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『わたマジラジオ』 第3話

堀田美咲ほった みさき♀:

声優歴2年目、実力派の若手 先輩からの受けも良い優等生


桐谷きりたにエマ♀:

声優歴10年目の中堅 「ゆるふわボイス」の持ち主だが、性格は自由人


□グーリー♂:

『わたマジラジオ』の放送作家 エマとはデビュー時からの付き合い


※ストーリーの中で重要なSEとして、『携帯電話のカメラのシャッター音』が出てきます。

 可能でしたら、SEとしてシャッター音を入れて頂くと、宜しいかと思います。


■パート1


【OPミュージック】(徐々にボリューム下がり)


美咲「ねぇ、エマさん?これ、大丈夫ですか?変じゃないですか?」


エマ「大丈夫だって!いつまで気にしてんだよ!」


美咲「えー!でもぉ」


エマ「大丈夫だって言ってんだろ!」


美咲「ホントに?ホントに大丈夫ですか?」


エマ「しつけーなぁ!さっさと始めるぞ!!」


美咲「あー!待ってください!」


エマ「ほら!いつもの『せーっの』ってやれ!『せーっの』って!」


美咲「はーい…じゃあ、いきますよ?」


エマ「おっしゃ、こい!」



美咲「せーっの…『茜と~』」


エマ「『まほろの~』」


美咲+エマ「『わたマジラジオ~!!』」


【OPジングル入る】




■パート2


美咲「ラジオをお聞きの皆さん、おはこんにちばんわー」


エマ「おはこんにちばんわー」


美咲「この番組は、7月からスタートしたTVアニメ『私達の青春が こんなに本気マジなはずが無い』の応援ラジオ、

   『茜と まほろの わたマジラジオ』です!」


エマ「はい! そしてですね、今日は何と!」


美咲「なんと?」


エマ「私たち2人は、コスプレで収録してます!!」


美咲「ちょ!ちょっとー!!なんでいきなり言うんですかぁぁぁ!?」


エマ「え?だって収録の後で、ラジオのブログに写真載るんでしょ?そしたら、どうせバレるし?」


美咲「いや、まぁ、そうですけど」


エマ「なら良いじゃん!」



美咲「えっと、そういう訳で、私達は『わたマジ』の舞台である、倉浜くらはま高校の制服姿で収録している訳ですが…」


エマ「なんでかと言うと、公開録音のイベントで着るからですっ!!」


美咲「あぁ!また、そうやってすぐネタバレするぅ!!」


エマ「良いじゃん!良いじゃん!!」


美咲「もぉ!グーリーさんに怒られても知りませんよ?」


エマ「でもさ、公録イベントでしか着ないの勿体無いし、

   それだとイベントに来た人しか見れなくて可哀想じゃん?って話だったろ?」


美咲「そうでしたね」


エマ「だから今日の収録でも着て、それを写真とってブログにアップすりゃ、

   多少は満足して頂けるんじゃないのーって話じゃん?」


美咲「それはそうですけど」


エマ「だったら隠す必要ないし!」


美咲「でも、そのぉ…」


エマ「あー!分かった!私、分かっちゃった~!」


美咲「えっ?何がですか!?」


エマ「みさきちさぁ~!ただ制服が、恥ずかしいだけだろ?」


美咲「えっ?そ、そうですよ!恥ずかしいんですよ!」


エマ「えっへっへぇ~」


美咲「あぁぁぁ!!もう笑うなぁぁぁ!!恥ずかしくて悪いかぁぁぁ!!」




■パート3


美咲「はぁ…」


エマ「いやぁ、恥ずかしがるみさきち可愛かったぁ

   あっ、次のコーナー行こうか?」


美咲「えぇ、そうですねぇ」


エマ「で、次のコーナー何?」


美咲「次のコーナー何?って、パーソナリティが言いますか、それ?」


エマ「えっと…『連絡帳』?」


美咲「はぁ…そうですね。

   それでは『青春心理研 連絡帳』のコーナーです」


エマ「毎回補足入れてるけど、いわゆる『普通のお便り』のコーナーです」


美咲「それでは1通目のメールです」



美咲「『…と言うのが、ボクの学校では流行っています。お2人の間で、いま流行っているものってありま…』」


【携帯カメラのシャッター音】


美咲「ちょっ!何してんですかっ!?」


