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ヒューマンズエフェクト  作者: 紅い烏
生誕、カサブランカ
5/18

ゼロ歴ゼロ年

次に意識を取り戻したのは0歳、まさに生誕の時だった。


「おぎゃー!」


意識もしっかりある、覚えてきた知識も忘れていない。


ここから第二の人生が始まるんだ!!


…………と思っていたのに。





「おぎゃー!!!」


捨てられたァ!! なんだこの即堕ち二コマはよォ!!


しかし落ち着け、この世界でも大体20歳くらいまでは死なないことが確定している。


だからここで野垂れ死ぬ心配はないので……


「みろ妻よ!赤子が放置されているではないか!」


「まぁ!しかも私たちが欲しかった男の子よ!!」


都合がいいーー!!!



そんなわけで義両親に引き取られた俺は、「ゼロ」と言う名前で新しい生を受けた。


そして……




――――ゼロ歴7年、2の月。


「お父様、お母様、出かけてまいります。」


俺が拾われた家庭は貴族や上流階級という訳ではないが、決して生活に不自由することのない家庭。


家族構成は父母に3人の姉、そして末っ子の俺という6人だ。


男の子に恵まれなかった家庭故、俺の存在は大層持てはやされ、特に不自由がない生活を送らせてもらった。


三人の姉に関してはまた後日紹介するとして、俺の現在について語ろう。





「よし、魔力も安定してるな」


家を出た俺は近くの山で日課の修行をしていた。


まず一番心配していた魔力だが、思っていた以上に汎用性の高い代物だった。


危惧していた「身体に纏って身体能力を強化する」使い方は勿論「波動の様に放つ」使い方もできる。


どちらの使い方も練度を上げるとどういった原理かは不明だが炎や水と言った属性を付与できるみたいだ。


ちなみに魔力は使えば使う程に成長する、と知ったその日から毎日酷使し続けたおかげで中々に成長してきた。


そして魔法に関して一番語りたいのが、現在研究中の魔法だ。


偶然拾った書物に記されていた恐ろしい魔術、「血の魔術」。


この魔術は…… っと。



「オイ見ろよ、ガキが居るぜ!」


「コイツはちょうどいい、とっ捕まえて売っぱらっちまおうぜ!!」


コイツラは町からちょっとだけ離れたこの山に良く出没する人さらい集団だ。


数は5人だが、武器や筋肉の付き方を見るに恐らく一般人よりちょっと強いくらいの相手だろう。


しかしいつかはこういう奴らでレベリングしようと思ってたんだけど、ちょっと遭遇が速するかな…


「さて、今の実力でどれだけ通用することか…!」


俺は剣を構え、盗賊たちに立ち向かった。





結論から言うと、5対1の割りに結構いい勝負だった。


「ボス!このガキ強いッス!!」


「あぁ、どうやら俺たちは少しだけ油断してたらしい」


ボス、と呼ばれた男は不敵な笑みを浮かべながら続ける。


「しかしお前も分かっているだろう?わずかだが開きつつある「差」って奴をよぉ!」


悔しいがアイツの言う通りだ。


魔力の量や使い方、剣術では劣る所かこっちが勝っているという自負がある。


しかし問題は体力だ。


ただでさえ相手は5人なのに、こっちは7歳児のガキ一人だ。


むしろここまで互角以上の戦いを繰り広げられたことが奇跡だろう。


「俺たちの仲間になれば助けてやる、と言いたいところだがどうせそんなタマじゃねぇよなぁ?」


「誰が盗賊風情の仲間になるかよ!」


「ははは、威勢だけは良い。だからもう一つの選択肢をやる」


そういいながらボスは俺の後ろを指さした。


「今すぐ逃げかえれば命だけは助けてやるぜ?」



確かに今逃げる選択を取るなら地形的にも理があり、逃げ切れる自信がある。


幾ら20歳前後まで死なないとはいえ、盗賊に捕まって奴隷として売られるのは余りにもリスクが大きい。


「合理的に判断するなら、逃げが最善だが…」


俺は握ってる剣をチラリ、と見た。



俺の持論だが剣なんて合理性の欠片もない。


戦いを有利に進めたいならリーチの長い槍や弓、魔力防御の上からでも衝撃でダメージを与えられるメイスとかの方が絶対に良い。


筋力何て魔力で補えるのだから取り回しの良いことが利点くらいの剣なんて選ぶ理由はない。


そんな俺が剣を握ってる理由なんてたった一つ。


()()()()()()()()



「盗賊から逃げるなんてかっこ悪い選択、勇者が取るわけないだろ?」


「どこまで行っても狂人か、面白いじゃねぇか!」



どうやら血の魔術、使わざるを得ないようだな…

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