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罰ゲームで黒髪清楚な高嶺の花に告白した僕は、百合だったカノジョに女装させられて秘密の関係になった。  作者: きたみ詩亜


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㊷ endroll. 五角形。もしくはベツの未来。

 12月20日、火曜日。

 昨日、和奏と凛が仲直りし、ホッと一息ついた早朝。

 寒い手をポケットで温めつつ。通学路を進んでいると、前方から背の小さな女子が歩いてくる。


「「あ、」」


 僕と彼女の声がハモる。

 凛だった。


「朝っぱらから、殿村と会うとか最悪……」

「凛は、和奏と待ち合わせとかしないの?」

「路線も違うし、以前に待ち合わせしてたら遅刻しちゃったから……」


 ウルフカットの毛先をいじりながら愚痴る。


「……てかなんで殿村があたしのこと下の名前で呼んでるワケ? キモいんだけど」

「和奏が呼んでるからつい……」

「ハッ、うざ。……まぁいいわ。あたしもあんたのこと下の名前で呼ぶから……。優くん」

「くんづけ?」

「呼び捨てにしてほしいの? ちょっと和奏とシたからって生意気……って、……あ」

 

 言いながら、みるみる顔が真っ赤に染まる。


「優くんってまさか、和奏のアソコ、見たの……?」

「まあ、何度か……」

「——ッッ!

 あ、あたしですら見せてもらったことないのに!

 ひ、ひとりでスる時、

 想像するだけなのに……っっ!!」

「⋯⋯なに言ってるの?」

「なんも言ってねーし!! 死ねっっ!」


 尻に蹴りを入れられる。スカートがめくれて凛のパンツが見えた。


 ——パンチが頬に飛んできた。


◆◆◆◆


 途中で和奏も一緒になり、凛と3人で通学路を歩く。

 僕に近付いた和奏が耳打ちしてくる。


「顔赤いけど、凛と何話してたの?」

「……まぁ世間話ってやつ」

「口は悪いけどいい子だから仲良くしてあげてね?」

「仲良く……」

「……変な意味じゃないから。凛に手出したら、優でも許さないからね」


 凛のほうを見ると、少しぶっきらぼうな顔で、前を向いてまっすぐ歩いていた。


◆◆◆◆


 十字路に差し掛かると、男女ふたり組と遭遇した。


「おっ、優。おはーー」

「おはよう。和奏、凛、殿村くん」


 航汰と恩田麻音が手を繋いでやって来る。

 ふたりは少し前から付き合いはじめたらしい。


 ——和奏と凛、そして僕の関係を心配した恩田が、航汰に相談して連絡を取りはじめたのがきっかけだとか。

 航汰が色々と探りを入れてきたり、恩田が、僕が和奏に告白したのを知っていたのはそれが理由らしい。

 ただ、航汰が独断で僕にゴムを渡したり、和奏との仲を応援をしていたのを知ったのは、凛と和奏の仲違い直後だったようだ。恩田はそれを知り、航汰の頬を思い切り平手打ちしたとのこと。怖……。


 ふたりが僕に近づいてきて、和奏に聞かれないようにと、列から離される。


「殿村くん、和奏と凛を仲直りさせてくれて、ありがとう」

「いや、もとはと言えば、僕が蒔いた種だしね……」

「そりゃそうだ。お前が亜桜和奏という巨乳美人に子種を植え付けていたのがキッカケ——、

 

 ————フゴッ?!」


 頭に、恩田の手刀を食らった航汰。

 しゃがみこんで頭を押さえている。


「ごめんなさいね、殿村くん……、

 航汰って成績以外は馬鹿みたいで、ね」

「……いや、まさにそのとおりなんだけど……」


 フラフラと立ち上がる航汰。


「……まあ、俺も毎日、麻音とヤりまくってるから、優のことだけ悪くは言えないけどな……。

 麻音って、胸のサイズは亜桜と比べたら小さいけど、結構触り心地いいんだぜ? 

 久しぶりにヤッたらしいから、アソコの締まりもいいし、しかも、初めてシた時は、麻音のほうから誘ってきたんだぜ? ヤッてるあいだじゅう、ケモノみたいに叫ぶんだもんなぁ。ソノ時の声ときたら、もう、麻音のあ——、


 ————ブギャャャァァァアァ!!!」


 両目を潰され、のたうち回る航汰。

 流石に、自業自得だろう……。


 しかし、恩田——いや、麻音は航汰へと、手を差し伸べる。頼りなく麻音の手を取り、立ち上がる航汰。


「すまない……」

「いえ……、航汰も言葉には気をつけてよね?」


 そんなふたりを見る僕。


 美人委員長にインテリイケメン……。


 ——なかなかお似合いの『バカップル』だろう。


 和奏、航汰、麻音、凛、そして僕。

 僕らは5人、狭い歩道を一直線に進む。


 学校の門を通り抜ける。

 歩道のしがらみから解き放たれた僕たち5人は、一直線のラインから、すこしいびつな五角形へと形を変える。頂点には凛の姿。


 凛の背後を歩く僕たち——僕、殿村優と、亜桜和奏のふたり。僕は、彼女の手が離れないようしっかりと握った。



 これから先、もし、凛に和奏以外で恋人が出来たら、この輪が六角形になるのかもしれない。


 ——いや、六角形だと、中央を歩くふたりは距離が離れ過ぎるのでは……?


 そんな他愛もないことを考えつつ、すぐ横にいる彼女とのおしゃべりに興じながら、昇降口へと足を踏み入れた。


 end.

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