エマ「あ、気にしないで。そのまま続けて良いよ~」


美咲「いや、続けて良いよって…」


【携帯カメラのシャッター音】


美咲「だぁぁぁ!!だから勝手に撮るなっ!!」


エマ「えー!!」


美咲「何が『えー!!』ですかっ!!っつーか!何で、写真撮ってるんですか!!」


エマ「ツイッターにアップしようと思って」


美咲「はぁ?ツイッター?何の?エマさんの?」


エマ「『わたマジ』公式の。フォロワー少なくて、プロデューサー困ってるんだって」


美咲「で?何で、その写真を、いまココで?」


エマ「さっきねー『コスプレでラジオの収録なう』って呟いたらね」


美咲「『収録なう』って…収録中にツイッターしてたんですか?」


エマ「うん。そしたらね、『写真アップよろしくー』ってリプライ来てね」


美咲「で、エマさんは、そのリクエストに応えてあげたと?」


エマ「そうそう!こういうのは、スピードが命じゃん?」


美咲「はぁ…まぁ、そうですけどねぇ。でもね、いま収録ちゅ…」


エマ「ほあぁぁぁ!!もう100リツイート行った!!」


美咲「ちょっ!エマさん?」


エマ「グーリー見て!!100行ったよ!凄くね?

   これ、やっぱ効果あるって!フォロワーも40くらい増えてるし!!」


美咲「あの、ちょっとエマさん?収録中ですよ?収録中!」


エマ「ねぇ、みさきちもさ!ちょっと協力してよ!ね?『わたマジ』のために!」


美咲「えっ?」


エマ「『わたマジ』、もっと人気のある作品にしたいじゃん?ね?

   せっかく良い作品なのに、このまま埋もれちゃうの勿体無いじゃん?

   やっぱり多くの人に見てもらいたいじゃん?みさきちも、そう思うでしょ?」


美咲「あー…それは、そうです…よねぇ」


エマ「ツイッターもさぁ…フォロワー増えないと担当の人、お給料減らされちゃうかも知れないんだって!

   そんなの可哀想じゃん?私たちが頑張れば、助けてあげれるかもしれないじゃん?

   今しかないの!今ならまだ間に合うの!

   ね?やろう!何とかしよう!ね?良いでしょ?ね?」


美咲「えーっと、うん、はい…」


エマ「ホント!?良い?ありがとー!

   みさきち、やっぱ良いヤツだよー!良かったー!ありがとー!ありがとー!!!」


美咲「あ、その、えぇ、どう…いたしまして」




■パート4


エマ「それじゃあ、えっと…『立ち姿をお願いします』だってさ!」


美咲「立ち姿ですね、やれやれ」


エマ「撮るよー」


美咲「はい、どうぞ」


【携帯カメラのシャッター音】


エマ「オッケー!」


美咲「良いですか?」


エマ「バッチリ! えーっと『まずは、立ち姿です』と」


美咲「まずは?」


エマ「うん、だって『リクエスト受け付けます』って呟いたら、一気にリプが山ほど…」


美咲「はぁ!?何で、リクエストとか募集してるんですか!?」


エマ「だってさ、市場のリサーチって重要じゃん?」


美咲「あぁ… なんで、この人、時々凄いまともなの?」



エマ「じゃあ、次は… おぉ!これ良い!これで行こう!」


美咲「何、するんですか?」


エマ「『椅子に座って、後ろの席を振り返ってる風に』だって!

   みさきちが、前の席に座ってて、後ろの席に私やリスナーさんが座ってるていね」


美咲「あぁ!プリントを後ろの席に回す…みたいな?」


エマ「そうそう!それだ!」


美咲「じゃあ、私は、椅子に座って、エマさんがうしろから撮ると?」


エマ「おぉ!良いね!良いね!!あ、じゃあプリントの代わりに、台本持って!」


美咲「良いですよ! こんな感じですか?」


エマ「よしよし! 撮るよー」


美咲「はーい!」


【携帯カメラのシャッター音】


美咲「どうですか?」


エマ「バッチリー! これ、なんか良い!!リアル高校生っぽい!」


美咲「ホントですか?ちゃんと高校生に見えてます?」


エマ「はい、ツイート送信!…と。 うわっ!速攻で感想がリプされた!」


美咲「え? なんて?なんて書いてあります?」


エマ「えっと… おぉ!『どっから見てもリアル女子高生』だってさ!

