クローバー
はじめまして、草地葉音です。
初投稿です。
まだ稚拙な表現しか出来ませんが、多くの方に読んで頂ければ、幸いです。
あれは喧嘩みたいに子供っぽいものじゃなく、もっと複雑で難解なものだ。どちらが悪いと、第三者が決めつけることの出来ないもの。溝が小さい内に埋めることが出来れば良かったのだろうけど、気がついた時には、私だけではどうしようもない位、深くなっていた。
だけど
溝という存在を知らなかった1年前に彼女とつくったクローバーのしおりは念の為、取っている。
前のように戻れたらいいのに、と思っているのではない。ただ、幸せで溢れている鮮やかな色のクローバーを捨てるのは、心苦しかったから。
四つ葉のクローバーの押し花でしおりをつくろう、と言い出してのは、彼女だった。四つ葉のクローバーがたくさんある場所を教えてくれたのも…。四つ葉のクローバーには、真反対の2種類の意味があることを教えてくれたのも…。
今、私が思っていることを伝えれば、何かが変わるかもしれない。でも、伝え方が分からない。気持ちを言語化する自信を持ち合わせていない。元々、2人の間に明瞭で確かなものなど無かったのかもしれない。そう考えると、私の気持ちも分からなくなった。
そんな時、届いたのがこの封筒だった。中には、あの時つくった彼女の分のクローバーのしおりと、少し変わった手紙が入っていた。
クローバーのしおりに触れた。
あの時、一生懸命に探して一緒につくったよね。
クローバーの押し花のしおり
2つの全く異なる意味をもつクローバー
幸せの象徴 希望・信仰・愛情・幸福
そして、
シロツメクサの花言葉 復讐
今にぴったりの言葉が最初に思い浮かんだ。
あの日から変わったのは、私だけじゃないと思う。
絶対にもう信じられない。
そう思ってたけど、
信じてみる。あなただから、
クローバーのしおりに触れた。
この手紙を読んで、涙を流しているこの少女は知らない。
この手紙は、下の行から読むと全く違う意味になる、クローバーのような二面性があることを。
最後まで読んで頂きありがとうございました。