1/52
序章/0話 『????』
身体中に棘が刺さり、視界が日に日に狭まっていく。
身動きが完全に取れなくなってからもう何日経ったかな。
この穢れてしまった土地は、きっと本当にこうすることでしか治められなかった。
「でも、自業自得かな」
いつか君がここまで助けに来てくれる瞬間を待って、瞼を下ろす。
「っん」
痛みに声が漏れた。
あぁ、本当に厄介だなぁ。棘が瞼の皮膚にゆっくりと刺さっていく。
そのうち、目に突き刺さるのかな。
もし君がいつか私を助けてくれても私は君だけは幸せにできない。
でもきっとグリーズは結局、あの人を私の救出へ向かうように差し向けるのかな。
「こんなところに来るまでに」
私への未練なんて断ち切ってね。
ここへは来なくていいように。二度と傷つかなくていいように。
心が守れるように。