   『こんなクラスメイト欲しい!』ってのもあるぞ!」


美咲「やだぁー!照れるぅー!」




■パート5


美咲「じゃあじゃあ!次は私がエマさん撮りますよ!」


エマ「えぇー!私は良いよー!きっと需要とか無いしさぁ」


美咲「いやいや、そんなこと無いですよー!」


エマ「そっかなぁ?」


美咲「そうですよ!私とは別の、需要も魅力もありますもん!」


エマ「じゃあ、いっとく!?」


美咲「いっときましょう!」


エマ「よし来いっ!!」


美咲「さぁ、どのリクエスト行きます? あ、これが良いかな?」


エマ「ほほぉ…『椅子に座って上目使い』ね。これは私の魅力でファンもイチコロだな」


美咲「じゃあ、良いですか?」


エマ「待って待って!

   よし、サービスでリボンタイ外そう!スカートもチョイ短めにして…

   3回くらい折り返せば良いか?」


美咲「はい、撮りますよー」


エマ「良いよー」


【携帯カメラのシャッター音】


エマ「どう?何か感想来た?」


美咲「えーっと…『これは良い!』とか、『ちょいエロさが最高!』」


エマ「だろだろー」


美咲「『こんな表情されたら立つ』 えっ?立つ…って何が?」


エマ「そりゃ立つって言えばアレだろ?」


美咲「アレって? えぇぇぇ!!アレ!?アレってアレ!?」


エマ「おぅおぅ、みさきちったら、顔真っ赤にしてカワイイのぉ」


美咲「あぁ、あの、その、後はですね…

   『どう頑張っても隠せないコスプレ臭』って…あっ!」


エマ「そうか、コスプレか」


美咲「いや、その、少数意見ですよ!きっと!!」


エマ「みさきちはリアル女子高生だけど、私はコスプレか。そうだよな、まぁ、そうだよな」


美咲「エマさん、帰って来て下さい!エマさん!エマさぁぁぁん!!」




■パート6


美咲「あ、エマさん!カンペ出てますよ!」


エマ「え?カンペ?」


美咲「『進行お願いします』だそうですよ!珍しくないですか?カンペなんて」


エマ「グーリーは?あいつならそれくらいの事、平気で口に出してくるのに?」


美咲「そう言えば見当たらないですね」


エマ「おい、ショウ!グーリー、ドコ行った?」


美咲「あ、ショウさんと言うのは、番組のADさんのお名前です」


【ADがカンペで答えてる間】


エマ「わはははは!『腹痛でトイレ』って!グーリーらしい!」


美咲「え?そうなんですか?」


エマ「そうよー!アイツ、下痢型過敏性腸症候群だからね。

   おおかた収録前にアイスでも食ったんだろ!」


美咲「ゲリガタカビンセイチョウ…?」


エマ「よーっし!そういう事なら、エマさんバリバリ頑張っちゃうよー!!」


美咲「私も頑張ります!」


エマ「じゃあ、早速、撮影の続きだ! さぁ、次のリクエストは何だー!?」


美咲「えっ!?ちょ!エマさん?

   あの、ショウさんは収録を進めてって…あの?エマさん?」


エマ「ふっふっふっ~ まぁ、良いから良いから」


美咲「いやいやいや!!良いわけ無いじゃないですかっ!!」


エマ「みさきちは、しっかり進行してくれて良いのよー

   私がソレを撮影するだけだから!ほら!なーんも問題無い!!」




■パート7


美咲「『…と言う感じで何時の間にかマジになり、クレーンゲームに3万円注ぎ込んでしまいました』との事です。

   あの・・・エマさん、聞いてます?」


【携帯カメラのシャッター音】


エマ「聞いてるよー」


美咲「はぁ… でも確かにクレーンゲームって夢中になっちゃうんですよねぇ

   私も欲しかった物がなかなか取れなくて、3千円くらい注ぎ…」


エマ「んー… なんか違うなぁ~」


美咲「何が違うんですか?」


エマ「なんかね、さっきからちょっと物足りないんだよねぇ」


美咲「へっ?」


エマ「取り合えずさ、もう1個シャツのボタン、外してみようか?」


美咲「はいっ!?」


エマ「ほら!早く!大丈夫だって!」


美咲「ちょっ!触らないで下さいよ!もう!自分でやりますから!」


エマ「おっ!良いね良いねー!今までとは違う、みさきちの魅力が出て来たねー!」


美咲「えっ?今までと違う魅力?」


エマ「でさ、ちょっと襟元、広げてみ?」


美咲「襟元…ですか?」


エマ「うん!その方が、もっとみさきちの魅力が、引き出せる気がするなぁ!」


美咲「ホントですか?でも、その、見えたり…しません?」


エマ「大丈夫だってー!見えない見えない!!そもそもコレ、ラジオだし!」


美咲「じゃあ、このくらい…ですか?」


エマ「あー!良い!うん、グッとイイ女になった!

