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『わたマジラジオ』 第2話

□堀田美咲ほった みさき♀:

声優歴2年目、実力派の若手 先輩からの受けも良い優等生


□桐谷きりたにエマ♀:

声優歴10年目の中堅 「ゆるふわボイス」の持ち主だが、性格は自由人


□グーリー♂:

『わたマジラジオ』の放送作家 エマとはデビュー時からの付き合い

■パート1

【OPミュージック】(徐々にボリューム下がり)



エマ「……」(モグモグ何か食べてる)


美咲「えーっと、エマさん?」


エマ「ふぁい?」


美咲「あのぉ…何、食べてるんですか?」


エマ「カツサンド」(ゴックンしてから)


美咲「いや、それは見れば分かりますけど。なんで?」


エマ「グーリーがくれたんだもん」


美咲「くれたって…あの、収録始まってるんですけど」


エマ「あぁ、やっといて!」


美咲「やっといてって…あのぉ」


エマ「……」(モグモグしてる)


美咲「……」


エマ「……」(モグモグしっぱなし)


美咲「あー!!もう食べて良いから、取り合えずタイトルコール!!

ほら!先にタイトルコールやって下さい!!」


エマ「えー!しょーがねーなぁ。あと2口だったのにぃ」


美咲「はい!ちゃっちゃとやる!!」


エマ「ふぇいふぇい」


美咲「じゃあ、行きますよ? せーの、茜と」


エマ「まほろの~」


美咲+エマ「わたマジラジオ~」


【OPジングル入る】




■パート2


美咲「ラジオをお聞きの皆さん、おはこんにちばんわー」


エマ「おはこんにちばんわー」


美咲「この番組は、7月からスタートしたTVアニメ、

   『私達の青春が こんなに本気マジなはずが無い』の応援ウェブラジオ、

   『茜と まほろの わたマジラジオ』です!」


エマ「えーっと、もう何回目?」


美咲「ラジオは第3回ですね」


エマ「おぉ!そろそろ、みさきちも慣れてきたね?」


美咲「いやぁ、おかげ様で一向に慣れません」


エマ「あっ、そう?早く慣れた方が良いよ」


美咲「えぇ、頑張らせて頂きます」



美咲「で、ですね。いよいよ先週からアニメもスタートしました!」


エマ「おー!!やっとスタートだね」


美咲「リスナーの皆さん、ちゃんと見てくれましたか?」


エマ「お前ら、ちゃんと見たよなっ!?」


美咲「エマさん、エマさん…」


エマ「何?」


美咲「そんな脅さなくても」


エマ「良いんだよ、これくらい強く言っても。

   じゃないとすぐ『録画予約したから良いや』とか、

   『レンタルで借りれば良いや』とか言い出すんだから」


美咲「いや、まぁ、その…」


エマ「生で見てないヤツは、『みさきちカワイイ!俺の嫁!』とか言う資格ねーから!!」


美咲「あの、ちょっと、エマさん?」


エマ「お前らが毎晩ツイッターで、

   『腋ペロペロしてぇー!』とか『プルンプルンしたおっぱい触らせろー!』とか

   『太ももからケツに掛けてのラインが最高!』とか『脚スベスベ!マジ舐めたい!!』とか

   『襲いたい!いや、むしろ襲うわ!』とか言ってんの、知ってんだか…」


【エマ 丸めた台本で頭叩かれる】


グー「なぁ、エマ」


エマ「あ!?何よ?」


グー「それ、リスナーの呟きじゃなくてさ。こないだ飲んだ時に、お前が熱弁してたことじゃねーか?」


エマ「ちょっ!」


美咲「うわぁ、エマさんって、変態だったんですね」




■パート3


エマ「さて、みさきちは1話のオンエアー、もう見た?」


美咲「もちろんですよ!オープニングから感動して見てました!」


エマ「またまた、オーバーだなぁ!」


美咲「本当ですよ!いよいよ始まったのか~って思ったらウルっとしちゃって。

   家だったから良かったですけど」


エマ「あ、家で見てたの?」


美咲「放送の時間には帰れたので、30分も前からテレビの前で待ってました!

