第7.5話 美濃国の諸勢力について
大田勇介と藤田吉郎の対話コーナーの第8弾です。
テーマは美濃国の諸勢力についてです。
当時の美濃国は斎藤道三で有名な斎藤家がいましたが、他にも色々な勢力がいました。
ぜひご一読ください。
ナレーション
さぁ、始まりました!親友ふたりによる、夢のひととき。今回のお題は・・・「美濃国の諸勢力について」です!!では、おふたり、お願いします。
藤田吉郎
今回は・・・美濃国か。毎度のことやけど、今で言ったら何県なん?
大田勇介
飛騨地方を除く岐阜県やな。ちなみに、飛騨地方は飛騨国になる。
ヨシロー
ここもグチャグチャなんか?
マタスケ
いや、表面的には守護代の斎藤家が事実上の王様となって、統一してる感じやな。
ヨシロー
また、はっきりせん話やな。どういうこと?
マタスケ
元々守護は鎌倉時代から続く名家の土岐家やってんけど、ここも相続争いが絶えんかった。兄弟げんかしてるうちに、弟の重臣やった斎藤家が力をつけて、結局どっちも追い出してしまったんや。
ヨシロー
じゃあ、美濃には守護がおらんのか。
マタスケ
いや、兄が北の朝倉家に、弟が南の織田家に助けを求めて、結局兄の子が守護として復帰した。
ヨシロー
なんか、ようやく帰らせてもらった感じやな。
マタスケ
そう。だから、守護代の斎藤が事実上の王様というわけ。
ヨシロー
そう言えば、「表面的には」ってどういう意味?
マタスケ
斎藤家が仕切ってる状況なんやけど、国内人気がなさすぎて、めちゃくちゃ不安定なんや。
ヨシロー
何でそんなに人気ないん?
マタスケ
この時の当主は斎藤利政、出家した後の名前・道三で有名な人やけど、癖が強い人間やった。元々守護代の斎藤家とは縁もゆかりもないのに、家を乗っ取ったしまったんや。それに、元を正せば、他国から流れてきた人間やからやろうな。
ヨシロー
ん?よそ者が美濃国のナンバー2の家を乗っ取ったってことか!?
マタスケ
そやね。正確には道三の父親がどっかから流れてきた人で、最初西村という名字を与えられ、最終的には美濃国で有力な家、長井家の一員に迎えられた。道三はそこからさらに成り上がった感じやね。わかりやすい「下克上」、下が上に克つの例やな。
ヨシロー
そりゃ、そんだけ好き勝手やってたら、人気は出んわな。
マタスケ
それだけやないねん。本文中にはなかったけど、ちょうど「加納口の戦い」の頃に守護の土岐頼純がまだ20代の若さで亡くなってんねん。これも道三の仕業とちゃうかってなって、さらに人気が落ちてる。
ヨシロー
うわぁ・・・。
マタスケ
ホンマに道三が殺したかはわからんのやけど、そんな疑い持たれるくらい信用がなかったのは確かや。だから、道三の下で美濃国が統一されてるように見えて、中身はいつひっくり返ってもおかしくなかった。
ヨシロー
それで「表面的には」って言い方やったんやな。
マタスケ
そうやねん。実際、道三は他国への侵略をあまりしてない。たぶん、軍隊を一箇所に集中させること自体も恐ろしかったんちゃうかな。いつ自分の方に刃を向けてくるかわからんし。
ヨシロー
美濃国も色々問題だらけなんやな。あと、物語に絡んできそうなのっている?
マタスケ
とりあえずは西美濃三人衆かな。氏家、安藤、稲葉の3家を総称してこう呼ぶねん。後々信長とも深く関わりあうことになる。
ヨシロー
他には?
マタスケ
不破、蜂屋、金森とか後々名前が出てきそうなとこはあるけど・・・あえて一番重要そうとなれば、遠山家かな。遠山の金さんこと、遠山金四郎景元の先祖とされる一族やな。織田家と親戚関係になるし、武田家とも関わりがあったりして、なかなか一筋縄でいかん一家や。
ヨシロー
おうおう、この桜吹雪が目に入らねぇかっ!!
マタスケ
・・・いきなりやな。でも、金さんの刺青って、ホンマは「桜吹雪」やなくて「女の生首」の絵が入ってたらしいで!TV的にアウトやから、桜吹雪にしたとか聞いたことあるわ。
ヨシロー
ひぇっ!完全に放送禁止案件やんか!!
マタスケ
・・・遠山金四郎だけにな・・・!
ナレーション
お後がよろしいようで。
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※美濃諸勢力図を追記しました。