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家がダンジョンだらけ  作者: クラノ恩樹
第1章 はじまりのダンジョン
9/28

(ボス戦)俺とモグラ VS 軍隊ミミズ

『憎くき蛇から救っていただいてありがとうございました!お礼に仲間を連れてきました!』


『父です。息子がお世話になったようで』


『うちの長男がお手数をおかけしまして…あ、この子の母です~』


『お兄ちゃんを助けてくれてありがとう!」


『私はいとこです』


『俺の友達を助けてくれたんだってな!』


『俺の親父……あの蛇に食われたんだ!仇を取ってくれてありがとう!」


etc……





言葉が分かるわけではなく相変わらずスンスンしかしてるばかりなのだが、俺の前にキレイに整列して一匹ずつお辞儀していくモグラ共を見ていると、脳内でこんな会話を思い浮かべてしまう。


「…で、お前ら何で来たの?」


俺を集団で襲いに来たわけではないらしいことは分かる。


「スンスンスンスン!」


…聞いた俺がバカだった。


モグラ共には俺の言葉が伝わっているようだが、モグラはスンスンするばかり。

一方通行では意思の疎通が図れたとは言えない。


「ん?」


一匹のモグラが前に出て、首と尻を激しく振る。


「スンー!」


「「「スンー!!!」」」


掛け声だったのだろうか?

スンーをきっかけにモグラ共が一斉にミミズに向かっていく。



そして―。



ズルズルズルズル…


チュポンッ



うわ…。

モグラがミミズを蕎麦を啜るように踊り食いし出したぞ。

絵面がエグイ。


だが、おかげでミミズ共が見る見るうちにその数を減らしていく。


「これもWINWINの関係というやつなのか?」


俺としてはミミズが減る。

モグラとしては腹が膨れる。



…深く考えるのはよそう。



あっ、まだ途中なのに一斉に壁に向かって動き出して………………排便か。

消化早すぎないか?


食っては出して、出しては食って。


何度かそれを繰り返して、ついに彼らにとっての食事が終わりを告げた。



「「「「「スンー!!!!」」」」


「いやいやこちらこそありがとう」


人間とモグラのお礼の応酬。


変なのはわかっているが、礼儀知らずは恥知らず。

相手がたとえモグラでも施しにはきちんと謝意を述べるのだ。


さてさて。


ミミズが一匹もいなくなったその後には看板が立っていた。




"ツルハシで水源を掘り当てよう!

 ※力が18以上ないと進めません!"



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