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第52話 神子はエイルの意外な趣味を垣間見る。

楽しんでもらえれば嬉しいです。


 この物語はフィクションです。

 登場する人物、団体、名称は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。

「あの、お願いがあるですが・・・。」

「なんだよ改まって。」

「テマルの部屋ってまだあります?」

「なんだよ急に。そのままにしてるぞ。」

「入ってもいい?」


 チユは凄い。こんな繊細な話を臆する事なくズバズバと踏み込んで行く。


 エイルの顔が驚いたり困ったり、悲しくなったり・・・チユの一言で七変化してるぞ。

 きっと心境は複雑だ。


「あのな。享年9歳とはいえ、女の子の部屋だからな。」

「わ・・・・・・。」


 ーーーーチユ!!私も女の子ですなんて言うもんじゃない!!ややこしくなる!!エイルが頭悩ませて2、3日寝込んでしまう!!


 俺のストップを掛けるのが間に合った。でもチユがフリーズしている。それにエイルが首を傾げた。


「・・・わ?」

「わ、わかってますよ。ほほほ。」


 口を抑えながら苦笑い・・・。


「なんだそのキャラは?」

「ま、まあ・・・」

「というか訳を聞いても?」

「確かめたい事があるんです。」


 また・・・エイルの顔が七変化。


「親友の頼みだ。聞かない訳でもないが・・・。アマタ。最近変だぞ。」

「うん。そうだよね。」

「自覚ありかよ。落ち着いたら、全て話して貰うからな。」


 エイルは俺たちに深く事情も聞く事はなかった。本人に思うところは一杯あるだろうな。聞かないでくれるのはエイルの優しさだ。


 テマルの部屋に案内して貰う。

 俺もこの部屋に入るのは8年ぶりか・・・。あの頃と何もかも変わってない。そのままだ。

 勉強机の上に、生前のテマルの写真が飾られている。


(わぁ。私にそっくり。)

(そうだな。ずっと前に湖に浮かぶチユの姿を見た時思ったよ。)

(うーん。)

(どうした?チユ。)

(入ったら何か思い出すかと思ったんだけど・・・初めて入る部屋だよ。記憶無しです。)

(そうだよな。もしチユがテマルの転生者ならもっと早くに記憶が戻ってもおかしくないからな。)

(そうなんですか?)

(そういうもんだ。)


 一般的なラノベ基準なら・・・。


(あ・・・)

(チユ、なんか思い出したか!?)


 チユは一点を凝視していた。目が点になっている。というか突然、興奮が伝わってきた。


「えっ!!何これ。続編!?ちょっと待って、これ続き読みたかったんだー!!!」


 チユが漫画に反応した!!凄い食い付きようだ。というか口に出してるし。

 漫画、夢で見たと言ってたな。記憶大ありじゃねぇか!!


 エイルは嬉しそうに反応した。


「アマタ、お前娯楽に一切興味ないと思ったら・・・なかなかマニアックな漫画知ってるじゃねぇか。」

「そうそう。この人、怪我で一時期連載中止してたでしょ!!」

「それ6年前までの話な。」

「え?そうなの!!やばい読みたい!!」

「もう最終巻まで出てるぞ。俺の部屋にあるけど・・・」

「見る!!!」

「お、おう。」


 こうしてみるとチユ・・・こっちの人間だよな。なんて思えてしまう。

 エイルとか部屋の内装とか憶えて無い癖に漫画の内容だけはしっかり憶えているってどう言う事!?

 あれ?いや、憶えているというより・・・夢で読んでたんだっけな?いやでも夢って記憶の整理から来るとも言われてるし・・・やっぱり・・・


 テマルとチユ。転生説が当たってるかどうかは知らないが。密接に関係してるのは間違い無さそうだ。


(アマタイルは何か知ってるか?チユとテマルの関係って。)


<私に聞かれても困りますよ〜。私はマスターと共に異世界で旅してたし、チユ様と出会ったのはつい最近ですよ。テマルンドなら知ってるんじゃないですか?>


(そうだな。)


 そんなやり取りをアマタイルとしていると、チユはエイルの部屋にいた。


(思ってた以上に片付いてる。男の子の部屋って散らかってるもんだと思ったのに。)


 入るや否やチユはそんな反応をした。

 いいところの会社の御曹司とあって、エイルの部屋はなかなか広い。大型のテレビに、ソファー、本棚、勉強机。

 プラモデルの入ったショーケース。小型の冷蔵庫まで。


(ああ。体育会系な体型してるし、乱暴な感じかなって思うけど、結構キッチリした性格だからな。本棚見てみろ。全て巻数通り並んでいて、サイズの違う大判の書籍はあえてそれ用の本棚を買うぐらい徹底してるぞ。)

(几帳面なんだね。)


「本当に読んでいい?」

「ああいいぞ。お前が漫画読むんなら、俺ゲームしてるわ。」


 ソファーにくつろぎ、漫画を読み出すチユ。

 あの・・・俺的に続きから読まれても内容理解出来ないんだけど。


 友達の家に来て、それぞれ別々の事するってどうなのって思うけど・・・。

 まぁこれはこれでチユが楽しいならいいか。と納得する。


 漫画の内容は続きからで良くわからないが、没落皇女が好きだった王子に命を狙われて国を追われるストーリーだった。


 それより、俺はエイルがやってるゲームが気になる。


 真イエス・キリスト無双。


 俺的に、無双系のゲームにしたら1番ダメな奴だと思うんだが。そもそもイエスってリアルでは剣振るわないし。ゲームでは振るってるけど。そもそもストーリー的にどうなるの!?戦闘になる要素ある!?


