にじゅうの余命宣告
「貴方は20歳で死にます。」
いきなり余命宣告された俺、白波零児はごく一般的な15歳高校生男子。
そこは良いんだが、問題は一方的に宣言してきたこの女。
「いきなり出てきて、貴方は誰なんですか?」
「私は女神です!」
しまった、この女発病してる奴だ、中の二の病を。
「と思いましたね?疑うならまずは周りを見てください。」
言われるがままに周りを見渡し、初めてあることに気付いた。
そう、何もないのだ。
「ここはあなたの夢の中で、私はそこに介入してきた女神という訳です!」
「にわかには信じがたいなぁ」
当たり前だ。百歩譲ってコレが夢だとして、夢でいきなり出てきた女が「女神です!」って言って信じる奴がどこにいる。
「分かりました、では明日テレビを見てください。そこに出てくるニュースを予言して差し上げましょう!」
朝、目が覚めた。
ふしぎな夢を見ていた。
何よりも一番不思議なのは、その夢を鮮明に覚えていたことだ。
ニュースでは凶悪犯が逮捕されたニュースが報道されていた。
「そろそろ信じる気にはなりましたか?」
あれから2度3度と同じ夢を見て、そのたびに予言を的中してきた。
「流石にそろそろ信じざるを得ないですね…」
彼女のことを信じるということはすなわち、自分の寿命が後5年と言うことを認めるということだ。
「ちなみに来世の寿命も20年ですね」
「衝撃のカミングアウト!!」
来世も20歳までとかいきなり聞かされても困る。
「で、僕に何をさせようって言うんですか?」
「よくぞ聞いてくれました!ずばり、運命を変えたくはありませんか?」
「あ、宗教なら間に合ってるんで」
「神様が布教なんて嫌すぎません?」
怪しい宗教かと思ったけどコイツ一応神様なんだよなぁ…
「コホン、話を戻します。あなたは「バタフライエフェクト」というものを御存じですか?」
「アレですよね、蝶の羽ばたき一つで世界の裏ではとんでもないことが起こる運命になる、的な現象の奴」
「あれ思うんですけど、蝶の羽ばたき一つでそんなこと起こる訳ないと思うんですよねぇ」
いやそれは例え話であって実際に蝶が羽ばたくだけで災害が起こるならもうこの世界は滅んでると思うぞ。
「運命を変えるには途方もないエネルギーが必要で、それは蝶々一匹が羽ばいた程度のエネルギーでは何億年と経っても無理な話なんですよね」
「……結局何が言いたいんですか?」
「来世20年の寿命、変えたくはありませんか?」
そんなの、NOと言えるわけがなかった。
「…一体何をすればいいんですか?」
「貴方が来世産まれる世界は残り20年で滅びる定めとなっています。その運命を貴方に変えて欲しいのです。」
「運命は蝶の羽ばたき程度で変わることはありませんが、人間が20年も費やせば運命を変えられると思いませんか?」
どうやらこの女神は人をやる気にさせるのが得意らしい。宗教勧誘とかしたら上手く行くんじゃないかな。
「で、具体的に運命を変えるために僕は何をすればいいんですかね?」
「この世界ではラノベで異世界転生が流行りじゃないですか。チート能力は上げられませんが今の知識をそのまま引き継いで何とかしてください。」
「つまり現世で滅茶苦茶勉強して来世で頑張れよ、ってコトですかね」
「まぁ大雑把に言えば」
すげぇ。つまり現世はもう丸投げ、諦めてくれって言ってるのと同義だ。
「今からどう頑張ったところで現世の運命は変えられないですからねぇ。」
諦めって肝心なんだなぁ。
「分かりました。どうせ断っても仕方がないので運命を変える勇者になってやりますよ」
「契約成立、ですね!」
こうして、世にも不思議な「来世の為に頑張る5年」が幕を開けたのであった。
初描きです!至らない所だらけですが温かい目で見守ってくれたら幸いです!
あとついでに評価もしてくれると大変うれしいです!!




