ブラックブックスの真偽
場所、エレメンタルワールドの世界の中心地に存在している惑星。
彼の地~星空の境界線~
から、場所を移動して。
地球の二代目世界樹『クロニクル』。
何でここに戻って来たかというと、セーブポイントだから。
◆
ギルド『四重奏』
浮遊戦空 凪ノ唄夜鈴 将護三ツ矢 明浄みこと
ギルド『非理法権天』
湘南桃花 オーバーリミッツ
ギルド『シークレット』
秘十席群
運営会社『神道社』
星明幸 天上院咲
最果ての軍勢
不動武
以上10名により、今後の作戦会議となった。
桃花が陣頭指揮を取り、2本の封印された本を手に取り言う。
「さて、問題になってるのは。この2つの【予知書】だ。内容は私達は解ってる。『紅蓮のシナリオ』と『精霊のシナリオ』だ」
全員頷く、納得してる。了承してくれたという意味だ。
「ただ今現在この予知書は封印されていて【誰も中身を知ることは出来ない】誰もだ。鍵も無い」
オーバーリミッツは言葉を前に進める。
「私の『審判』を使えば、中身は解るんじゃないの?」
「それだと一緒に歩けなくなる。だから【内容は知ってるけど、どっちが予知書か全員わからない】で、統一する。で、この二冊のどっちが未来の予知書だと思う? いや、もっとはっきり言うと。【どっちを『真の予知書』にしたい?】だね」
ざわ……、ざわ……。と、まわりが騒めく。
「ここではその作戦会議をする、どっちのルートを通った方が良いか。その時に起こる事象は何が起こってどう対処するか。だね」
夜鈴は手を挙げて桃花先生に質問する。
「どちらか片っぽを『真の予知書』にしたら、もう片っぽは『偽の予知書』になるんですか?」
「本当は予知書の内容を混ぜちゃった方が良いんだけど、螺旋の関係もあるし。うやむやにせずバッチリ区切った方が良いと思う。私はね」
群は『見つめる眼』の性質上の疑問を投げかける。
「遥か先の未来を見つめた山羊の眼は、その二冊の内。どっちの未来を観たんだ?」
「それもこれから決める、手のひらの上でで踊ろうが・踊らされようが。コントロールできなきゃいい作品にならない。でしょ? ゲームマスター」
ゲームマスター。神道社、幸は「おお、そうだな」と他人事のように言う。当事者なのに。
桃花先生は続ける。
「以上の事から。この二冊のブラックボックスならぬ、【ブラックブックス】の真偽を。私達全員なら書き換えられると思ってるし。それに他の皆も乗っかって行動しても良いと思ってる。異論はある?」
特に皆異論は無さそうだった。
「じゃあ皆で多数決でもして決めましょう。その真偽を……」
と、そこで今まで黙ってた。戦空が手を挙げて発言する。
「ちょっと待って! うち! その『ブラックブックス』の真偽を知りたくねえ!」
「え~~……、それって保留てこと? 理由を聞いても良い?」
「シ〇ンクス戦まで取っておきてえから!!」
戦空は個人的に面白い方へ賭けた。
「皆知らないで今まで戦って来たのに! 俺達だけ真偽を知ってるってずるくないか!?」
先生はちょっときょどる。
「いや、だからこれは目標の話で……」
三ツ矢とみことも戦空の意見に同意する。
「皆の想像力に賭けるのも面白いと思うけどな」
「わたしもわたしも~! そっちの方が面白いよ!」
桃花は困るのでゲームマスター幸に助け舟を頼む。
「いいのゲームマスター? つまり『紅蓮のシナリオ』と『精霊のシナリオ』の『真偽が解からない』状態で冒険を続けるってことでしょ!?」
ゲームマスターは決める。
「ん、いいんじゃねーか? どうせ一週間後の未来もろくにスケジュール出来ないんだから」
「いや、私の事はどうでもよくて……」
「んじゃケッテーイ!!」
「おい!!」
これにより、ブラックブックスの真偽は。『知りたくない』となった。