   しかも見終わって気付いたら、床に正座してたんですよ!」


エマ「うっわ!メチャクチャ気合い入ってんじゃん」


美咲「そりゃそうですよ!エマさんは、どこで見たんですか?」


エマ「え?私?私はね。えーっと、その日は忙しくて…」


美咲「お仕事だったんですか?」


エマ「その、放送の時間は外に居てさ」


美咲「深夜までお仕事なんて、お疲れ様です」


グー「いや。エマは、俺と飲みに行ってたから。

   しかも俺が言うまで、放送日って忘れてたし」


美咲「えぇぇぇ!!」


エマ「おい!グーリー!絶対にバラすなって約束したろ!!」


美咲「うっわぁ…エマさん、それ最悪ですよ」


エマ「いや、その、録画!録画の予約は前からしててね!後からだけど、ちゃんと見たからね!」


美咲「エマさん」


エマ「はい…?」


美咲「さっき、自分で何て言いましたっけ?」


エマ「え?何?」


美咲「エマさん、さっきリスナーさんに『すぐ録画予約したって言うんだから、脅しても良い』って言いましたよね?」


エマ「あっ…」


美咲「『あっ…』じゃないでしょ!『あっ…』じゃ!!

   しかもその後、何て言いましたっけ?」


エマ「ヤベ…」


美咲「生で見てない人は、私のこと色々言う資格無いんでしたっけ?」


エマ「あぁ、そうねぇ」


美咲「で、エマさんはオンエアー見ないで、グーリーさんに私の事を熱弁してた…と」


エマ「あ、はい…」


美咲「へぇ、そうなんだー」


エマ「スイマセン!ホント、スイマセン!!」


美咲「だぁぁぁぁ!!もう帰れ!!今すぐ荷物まとめて帰れ!!!」


【ジングル入る】




■パート4


エマ「さぁ、それじゃ、1話について振り返ってみようか?みさきち、1話を見てどうだった?」


美咲「『どうだった』ってアバウトな聞き方しますね」


エマ「わはははは!!だってさぁ」


美咲「えっと、ストーリーも、もちろん良いんですけど…

   オープニングとか作中で、茜やまほろの住む町の景色が出てくるじゃないですか?

   あぁ言ったストーリーの合間の、風景シーンも引き付けられますよね!」


エマ「あの風景シーンはキレイで良いよねぇ。

   そう言えば、あの街並みって、実際に存在する場所を、結構忠実に描いてるんだってね」


美咲「そうらしいですねー!モデルになったのが、岡山県の倉敷って町なんですけど」


エマ「なんとビックリしたのが、ちはの出身が倉敷だったって言うね」


美咲「そうなんですよね!大内莉子おおうち りこ役の、山本ちはるさんの出身も倉敷で…」


エマ「普段クールなちはが、メッチャ興奮してたもんな」


美咲「知ってるお店や場所が描かれてたみたいで、凄いテンションでしたね」


エマ「『この店は和菓子が有名』とか『ここの建物は江戸時代に建てられた』とかね。

   あれは完全に倉敷の観光ガイドだったわ」


美咲「そんなリアルな倉敷の風景は、2話以降も出てきますので、皆さん楽しみにしてて下さいね」



美咲「じゃあ今度は、エマさんの感想を…」


エマ「えーっとねぇ、私の感想は、高校生って良いなーって」


美咲「……」


エマ「……」


美咲「ふえっ?それだけ!?」


エマ「え?ダメ?」


美咲「いや、ダメじゃないですけど…ないですけど。

   それ以外にと言うか、もうちょっと詳しくと言うか…」


エマ「しっかたねーなぁ、じゃあ言おうか?」


美咲「いやいや、あるなら最初から言ってくださいよ」


エマ「もうさ、あのキャピキャピ感が良いよね!

   『茜ちゃん、おはよー!』『あ、まほろ、おはよー!朝のパイターッチ!』

   『茜ちゃん、やめてよぉぉ!』『ぐへへへ!まほろの胸は、相変わらずおっきぃねぇ!』みたいな?」


美咲「待てぇぇぇぇ!!そんなシーン、ドコにも無いし!!」


エマ「あれ~?そうだっけ?」


美咲「そうだっけ?じゃないですから!!

