㊵ 用具倉庫。満ちるカノジョの溢れる想い。『……すっごくキモチいいよぉ……!!』
気遣わしげな表情の恩田。
彼女に、廊下の隅へと連れて行かれる。
「——凛と和奏、そしてあたしの3人は一緒の中学だったの。当時の凛、水泳のことで今より、かなりナイーブでね……。
……彼女が出場した春の大会で、佐渡っていう同学年の選手に接戦の末、惜しくもやぶれた。
全国大会へのチケットを逃して、泣きくずれてしまった凛に、和奏も寄り添って、一緒になって泣いちゃってね……。それがきっかけでふたりは急速に仲良くなったの。
普段はピリピリしている凛が、和奏の前だけでは表情が軟化して……。
凛、和奏以上に周りにツンツンしちゃうから……。
……あの子、和奏なしじゃ、生きていけないのよ……!」
「……でも、僕ももう、和奏がいないと生きていけないんだ……」
「そう……ならちゃんと、ケジメはつけてね……?」
「……分かった、約束する」
◆◆◆◆
校舎裏。
和奏とふたり、凛とのことについて話し合う。
すると、そこに誰かが通りかかった。
「おー、殿村、亜桜。ちょうどいいところに」
担任だ。
——時間がないってのに、いったいなんだろうか……、
「ふたりとも暇なら、これ用具倉庫に持って行ってくれ。鍵は開いてるから」
有無を言わさず、いくつか荷物を渡される。
そのまま行ってしまう。
和奏と僕は顔を見合わせた。
「——行くしかないわね……」
◇◆◇◆
用具倉庫に入ると中は薄暗く、周りがよく見えない。
うす暗い中、荷物の置き場を探す。
「ここじゃないかしら……?」
「ん……? 和奏、なにか聞こえない……?」
耳を澄ます。
「…………ッ、……………………ッ」
跳び箱のあるあたりから聞こえてくる。
静かにそちらへと移動する。
跳び箱の陰をそーっと見ると、誰かがいる。
和奏が、僕の肩に手をかけて覗きこんだ。
——誰かが跳び箱の陰にうずくまっている。
黒セーラー服に身を包んだ、小柄な身体。
首元の赤いリボンがだらしなくゆるんでいる。
その足元に転がる、脱ぎ捨てられた、
小さなリボンのついたショーツ。
まくり上げられたスカート。
体育座りで左右に大きく広げられた両足。
その下から露わになる、
綺麗に整えられたVライン、
むき出しになったアソコ。
彼女は、セーラー服の下から手を入れ、自身のわずかな膨らみを揉んでいる。
はぁぁー……と、淡い喘ぎを漏らした。
彼女の目の前には、発光する液晶タブレットが置かれていた。誰かが写っている。
——水着姿の和奏の写真……?
「ハッ、ハァ……ッ、わ、和奏ぁ〜〜……、!
アッ……、和奏、すっごいキレイ……っ、
……すっごくキモチいいよぉ……!!」
……身を捩らせ、ウルフカットの頭を跳ね上げる。
——凛だった。
凛が和奏の水着写真を見ながら、あられもない姿をさらして、自らを慰めている……。
僕たちが見ているのにも気付かず、耽りつづける凛……。
和奏が、ゴクリと唾を呑み込む。
僕の肩に手を掛けたまま身を乗り出す。
「あっ……!」
思わずバランスを崩してしまう僕。
和奏もろとも凛の目の前に転がった。
突如、現れた僕たちを見て、目を白黒させる凛。
「えっ!? わっ、和奏……、に、殿村……っっ?! な、なんでこんなところに……って、あ……!」
凛が自身の下半身に目を落とす。
男の僕に向かって、剥き出しの赤い割れ目をさらしていることに気が付いた。
「みっ、見ないで……っっ!」
顔を真っ赤にする凛。
しかし、突如、凛はオーバーヒートしたかのようにそのまま固まった。
◇◆◇◆




