なんかにはこれっぽっちも興味はないんだ、興味があるのはレイシャの方。お前がレイシャに憑りついてるせいでややこしいんだよ」

 体の体温は常に平温を保っている、感情の沸点は高すぎず低すぎず淡々とこちらも自分の我を通すために話を進める。

「そもそも一応俺の彼女であるレイシャと何故決勝で、いや決勝で戦わなくてもだ、何故戦う必要がある? 戦うぐらいだったら俺はその闘いを辞退する」

 ミュウはしょんぼりする、どちらかというと怒っている、ふんがふんがと憤慨している。

「嫌だ嫌だ嫌だ! つまんない! つまんない! つまんない! そんなのつまんない! 決勝でわらわはブロードと戦うの、わらわがそうしたいんだから絶対なのじゃ!」

 絶対に何かを成し遂げたい時は、どんなことがあっても成し遂げる。絶対の意思があればそれは可能になり現実になる。なるが、ミュウがそこまでの絶対の意思を持っているかはまた別問題だ。彼女は気まぐれで、気分屋で、コロコロ意見も変わる。

「ふ―ん、だそんな事いったらレイシャにブロードがいじめたって言うもん! わらわのお願い聞いてくれなかったって言うもん! 離婚だもん! 絶交だもん! 話しかけてあげないもん!」

 若干動揺するブロード、呆れたように「お前は…」っと呟く。その時、ミュウははっとしたような顔をして。

「ちょっとレイシャと変わるね」

 と言いパンパンと二拍手一礼をした、一礼をした後スッ……と顔を上げてレイシャは言う。

「ブロード……子供の言ってる事なんだから、ちょっとは大目に見てあげなよ」

 宇宙上で最強と言われている神様を子供扱いとは恐れ入る、と思いながらブロードは困ったような顔をしてレイシャに話す。

「でもな……」

「それに私は戦うよ、それがミュウちゃんの夢だもん。夢は叶えるもの、あとちょっとで夢が叶う、私は応援する」

「お前は、優しすぎるんだ……」

「もしかして、ブロードは私たちに負けるのが怖いの?」

「そんなんじゃねえよ……」

 ブロードは、レイシャに憑りついてるミュウを何とかしたいと思っている。しかしそれは、レイシャの家に代々伝わるものだし、レイシャもそれを受け入れている。受け入れて一緒に共存しようという道を探している。だからレイシャはミュウの味方で、ブロードはその関係を壊さないようにしている。今はまだ良いが、ミュウがレイシャに憑依した最初の頃などは。人間の事なんか、まるでアリんこを踏み潰してしまった時のような、そんな感情しか持ち合わせていなかったのだ。簡単に人の命を殺してしまう。そんなダークな部分も持ち合わせている、とても心が危うい存在なのだ。

「わかった、戦おう」

「よかった! そう言ってくれると信じてたよ」

「レイシャの為に。ミュウの夢の為に、俺は戦う」


「とこういうわけでブロードは大会で優勝して。そのエキシビジョンマッチとして私とブロードは戦う事になりました、おわり」

 レイシャの話を聞いたスズは、リスクの態度に呆れてレイシャに報告する。

「レイシャさん、リスクが聞いていませんでした」

 あらら、とレイシャはリスクの方を見る、お寺の庭で遊んでいる。遊んでいるというかシャドウボクシングをやっている、彼にとって闘いは遊びなのだ。

「どのくらいから聞いてなかったのかな?」

 質問するレイシャにスズは冷静に分析してから答える。

「ミュウが「嫌だ、戦いたい」って言い終わってから聞くのをやめた」

 動物的本能で事の本筋を理解してしまったのか、はたまたただダレて飽きてしまったのかは謎である。対するスズは、話の腰を折らないように、今自分たちがどういう状況に置かれているのか冷静に分析するために、もくもくと座って聞いていた。そして事の流れを聞いて思ったことを、スズはレイシャに口にする。

「なぜゲーム機何ですか?」

「?」

「エレメンタルマスターはゲーム機らしいですが、前回と今回の闘いでわかったこと。あのゲーム機は人間が使うケータイ、剣、拳銃、盾と同じような使い方をしている、まるで兵器です。ですがあくまでゲーム機としてみなさん扱ってる。その動機は何ですか? なぜゲーム機じゃなきゃいけないんですか」

「ゲーム機じゃなきゃいけない理由か…、そこはミュウちゃんに聞いた方がいいかもね」

 そう思いパンパンと拍手して一回お辞儀して、ミュウへと意識を変換する。

 世界にミュウに憑依出来る人間は、そう多くないが何人かいる。普段レイシャが表に出ている時、ミュウは他の巫女さんの所へ行っているか、意識の中で眠っている。ミュウは実態を持たない霊体で、他の人間の力を借りて自我を表に出すことが出来る。最近はレイシャの所と自分の会社。神道社のところにいるもう一人の社員の人物とで意識を行き来している、なので普段リスク達の所にミュウがいない時は、神道社の所のもう一人の所に憑依、または眠っているのだ。

「…? なんじゃ?」

 未だに神様と信じられないスズ、神様を信じますか? これが神様です。といきなり言われても信じることができない。ここで神様らしく超常現象でも起こしてくれれば、話はわかるがそんな事を聞く空気でもないのでさっきの疑問をミュウに話す。

「どうもですミュウさん、あの……なんでエレメンタルマスターというゲーム機を作ろうって思ったんですか?」

 状況がわからないミュウはきょとんとした顔でスズの方をみるそして少し間を置いてから。

「ああ……なんじゃそのことか、簡単に言うと「暇だから作った」ところから始まる」

 自分の昔話をするのは嫌だな~っと思いながらミュウは昔話を続ける。

 ミュウは宇宙が生まれたと同時に生まれた、ビックバンを最初に放ったのは彼女である。ゆえに全ての生命の母という概念である、実体はないもののそれ以外の事なら何でも出来た。

 巨大隕石を星に落としたり、火を操り水を操り風を操り、お菓子を生み出し欲しい物は何でも手に入った。命を蘇らせることも出来た。膨大な時間を管理する使命はあるものの、しかし彼女は暇だった、全てが面白くなくなり「つまんない」っというのが口癖になった。

 そんな中、地球へ訪れた。暇だったからゲームという遊びをやったら面白かった、しばらくゲームと名のつくものを遊びまくった。面白かった。次第に彼女は自分でゲームを作りたいと思うようになった、ゲーム機エレメンタルマスターの誕生である。作るのは簡単だった、問題は人に広めることだった。例えば道端でティッシュ配りをして「このティッシュ面白いよ」というくらい難しかった、まず広まってないから遊ぶ人がいない、次にゲームを運営するための社員作り、理解者がいなければ面白いのかどうかもわからない。

 未だに、ファ○コンやD○やゲームボ○イやP○Pやドリームキ○ストより知名度は圧倒的に低い。彼女一人では何でもできた、しかしチームでは何でもはではなかったのだ。だから目標は「社員全員でゲーム業界のトップに立つ!」が目標になった。

「というのがゲームを作る理由っというわけじゃな」

 話を聞いたスズは、リスクに対して呆れた態度でミュウに言う。

「ミュウさん、リスクが聞いてませんでした」

「なんじゃと―!」

 スズはあまりに礼儀がなってないリスクに、怒ったような口調で言う。

「リスクー、あんたちょっとは人の言うことに耳を傾けなさいよ―!」

 リスクはシャドウボクシングをやめて。

 

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