   よし、もうちょい!もうホンのちょい!」


美咲「え?いや、これ以上は…」


エマ「平気平気平気!ほら!ほーらっ!!」


美咲「じゃあ…」


エマ「ふぉぉぉぉぉぉ!!」


美咲「えっ!?」


エマ「みさきち水色かぁ~!!」


美咲「ちょっと!!見えてるんじゃないですかっ!!

   て言うか、見えても口にしないで下さいっ!!!」


エマ「えっ!?いや!見えてない!なーんも見えてない!うん!」


美咲「……」


エマ「さ!ほら、番組、進めて!進めて!」


美咲「分かりました。

   えー…続いてのお便りは『みさきちの着替え妄想でハァハァ』さんからです」


エマ「おっ!それ、ありだな」




■シーン8


グー「ふぅ、スッキリスッキリ!さて、収録はどうなってますやら…

   って、まぁ、だいたい予想は付くけど」


美咲「だぁぁぁぁぁ!!!出てけっ!!ぜーっいん出てけぇぇぇぇ!!!!」


エマ「おわっ!だぁ!みさきち!落ち着け!いてぇ!ちょ!」


美咲「黙れぇぇぇ!!もう辞めるっ!こんな番組やめるぅぅぅぅ!!!

   出てけぇぇぇ!!全員出てけぇぇぇぇ!!!」


グー「おいおい!!どうした?どうした?」


エマ「あっ!グーリー!!おわっ!」


グー「ちょっ!美咲ちゃん!モノ、投げるのやめよう!

   あぐっ!いって!!」


美咲「あぁぁぁぁ!!誰もブースに近付くなぁぁぁ!!!変態!変態!だぁーい変態っ!!」


美咲「今すぐ、事務所に電話して、マネージャー呼んでください!

   マネージャー来るまで、ココから出ません!」


エマ「いやいや、出ませんって…」


美咲「マネージャーを通してのみ、会話します。それ以外の方とは、一切話す気はありません!!」


グー「なぁ、エマ…」


エマ「ん?」


グー「今度は何したの?」


エマ「んーっとね、やりすぎちった…てへっ☆」


グー「で、具体的には?」


エマ「着替えのシーンが撮りたくて、スカート脱がそっかなぁ…と」


グー「はっ?」


エマ「いやぁ、その、テンション振り切っちゃって。それでちょっと無理やり…」


グー「はぁ…」



グー「ねぇ、美咲ちゃん」


美咲「……」


グー「ふぅ… まずは、番組関係者として、謝らせてもらえないかな?」


美咲「マネージャーとしか話したくありません。マネージャーを呼んでください」


グー「マネージャーさんには連絡した。急いで来るって言ってる。ただ、その前に…」


美咲「嫌です。共演者やスタッフの方とは、お話したくありません」


エマ「みさきちっ!ゴメン!本当にゴメンっ!!」


グー「バカ!大人しくしとけって言ったのに」


美咲「何がゴメンですか!白々しい!」


エマ「取り合えず開けてよ!出て来て、落ち着いて話しよう!!」


美咲「絶対に開けません!!と言うか、それ以上ドアに近付かないで下さいっ!!」


エマ「みさきちぃぃぃ!!ゴメンー!!ホントにゴメンー!!!」


美咲「だからぁぁぁ!!近付くなぁぁぁ!!絶対!絶対に出ませんか…」


【一瞬の間】


グー「あっ…」


エマ「あっ…」(グーリーと台詞被せて)


美咲「ひゃうっ!」



エマ「スカート、脱げた」


グー「うん、脱げて落ちた」


美咲「ちょっ!見るなっ!見るなぁぁぁ!!」


エマ「うひょぉ!!パンツ見えたぁ!」


美咲「やめてぇぇぇ!!見ないでぇぇぇ!!」


エマ「縞だ!縞パンだぁぁぁ!!」


美咲「あぁぁぁ!!もぉぉぉぉ!!縞で悪いかっ!縞で悪いかよぉぉぉ!!!」


【携帯カメラのシャッター音】


美咲「だぁぁぁぁ!!誰だっ!?今、写真撮ったの誰だぁぁぁぁ!!!」




第3話 了


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