A-13 絵本
*銀の獣と星の丘
あるところに きんのかみの おんなのこと ぎんいろの ケモノが いました
おんなのこと ケモノは とても なかよしで
ちいさなころから ずっと ずっと いっしょです
もうひとりの おとなの ともだちと いっしょに
まいにち あそんで ほんをよんで くらしていました
おんなのこは とおくさきの みらいが みえて
ケモノは すこしさきの みらいが わかって
おとなは おもいでを かきかえる
ふしぎな ちからを もった さんにん
みんなで なかよく おしろで くらしていました
おんなのこが じゅうよんかいめの たんじょうびを おいわいしたひ
おとうさんである おうさまは いいました
おまえが じゅうごさいに なるまえに
やらなけらば いけない 「ぎしき」が ある
きっと おまえの ともだちとは にどと あえなくなる
すまない わたしの かわいいこ
おんなのこは おどろきません
だって はじめから しっていたから
みらいが わかるこが ひつぎで ねむれば
みんな みんな しあわせで くらせるのです
それは とても よいことだと わかっています
でも すこし さみしい
おんなのこは にどと あえなくなる ともだちを おもって
かなしく さみしく おもいます
そのすがたを かげから ケモノは みていました
ケモノは おおさまの ところへ いって いいました
わたしが ひつぎで ねむりましょう
おおさまは おどろいて かなしんで
でも たいせつな むすめが ねむらなくて いいのだと
すこし すこし うれしくなって
ごめんね つらい おもいを させるよ
いいえ あのこの ためですもの
ケモノは ほこらしげに わらいました
それから たいようがのぼって しずんでを くりかえし
「ぎしき」のひ ひつぎへ むかう ケモノのすがたを
おんなのこは ひどく おどろいたかおで みます
やめて やめてください
わたしの ともだちを
どうか つれていかないで
なんだって しますから おねがい
ケモノは くるりと ふりかえり
あいして います わたしの ともだち
たった ひとりの わたしの おひめさま
にっこり ほほえんで にじの ひつぎに きえました
おんなのこは なきました
ないて ないて うみが できそうなほど ないて
にじの ひつぎの そばから はなれません
ずっと みていた もうひとりの ともだちは いいました
あのこは あなたが ひつぎで ひとりぼっちに なることを
こころから しんぱいして かわりに なりたいと
あなたの こころを まもりたいと ねがって いました
あなたが しあわせに いることが あのこの ねがい
おねがいします おひめさま
あのこの ねがいを かなえて ください
おんなのこは なきやんで わらいました
ああ あのこの ねがいなら かなえないとね
ケモノは めがさめると ほしが ふる おかに いました
ここは どこだろうと おもいましたが すこし かんがえて
あの にじの ひつぎの なかなのだと おもい
こんなに きれいな ばしょなのかと ケモノは ひどく おどろきました
しばらく はしりまわっても ケモノのほかに だれも いません
はなも さいていない しばふを かけまわりました
とうとう ケモノは ここには じぶんいがい いないのだと きがつきました
あなたの ためなら なんだって できましょう
じゅうねん ひゃくねん せんねん まんねん
この ひとりで いる さみしさにも たえて みせましょう
それでも いまは すこしだけ
ほめて あたまを なでて ほしいなと おもうのです
むらさきの そらに ながれ まるをえがく
おんなのこと おなじ きんいろの ほしぼしを みながら
ぎんいろの ケモノは すこしだけ ほほえみました