   っつーか、人の演じるキャラ、勝手に変態にしないで下さいっ!!」




■パート5


エマ「まぁ、でもさ。高校時代の雰囲気が懐かしいなって思ったのは本当のこと」


美咲「えっ?あ、はい」


エマ「ほら、私なんか高校生って10年以上前だから、結構忘れてたんだよね。

   それが今回台本読んで演じてみて、『あー・・・高校生の頃ってこんな雰囲気だったなぁ』って。

   忘れてた物が、フワッて蘇って来る感じ?」


美咲「そうですね。私も懐かしかったです」


エマ「みさきちは、つい最近まで高校生だろ?」


美咲「いや、まぁ、そうですけど」


エマ「私は演劇部だったけど、この青春心理研のメンバーみたいにさ。

   運動部みたいなトレーニングしたり、部室で仲間とグダグダ喋ったり、

   先輩と方向性について議論したり、帰り道にコンビニでアイス買って食べたり。

   『そうそう!あったあった!』って思いながら見てたよね」


美咲「エマさん、そんな普通な高校生だったんですか?」


エマ「おい、失礼な!

   って言うか、高校生の部活ってそんなモンじゃないの?みさきちだって、そうだったでしょ?」


美咲「えっと、私は高校1年の時に養成所受かって、それからずっと養成所通いだったので、部活は入ってなかったんですよ。

   土日以外もボイトレだったり、ダンスだったりで」


エマ「そっか。あ、でも中学の時は?」


美咲「中学の時はバスケ部でした。背が高いって理由で」


エマ「ほぉ…」


美咲「でも、全然スポーツ得意じゃなかったんですよね。だからあまり楽しくなかったなぁ」


エマ「他の部活…例えば演劇部とか放送部とか、声優の仕事と関係する様な部活をやろうって思わなかったの?」


美咲「声優の仕事には、小さい頃から憧れてたんです。子供の頃からアニメもいっぱい見てたし。

   でも中学生の頃は、アニメが好きとか、声優になりたいって言えなかったんですよねぇ。

   むしろ、隠してたくらいでした」


エマ「あぁ、真面目で素直で成績優秀で、親や友達や学校の先生に、偏差値の高い学校に行く事を期待されて。

   おまけに自分のしたい事を押し殺して、それに応えちゃう生徒?」


美咲「ホント、そんな感じの中学生でした」


エマ「でもさ、その真面目なみさきちが、どうして高校入って1年で養成所受けたの?

   あっ、それまでの反動でグレた?」


美咲「別にグレてないですよ。ただ、友達が誘ってくれたんです」


エマ「付き合いで受けたら受かっちゃったパターン?」


美咲「いや、その逆で…」


エマ「逆? って事は、友達が付き合ってくれたって事?」


美咲「そうですね。彼女は中3の時に、隣の席だった子で。

   私が『声優になりたい』って事を話してた、唯一の友達だったんですよ」


エマ「あぁ、その彼女が試験に誘ってくれた…と」


美咲「はい。このまま周りの期待に応えていく事に、私が悩んでたのを、彼女は気付いてたんでしょうね。

   『私に付き合って、一緒に養成所の試験を受けてくれない?』って。

   彼女自身、アニメの話はしてたけど、声優になるつもりなんて、きっと全然無かったのに」


エマ「なるほどね」


美咲「自分から養成所を受ける勇気が無かった私を、そんな風にして引っ張り出してくれたんですよ」


エマ「…ふっ…」


美咲「養成所に合格した後も、私はなかなか踏ん切りが付かなかくて。

   でも彼女は『やらずに諦めるより、やって諦めようよ』って言ってくれて…」


エマ「…ふぇ…」


美咲「彼女が居てくれたから、私は声優になれたようなもので。

   それなのに私は彼女に、ホントいっぱい迷惑かけ…」


エマ「ぶぇーっくしょいっ!!しょい!しょい!」


美咲「……」


エマ「ゴメン、我慢できなかったわ」


美咲「ねぇ?なんで、そこでくしゃみ!?プロの声優が、どうしてそのタイミングでくしゃみ!?」


エマ「いや、ホントにゴメンって!ね、ほら、続けて良いからさ」


美咲「あぁぁぁぁぁ!!もう良いです!!この話は終わり!!はい、次っ!!!」




■パート6


エマ「それじゃ『青春心理研 連絡帳』いってみようか!」


美咲「このコーナーは、いわゆる『普通のお便り』です。じゃあ早速1つ目のメールです」


エマ「おっけー!よろしくー!」


美咲「えーっと、部員ネーム…『みさきちの腋ペロ』さんからです。

   『みさきち、エマさん、こんにちは!』 こんにちはー」


エマ「こんちゃーっす!」


美咲「『アニメの放送スタート、おめでとうございます!』 ありがとうございますっ!」


エマ「あざまーっす!」


美咲「『第1話を見終わって、とても面白かったので、その勢いでメールします!

