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エレメンタルワールド  作者: ゆめみじ18
エレメンタルワールド2020 ~カムバック・オーバーイヴ~
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エレメンタルワールド2020 ~カムバック・オーバーイヴ~

 2020年12月24日 世界の理が、今定まる。



 ある雑談部屋での会話にて。

「でさあ、世界の理が。今定まる。て……結局いつ定まるの?」

「2010年11月14日じゃダメなの?」

「いや、全然ダメじゃないんだけど。その後が波乱続きだったからさあ。その後も色々あって、結局なあなあになったじゃん?」

「まあ色々解った状態で冬。12月24日が良いとは思うけど……西暦何年にするかだよな。問題は」

「2020年12月24日じゃダメなの?」

「ダメじゃないけど。準備も大義名分も何も用意してねぇ……」

「202X年って結局うやむやになって。「ああ過ぎたんだな」とか「もうすぐ来るぞ!」ていうカタルシスが無いんだよな」

「『浮遊城の夢』の何年前じゃ?」

「6年前だ、咲と姫が生まれる年です。まあ時系列は私達の場合どうしても繋がらないけど、そこはプロの人に任せて繋げてもらいましょう」

「そこは桃花に母親をお願いして~……て流石に無理か」

「逆に、ここが繋がればあとはどうとでもなる気がする」

「よし、じゃあ作るか。個人的趣味全開で。評価も気にせず書けるのは良いな」

「元々評価0だしね」

「よし! やるよ!」

「軽くいくか、どうせなるようにしかならんし」



 2020年12月24日、この日。世界の理が明確に定まった。


 定まった理の内容は3つ。

 1つは、湘南桃花が体験した。吸血鬼大戦の歴史の上に、今の歴史が積み重なってゆく。死と再生の物語。

 1つは、外側と内側の思想の共存。境界線も無く、分け隔てなく。理想と真実が共存する世界。愛情と存在の物語。

 1つは、夢と受け継がれる意思を継承しようとする物語。


 理由と帰結が交わり、冬空の風が吹く。

 創造歴2020年12月24日18時00分。

 湘南桃花はこれらを今のところ把握し、学校の歴史教師の職から帰宅する。

 粉雪がシトシトと降り、柔肌にひんやりとくっつく。

「今日は色んな男の子と女の子が産まれるわけか~」

 もしかしたら時間的にもう、産まれ終わってるかもしれない家族も居るだろう。


 ここで、明確に湘南桃花の能力を話しておこう。

 能力名『アカシックレコード』

 時間の過去に戻ることは出来ないが。それ以外のあらゆる事象を観測することできる。彼女の体内時計は壊れない。例え並行世界・マルチバース・過去改変など事象を今として観測できるので。

 時間が壊れようが、前後しようが、時の概念が無かろうが。正確に時を刻み続ける。彼女は神様視点の目線と体を持ち。極論、この物語の作家と同等の目線と寿命で生きながらえることが出来るのだ。

 ゆえに、2035年の出来事も知ってるし。1987年の頃の記憶も、おぼろげに残っている。

 次の時空に行ったり、元の時空にも戻ることも可能。ただ一つ、自身の体内時計は過去に戻せない。それだけが絶対のルールだった。


 なので、2035年に天上院咲と天上院姫が大活躍することも知ってるし。干渉することも出来る。他の時計は誤作動するが、彼女の時計は壊れない。

 以上の事から。彼女は知ってることは何でも知ってる。思い出せる範囲でだし、人間相応に忘れもするが。

「天上院姉妹が生まれる日かー、私も歳を取ったな」

 

