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第71.5話 姉川の戦いって実際どうなん?

大田勇介マタスケ藤田吉郎ヨシローの対話コーナーの第71弾です。


今回のテーマは、姉川の戦いって実際どうなん?です。


姉川の戦いの諸々についての考察です。

ナレーション

 さぁ、始まりました!親友ふたりによる、夢のひととき。今回のお題は・・・「姉川の戦いって実際どうなん?」です!!では、おふたり、お願いします。


藤田吉郎ヨシロー

 もうひとつタイトルの意味がよくわからんな。どういう意味?


大田勇介マタスケ

 姉川の戦いと言えば、信長の代表的な戦いのひとつで、『信長公記』意外にも色々と書物が編まれ、逸話が残っていたりする。それらを踏まえた上で、考察してみようってこと。


ヨシロー

 具体的には?


マタスケ

 次の4つについて見ていこうと思う。

 ①姉川の戦いは奇襲戦?それとも通常の会戦?

 ②織田軍は苦戦した?

 ③徳川軍は大活躍した?

 ④遠藤直経は単身で本陣に乗り込もうとした?

 

ヨシロー

 多いな。


マタスケ

 確かにね。ま、①から気長にやっていきましょう!まず、今作では姉川の戦いを浅井・朝倉軍の奇襲によって始まったように描いている。


ヨシロー

 それは何でなん?


マタスケ

 例によって『信長公記』に浅井・朝倉軍が開戦前日にいったん撤退をはじめたかのような動きをみせたあと、当日早朝から姉川の北の野村と三田村に進出してきたと記述されているから。この記述を素直に読めば、おそらく織田軍は敵が撤退したと判断していたと考えられる。


ヨシロー

 不意をつかれたから奇襲やったってこと?


マタスケ

 うん。あと、浅井・朝倉軍の進軍に対し、信長は自らは馬廻衆と西美濃三人衆とともに野村の浅井軍に向かい、徳川軍に三田村の朝倉軍へ対するよう仕向けている。注目したいのが、信長は尾張出身の重臣たちの軍を動かさず(または動かせず)、直属の近衛部隊と西美濃三人衆、同盟軍の徳川軍で対処している。これは急きょ動かせる部隊だけを使って対応したと考えられ、それはつまり織田軍が奇襲を受けた状況にあった証拠とみなせると思う。


ヨシロー

 なるほど。で、今作は奇襲説をとったと。そうすると、②の苦戦したってのは奇襲やからか?


マタスケ

 今作ではそうしてるんやけど、よく言われてる説では、織田軍は弱くて13段に構えた陣のうち11段までを浅井軍に突き崩され、苦戦したとされている。『浅井三代記』という江戸時代に成立した軍記物による説なんやけど、『信長公記』にはそんな記述はなく、特に苦戦したような書きぶりではない。今作では奇襲を受けてるんやから、最初は人数が少なくて苦戦したけど、最終的には盛り返して勝利した形で描いている。


ヨシロー

 その『浅井三代記』?の説は、どうやって苦戦から勝ちまでいったって話なん!?


マタスケ

 それこそ③の徳川軍の大活躍によって勝ったとしている。織田軍がだらしないなか、徳川軍は倍の朝倉軍と互角以上の戦いを繰り広げ、そればかりか少ない兵を割いて朝倉軍の横っ腹をつき、朝倉軍を敗走させた。それを見て浅井軍も単独で戦う不利を悟って逃げ出した、となる。


ヨシロー

 ん?それやったら、徳川軍がハッスルしまくって勝ったってことか?


マタスケ

 まぁ、徳川の家臣・大久保彦左衛門って人が書いた『三河物語』って書物なんかであげられてる説やからな。徳川びいきがヒドイのよ。実際には、徳川軍は朝倉軍を圧倒することはできなかったと思われる。


ヨシロー

 徳川軍はたいしたことなかったてことか?


マタスケ

 勝利の行方を決定づける働きはなかった、と。筆者の考えでは、数で劣る徳川軍が崩壊せずに朝倉軍の攻撃を耐えたことじたい、十分にスゴイことなんやけど、それでは後世の徳川の子孫や家臣たちは納得しなかったらしい。だいたい、「姉川の戦い」って名称じたいも徳川家がそう呼んだから定着したもの。織田・浅井は「野村の戦い」と呼んだし、朝倉は「三田村の戦い」って呼んでいた。徳川軍が活躍して勝利の要因になったことを宣伝するとともに、「姉川の戦い」って名称も広めたっぽい。


ヨシロー

 なるほどね。じゃあ、最後に④やな。


マタスケ

 今作では遠藤直経は浅井軍の予備部隊を率い、最後の攻勢をかけたとしている。けど、よく知られている説では味方の武将の首を持って織田軍の将になりすまし、織田の本陣に乗り込んで信長の首をとろうとしたとされてる。けど、竹中久作に正体を見破られ、負けて戦死した、と。


ヨシロー

 けっこう小説っぽい話やな。


マタスケ

 そう。だからよく知られている説の方で話を組み立てても面白かったんやけど、『信長公記』には竹中久作が遠藤直経の首を前々からとると公言してて、そのとおり討ち取ったとしか書かれていない。筆者としては味方の首まで用意して偽装し、相手の本陣へ乗り込むってのはあまり現実的じゃないから、ありそうな話とした。


ヨシロー

 うーん、現実に近いんかもしれんけど、面白さは激減やな。


マタスケ

 主人公がタイムスリップして実際の歴史を追体験するって設定があるから、何でもかんでも創作はしにくい。そういうロマンとは()()いとこはあるかな。


ヨシロー

 ()()だけにか。


ナレーション

 お後がよろしいようで。

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