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011.あえて言おう


 この国は昼夜の温度差が激しい。いくら暖かい格好をしていても夜中、それも高い場所にいると強風が吹き、より寒さが増す。


 人目のない夜中、温かい格好で、窓枠などを伝って下りるまでは良かった。でも、この凍てつくような風とお尻の穴から入る冷気は予想外だ。



 「さぁ~~~ぶぅ~~い゛~!!」



 耐えきれない寒さに、歯はガチガチ鳴り、顔や手足など体の感覚がなくなってきている。ちなみに尻尾は丸くなって体に張り付いていて、耳は風でダ●ボのように羽ばたいている。この耳に飛べる機能が内蔵されるのをキボンヌ。



 自分の部屋からは結構遠ざかったと思うが、良い屋根が見つからず下に降りれなくて、ずっと横に移動してきた。そろそろ疲れたので休憩が欲しいと思うのは逃亡中のくせに生意気だろうか。



 ビューっと吹く横風に、寒いを通り越して痛い。その時、暗闇の奥ににバルコニーが視界に見えた。やっと休憩ができると、バルコニーに降りようとしたら手足に上手く力が入らない。ヤバい、と思った時には、私の足はカクンッと足場を踏み外していた。




        ドンッ!!!




 落ちた、受験に。間違った、バルコニーに落ちた。つい受験生に言ったら笑えない冗談が出てしまった。お尻から思いっきり。お尻の骨が折れたと思う様な痛みだ。数分の間、私は痛さのあまりバルコニーでうずくまり「ひっひっふーっ」とラマーズ法してみる。



  「おめでとう、元気な男の子ですよ!!」



 無駄にそんな事を言って、立ち上がると 目が合った。カーテンの隙間から、こちらを見ていた男の子と。・・・・い、いつから見ていたのだろか。出来れば、お尻をさすっていた辺りは見ていないと良いな、と願わずにはいられない程の可愛らしい男の子だった。

 

 目はくりっと大きく、唇もぷっくら桃色、髪はふんわりとした金髪の色白な男の子。あらやだ、私の元に間違って天使が来ちゃってますよ神様。歳は13歳ぐらいだろうか。カーテンの端を握って、こちらを伺う姿は愛らしい。爪の垢をぜひ煎じて飲ませてほしいぐらいだ。私にも可愛さを分けたまへ。



  「…キミは、獣人なの?」



 男の子は窓を少し開けて、尋ねてきた。鈴が転がる様な声…ではなくて、意外とダンディーな声だった。お姉さん、声変わりの前に君と会いたかったな。

 皆が言う獣人ってイマイチ分からないが、私の事を皆そう呼ぶので、多分そうなのだろう。耳と尻尾が生えているこの世界の種族か何かかな…見たことないけど。




   「たぶん、そうかな。」


    「へぇ…。」



 男の子は、私を観察するように上から下まで見た後に、興味なさそうに呟いた。獣人と聞いて、土下座や尊敬の眼差しを向けられたり、王様のように変態の対象に見られたり様々だったが、この子の反応は今までの誰にも当てはまらない。少し興味がわく。




 「寒いし、窓しめておいてね。」



 そう言って、窓から離れて部屋に入って行く男の子。これはサッサと何処かに行けよなのか、中に入って温まって行きなよなのか、悩む言葉だ。後者の方が私の都合として良いので、そのように受け止めて部屋にお邪魔さてもらうことにした。私が自己中だって?知ってる。




  『本当に厚かましい子だねぇ~』



 何か他の音と混ざった様な独特の声が聴こえた。それも内容は私の悪口。声の主を探そうと部屋全体を見渡すと、蝋燭が灯っているこの部屋は不気味なことに気付いた。絨毯も壁もカーテンも、家具が全体的に黒色なのだ。それも、実験でもしているのか、変な葉っぱや毒々しい色の液体、模様などか書かれた本が散乱している。一言感想を言うならば、呪われそうだ。



なんて、思ってたら目の前にカラスが降りてきた。


 『私も見つけられないなんて、ドジな子だよぅ~』


 そして、目の前のカラスが喋った。こんな耳や尻尾をつけて、お城にいる私が言えないけどあえて言おう、ファンタジーだと!


 

 更新遅れてすみません(;´・ω・)

読んでいただいてありがとうございます*.

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