 実は『アカシックレコード』を持っている人物はもう一人いる。秘十席群ひじせきぐんだ。そして、時そのもののミュウという人物、この世界の神様。

 彼らは一般人と同じ時間を共有することは無い。時に速く、時に遅く時間が流れる。同じ時間を歩めないのだ。

「世界の理が、定まる気がしないな」

「それは言っちゃいけねえよ……」

「それはそれじゃ、わしらはわしらの時間を過ごせばいい」


 と、その時。1人前側から歩いてくる人物がいた。

 オーバーリミッツ、湘南桃花の大親友である。

「間に合った?」

「うん、間に合ってる」

 短い返答だけが帰って来て。

「じゃあ、歩こうか」

「うん」

 4人は行く当てもなく歩き始めた。


 秘十席群は粉雪の中を歩きながら夜空を見上げて、こう話を切り出す。その内容は真に迫るものだった。

「原典の『エレメンタルワールド』が出来上がったのは。2016年12月6日で良いんだっけ?」

「記述によればそう。……、もう4年前だから記憶には覚えてなかったよ」

「それから4年後、2020年。予知書の通りに。原典の内容は現実のものとなった……、と……」

「はぁ~……」

 湘南桃花の「はぁ」は、夢が現実になって【しまった】事への。嬉しさと申し訳なさの入り混じるため息となってしまった。


「で? 問題は群や桃花の右手。『見つめる眼』の未来の眼には、まだ到達してないって事じゃろ? 2020年は実現したが失敗した。次の奴に引き継がせてエレメンタルワールドの【あの未来】に辿り着かなきゃならない」

「ちゃんと働いて、お金も得て、機材もそろった。あとは完結までのネームが完成すれば。吸血鬼大戦の前例からして一気に進む! ……と思う……」

「だよなあ……2016年・2020年……。約4年で実現のジの字も行けなかった……」

 オーバーリミッツはそこから未来予測する。

「となると、目算。5年から10年ってところ?」

「そうだな……、2020年のエレメンタルワールドの世界観も。描き直さないとならない。何年にする? 5年後? 10年後?」

「また4年だか5年って設定して、しくじるのは避けたいから。選択肢は決まってる。10年後じゃ」

「これまた長いのう~」

「ニートだったから吸血鬼大戦は2年で済んだんだ。働いてる今じゃもっと遅くなるよ」

 2020年の件は、働いている時間や。その他環境の変化が計算に入れられなかったら、戸惑い遅くなった。そういう認識になった。

「親が生きてる間に完結させたいなあ……。お爺ちゃんお祖母ちゃんの二の舞いにしたくない……」

 いくら魔法の力があると言っても、やっぱり生ある内に何とかしたい所である。

 5年後じゃキツイ、10年後じゃ手遅れかもしれない。……となると。

「2028年か」

「8年後か。今回の4年後の2倍時間がある」

「……、……」

 間に合うか、間に合わないか。微妙な采配である。主に、自分達の人生を天秤に賭けて、だ。速い事にこしたことは無い。

「このシナリオの為に、15年賭けちゃったんだよなぁ~……」

 タイトル名『エレメンタルマスター』の構想が約2005年、それ以降の記録はない。ので約15年と言う計算だ。

「8年計画か……、やるっきゃないな。【まだ何にもやってない】んだから」

「エレメンタルワールド2020年のデート戦争は。『デート戦争Ⅰ』てことになるのかな? 暴君ⅠとⅡの案件だと」

「そうなんじゃね?」

 一拍間を置き……。

「リアルタイムはそんな感じか……きついな」

「やるっきゃないだろ。今度は【何がおきるか教えたら実現しない】じゃない【何がおきるか知ってても、先の時代へ進まなきゃならない】だよ」

「その『デート戦争Ⅲ』の4・5年後に咲ちゃんの時代が来るの? うへえ~大変だぁ~」

「咲ちゃんの時代って何て言えば良いんだ?」

「『デジタル航海時代』で良いんじゃないかなあ? 戦争、というか冒険でしょ?アレは」


 ということは、

 2016年から2020年が『デート戦争Ⅰ』

 2020年から2024年が『デート戦争Ⅱ』

 2024年から2028年が『デート戦争Ⅲ』

 2028年から2035年が『デジタル航海時代』

 になる可能性が非常に高い。


「もういいよ、休んで」

「うん、わかった。今日はこの辺にしとく」

 そう言って4人は立ち止まって、夜空の星空を見上げた。

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