   みさきちの稲葉茜ちゃん、ホントに可愛くて、可愛くて、可愛くて、可愛くて…

   ヨダレを垂らしながら見ていました!』」


エマ「おい、汚ねーな」


美咲「『それにしてもエマさんは、ラジオと役だと全然雰囲気が違うんですね!ラジオの…』

   えーっと『ラジオの、ぶっ壊れた…エマさんばかり聞いていたので、アニメの放送を見て…』

   その『非常に…違和感?を感じました。お願いですからラジオも、まほろでやってくだ…』」


エマ「うっせーよ!!違和感で悪かったな!」

美咲「いや、その悪いとは」


エマ「そういう役なんだからしかたねーだろ!

   ラジオは素じゃなきゃ出来ねーんだよ!ラジオはラジオ!役は役!分かったか!!

   はい、次っ!」


美咲「そ、それじゃあ2通目のメールです」


エマ「おう、来いや!」


美咲「続いては…『みさラブ信者』さんからのメールです」


エマ「あぁ、そうか」


美咲「『みさきちさん、エマさん、アニメスタートおめでとうございます!1話、しっかり見ましたよー』

   ありがとうございまーす!」


エマ「はい、どーも」


美咲「『もちろんラジオも毎回楽しく聞いてます!』 わぁ、嬉しいですねぇ」


エマ「そりゃラジオ聞いてなきゃ、ここにメールしてこねーだろ」


美咲「『先日、みさきちさんのブログを見たら、ラジオ収録後の写真が載っていました』

   あ、ブログも見てくれてるんですね!ありがとうございます」


エマ「そんな写真も載せてんのかよ?」


美咲「はい!初ラジオ記念に…と思って」


エマ「なるほどねー で、何だって?」


美咲「あ、続けます。『あの写真の服って、ラジオでエマさんがダメ出ししてた服ですよね?』」


エマ「あー!あの国旗のヤツね!あれは酷かった!」


美咲「えー!酷くなかったですよ!」


エマ「はいはい。 ほら読めって」


美咲「はーい…

   えっと『実は、あのワンピースを私も持っているのですが、そんなにダメでしたか?

   とても気に入ってて、周りの友達も良いねって言ってくれるのですが、そんなにダメですか?

   そんなにダサいですか?改めて、ちゃんと応えて下さい!』だそうです」


エマ「あー… なんて言うかさ、良いんじゃね?うん、本人が気にいってるなら。うん」


グー「エマさーん!歯切れ悪いっすねー!どうしたんすかー?」


エマ「うっせーよ、グーリー!お前がメール選んだんだろ!この私イジメみたいの止めろよ!!」


グー「いや、まだまだメールあるから」


エマ「えー!!まだあるのかよ!? あぁぁぁぁ!もう帰りてぇ!!」




■シーン7


美咲「それでは7通目。えーっと、これが最後のお頼りです」


エマ「はぁ、やっと最後か。マジ、血ぃ吐きそう」


美咲「それでは…」


グー「あ!ソレはエマが読んで!」


エマ「はぁ!?私?何、今度はそういうイジメ?」


グー「良いから黙って読めって!」


エマ「はいはい、分かりましたよ」


美咲「じゃあ、お願いします」


エマ「あー、『3年C組23番のお隣』さんから頂きました」


美咲「ありがとうございます!」


エマ「ありがとう!

