俺は止めましたからね!
新しく発見されたハビタブル惑星。
俺は単身惑星調査に送り込まれた。
初めは気のせいかなー?くらいに思ってたんだが、この惑星の肉食獣や食人植物が俺の向かう先々で再起不能に陥っていた。
ひそひそ話し声も聞こえた。俺は録音して翻訳機にかけた。
「いいかい?アレが無事に自分の星に戻れたら、仲間をいっぱい連れてくるからね」
「そしたら食べていいの?」
「うん。それまで、アレは生かしとくんだ」
アレ?アレって俺のことか?
謎の知的生命体たちは、決して姿を見せず、俺は何事もなく地球へ帰還した。
「よく帰った!あの星は我々の移住先に最適かね?」
「ダメです。絶対あの星に行っちゃいけません」
疲労困憊で再生槽に入れられるとき、俺は止めました。たしかに。
でも俺が眠っているうちに政府がゴーサインを出して、大勢の移民があの星を目指した。
「起きろ!起きてくれ!」
再生槽から強制的に起こされた。
「なぜ止めてくれなかったんだ!」
「俺は止めました」
移民船から次々と音信不通に陥って地球は大騒ぎだった。
俺の乗った宇宙船が地球までたどり着いたということは、次は向こうから地球新略に来る可能性がある。
俺は身震いして最悪のシナリオを頭に描いた。