<イエス・キリストに転生した主人公は十字架回避の為に奮闘する所から始まります。結局、ユダの裏切りによりローマ兵達に追われるのですが。逃げた先、仏教圏、イスラム圏を天下統一していき、最終的にエルサレムへ舞い戻り、ユダやペテロと対決するストーリーでございます。>


 転生もの・・・。は、はぁ。ちょっと一気に言われても付いて行けない・・・。というかユダは裏切り者ってなんとなく知ってるけど・・・ペテロ!?ペテロって弟子じゃないのかよ!


<ネタバレになるのですが、洗礼ヨハネちゃんの妹と結婚するようですよ!!>


 さすが転生もの。なんでもありだな・・・っておい!!ネタバレ!!俺エイルと一緒にやるかもしれないのに・・・楽しみ半減だろ!!


<身体の主導権はチユ様にあるので、多分やりませんよ。>


 うーん。そうハッキリ言われると困る。この二重人格生活をいつまで続けるの?って話になってくるし。


 というか、さっき洗礼ヨハネ・・・「ちゃん」って言ったよな。主人公以外の全てのキャラクター全部女体化してないか?今流行りの歴史上人物女体化か!?


 エイルが好んで使ってる洗礼ヨハネちゃんなんて巨乳かつ、くノ一みたいな格好してるし。

 かなり露出が激しい・・・。いやでも槍術は本当に強い。


 まさにこれぞ無双って感じの爽快感のあるモーションだ。


 この槍の振り方ってどこかで見た事あるんだよな・・・

どこだっけ?


 ああ、そうだ。エイルとの模擬戦だ。エイルの戦闘モーションがまさに洗礼ヨハネちゃんだ。


 そうか。こういうタイプがエイルの好みなのか。なるほどなるほど。まさかゲームのキャラクターの攻撃モーションを自分の槍術に取り入れるなんてよっぽど好きなんだな・・・そのキャラ。


 俺がそんな事を頭で呟くもんだから、チユも気になってエイルと画面をチラチラ見ている。


「へぇ〜。」

「アマタ、突然『へぇ〜』ってどうしたんだよ。」

「エイルって、ヨハネちゃんが好きなんだ。巨乳好きだったりして。」


「なっ!!お、おまっ!!漫画に集中してたんじゃなかったのかよ!!」


 顔を赤くしているエイル。これは図星だな。


「戦闘モーションがエイルとそっくりだから気になっちゃって。」

「あ、いや、その。これ見て学んでるんだ。強いからいいだろ!?」


 言い訳が苦しくなってきた。エイルの奴焦ってるぞ。

 チユがニッコリ笑うと観念した。


「ああ、好きだよ。悪いかよ。推しキャラぐらいいていいだろ!?というか、全国的に人気キャラだからな!!」

「へぇ」


 よく見るとヨハネちゃんって、ミーヤのボディーとアカネの凛々しい顔を合わせたような感じだよな。

 ミーヤかアカネか・・・もしかして好きだったりして!?


 チユもニッコリと笑ってる。


「も、もう終わりにしよう。外行こうぜ。外。」


 外か・・・外に行ってやる事といえば・・・今日チユと約束したな。服を買いに行くって。


(えっ!!?ショッピング!?)

(ああ、エイルが良ければ一緒に着いてきて貰おう。)

(やった!!ショッピングデート!!)

(いやだからな・・・男同士はデートって言わないからな。)


 あ、いや。今俺女装してるしデートになるのか。


「エイル・・・さん?」

「急にさん付けってなんだよ。言いにくい事か?」

「買い物に手伝って欲しいよ。」

「買い物・・・ああ。制服の受け取りとかか?」

「それもあるんだけど・・・。私服を買おうと思って。」


 エイルは何かを感じ取ったのか・・・


「お、おい!!まさか女物とか言わないよな・・・。俺はパスだぞ。」

「いいえ。男物を買う。」

「ほ、本当か?心臓に悪いから是非そっちの方がありがたいんだよな。」


(ほらチユ。エイルも凄く心配してるんだぞ、この格好。女装、辞めような。)

(そうなんですね・・・。私的に良い仕上がりだったのですが・・・心配されてたのですね。ちょっと残念です。)

(まぁ、女装のクオリティは100点満点だけどな。)


(褒めてくれてありがとう!!私頑張る。)


 いや、褒めてないし頑張らないでいいんだ。クオリティ高すぎて困ってるって話だよ。

お読みいただきありがとうございます。

今後とも宜しくお願いします。

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