   えーっと『堀田さん、桐谷さん、こんにちは』 はい、こんにちは」


美咲「こんにちは!」


エマ「『わたマジのアニメ、放送おめでとうございます。

   アニメを見ていて、ふと自分の学生時代を思い出したのでメールします』 ほうほう」


美咲「なんでしょうね?」


エマ「『私の親友は、幼い頃からある夢を持っていました。

   しかし真面目で成績が良く、周囲からの期待も高かった彼女は、

   なかなかその夢を追い掛ける勇気を持てずに居た様に、私には見えました。

   しかし、私やクラスメイトが、漠然と良い学校に進学する事しか考えてない中で、

   夢を持っている彼女は、とても眩しいモノでした。

   だから、彼女が夢を諦めかけてるのを知った時、

   私は何とかチャレンジして欲しいと思い、おせっかいを焼いてしまいました。

   今思えば、しっかりした夢の無かった私にとって、

   彼女を応援する事で、自分を満足させようとしたんだと思います。

   結果、彼女は夢への扉を開いて、今はその分野で頑張っています。

   最近はプロジェクトで重要なポジションも任されて、私達がノンビリ大学生をしている時に、

   プロとして活躍する彼女を、私は尊敬しています。

   時々、電話で愚痴を言いに来ることすら、うらやましく思っています。

   もっとも彼女は、私に迷惑ばかり掛けてると思ってそうですが。

   今回、夢を探して頑張る茜ちゃんを見て、彼女の事と重なったのでメールさせて頂きました。

   彼女には、今度地元に帰ってきたら、

   ちゃんと「応援してるよ、私も負けないからね」って伝えようと思います。

   わたマジこれからも楽しみにしています。お体に気をつけて頑張ってください』

   だってさー」


美咲「…ありがとうござい…ます」


エマ「おう!これからも頑張るから、アニメも楽しみにしててなー」


美咲「……」


エマ「……」


美咲「……」


エマ「さぁ、時間も無いから次に進みますか」




■シーン8


エマ「と言う訳で、今週はココまで!!」


美咲「……」


エマ「お伝えした様に、公開録音イベントは今週で受付終了です。

   なので、まだ応募してない方は急いでお願いしまーす!」


美咲「……」


エマ「おい!みさきち!」


美咲「あ、はい。応募、お待ちしてます」


エマ「……。

   それでは、また来週~!さよーならー!」


美咲「さようなら」



グー「はい、2人ともお疲れさーん!」


エマ「おつかれー!!」


美咲「…お疲れ様です」


グー「この後さ、公開録音の事で打ち合わせあるから、ちょーっとだけ時間ちょうだい!」


エマ「良いよー」


美咲「はい」


グー「じゃあ、資料コピってくるんで、ちょっと待っててもらえる?」


エマ「あいあーい」


美咲「……」



エマ「ふぅ」


美咲「……」


エマ「そう言えばさ!」


美咲「……」


エマ「出席番号とかあったよねー」


美咲「……」


エマ「ほら、さっきのメール!最後の!」


美咲「あっ」


エマ「中学の頃って何番だったかなぁ」


美咲「……」


エマ「中1の時がB組11…いや12番で、2年がC組14番で、3年がB組の9番かな?

   いやぁ、意外と覚えてるもんだねぇ」


美咲「……」


エマ「みさきちは?出席番号?」


美咲「えっ?」


エマ「3年の時くらい覚えてんだろ?たかだか4年前だし」


美咲「えっと…」


エマ「ほら!早く!何組!?」


美咲「C…です」


エマ「何番!?」


美咲「にじゅう…さん番…」


エマ「……」


美咲「……」


エマ「ふーん…なんだ、ちゃんと覚えてんじゃん」


美咲「……」



エマ「良かったね」


美咲「えっ?」


エマ「迷惑なんかじゃ無いってさ」


美咲「あっ、はい」


エマ「休み取れたら、ちゃんと会いに行けよ」


美咲「行きます…」


エマ「わたマジ、良い作品にしような」


美咲「頑張ります…」


エマ「あとさ、私のくしゃみ、なかなか良い演技だったろ?」


美咲「えっ?演技!?えぇぇぇぇ!!!

   じゃあ、あれって!あれって!!」


エマ「いやぁ、みさきちの話が思った以上に確信突くから、姉さんアドリブ必死だったよ~

   グーリーなんか、あれ内心ドキドキだぜ!」


美咲「って事は?あの!その!

   あの学生時代のネタも、メール来てるのも、エマさんが読むのも、全部…」


エマ「まーねー! 朝っぱらからグーリーに呼び出されて、みさきち来る直前まで打合せよ!」


美咲「え?そんな事してたんですか?」


エマ「まずは話の流れで、軽くジャブ入れて聞き出してさ。

   メールがみさきちの事だって裏が取れたら、放送で読んじゃおうぜーみたいな?

   もう、そのお陰で昼飯も抜きだったんだからー」


美咲「あっ、だから、カツサンド」


エマ「そうゆうことー」


美咲「あぁぁぁぁ…なんか、なんか…

   あぁぁぁぁぁぁ!!もうバカ!私のバカ!エマさんのバカ!グーリーさんのバカ!

   カツサンドのバカやろー!!!」(一旦、打ち崩されて、その後絶叫)



第2話 了


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