黒衣の魔女は夜に輝く
冬童話2026
全てが凍りつく世界
冬の夜空には、美しい魔女が現れ、見る者を魅了する舞を踊ると伝えられている。
それは、冬の訪れと終わり、2度だけ見ることができる。
その魔女が何処から来て、何の目的で舞うのかは、誰も知らないー…。
今年の冬も、また例年と変わることなく、魔女が現れるだろう。
✳️✳️✳️
「さあ、今宵は冬の始まりの舞を踊りましょう。冬の精霊、私と共に楽しみましょう」
秋が終わり、森の動物達が安心して眠ることができるように、黒衣の魔女は冬の精霊を呼びだし舞を踊る。
魔女の舞が精霊を目覚めさせ、雪を降らせ、気温を下げ、静寂をもたらすのだ。春が来るまでの森の休息時間ー…。
魔女が高らかに精霊を呼ぶと、夜の冷たい空気から、きらきらと氷の粒が現れた。そしてそれはくるくると小さな竜巻をおこしてゆく。冬の精霊の訪れだ。
竜巻の中から、アイスブルーの瞳の容姿の整った青年が姿を見せた。襟足までの髪も瞳と同じアイスブルーだ。黒衣の魔女を見て、フイと視線をそらした。
「……どーも」
「あらあら、今年の冬の精霊は素敵な王子様ね。無事に冬が来るように、一緒にダンスを踊りましょう」
魔女の差し出した手に精霊が自らの手を重ねると、氷の粒が光と共に辺り一面降り注いだ。
魔女と精霊の背中にアイスブルーの翼が生える。
「このまま世界を冬で覆いましょう。行くわよ。王子様」
きらきらした氷の粒をまき散らし、魔女と精霊は夜空を駆けた。
魔女ときらきらになるかな




