第65.5話 浅井はなぜ裏切った?
※ 本編にはあまり関係ないですので、興味がある方のみお読みください。
大田勇介と藤田吉郎の対話コーナーの第66弾です。
今回のテーマは、浅井はなぜ裏切った?です。
朝倉攻めの織田軍を後方から襲った浅井家。
信長の妹・お市を妻にし、姻戚関係にありながら信長を裏切った浅井についての考察です。
ナレーション
さぁ、始まりました!親友ふたりによる、夢のひととき。今回のお題は・・・「浅井はなぜ裏切った?」です!!では、おふたり、お願いします。
藤田吉郎
第66話の最期の方の話やな。かなり悩んでる感じやったな。
大田勇介
実際のところはどんな風に決まったかはわからんけど、家の将来を左右するだけに、かなり議論はあったやろうとは想像できる。本作ではその辺を長政ひとりの苦悩に集約してる感じやね。
ヨシロー
そもそも、何でそんな迷うようなことなん?信長は親戚やし、将軍担いで一番強いし、迷う理由ないようやけど?
マタスケ
まず、浅井家と朝倉家の親密な関係について知っておくことが前提となる。浅井家は北近江の京極家の家臣という低い立場から成り上がって北近江の支配者となったんやけど、元々は小さな勢力やったから、南近江の六角家の介入をなかなかはねのけることができなかった。そんなときに助けてくれたのが朝倉家やったんや。長政の祖父・亮政の代から朝倉家の援助によって勢力を維持・拡大してきたという事情がある。
ヨシロー
朝倉家にだいぶ世話になってたってことか。朝倉に長年親切にしてもらってたから、黙って見過ごせんってことか。
マタスケ
朝倉は朝倉で浅井家に援助を与えて北近江を親朝倉の勢力に支配させ、六角家と直接衝突しないようにクッションの役割を持たせたり、将来近江へ進出する際の布石にしようと考えていたと思われる。単なる親切ではないはずやけど、親密な間柄やったのは間違いない。
ヨシロー
となったら、ナンボ信長が親戚やっていっても、簡単にどっちの味方するか決めれんな。
マタスケ
そうやねん。どっちに味方しても、敵となった方とは直接境界を接する形になって、嫌でも戦いに巻き込まれるし。
ヨシロー
じゃあ、何で浅井家は信長を裏切って朝倉に味方することになったんやろ?
マタスケ
理由は1つではないと思う。考えられる理由を次のとおり書き出してみた。
①朝倉家との特殊な事情があるにも関わらず、いきなり頭越しに朝倉攻めを行った信長への不信感。
②当初の対等な関係から段々と格下扱いされるようになり始めたことへの不満。
③信長軍が若狭方面へ展開している現状ならば、退路を断って壊滅的な打撃を与えられるとの判断。
ヨシロー
①は実際のところどうなん?信長は根回ししてなかったんか?
マタスケ
おそらく事前の連絡や相談などはなかったんじゃないかな。信長としては将軍の命令で行う戦争やし、必要ないという判断やったと思われる。あと、浅井と朝倉の関係について知っていたから、あえて浅井を巻き込まずに自分や他の武将の軍隊だけでかたをつけようと考えてた可能性もある。
ヨシロー
なるほどな。寝た子を起こさんとこって考えてたんかもな。②はどうなん?
マタスケ
これは明確な証拠はないんやけど、似たような立場の徳川家康や水野信元なんかは段々と従属的な立場に置かれていって、同盟勢力と言いながら信長の家臣とあまり変わらない存在になっていく。浅井家もそうなっていった可能性が非常に高いし、この時点でもその傾向が現れ始めてても不思議ではない。
ヨシロー
ふむ。じゃあ、③は?
マタスケ
長政は10代の頃から戦場経験があり、しかも六角の大軍を2度も破った経験を持つ優れた武将やった。その長政が信長の戦況を把握して、チャンスと思わなかったはずがない。
ヨシロー
どういう意味?
マタスケ
信長は自前の織田軍と同盟勢力の軍からなる大軍を率い、若狭国へ展開していた。数は多いものの寄せ集めの軍やし、その退路・補給路は北近江に限定されていた。つまり、長政が敵対して北上し、退路を立てば、信長とその軍は前に朝倉、後ろに浅井と囲まれて袋のネズミ状態になってしまうってこと。
ヨシロー
それはエライこっちゃ。それやったら、信長ボコるのは簡単やし、逃げれんかったら命に関わるやん!!
マタスケ
そういうこと。逆に言えば、信長は浅井家が裏切るなんて、まったく考えてもなかったんやろな。そうじゃないと、こんな危険な状態に飛び込むはずがない。浅井軍を参戦させたり、人質をとったりといった対策をとったはずや。
ヨシロー
信長も意外と甘ちゃんなとこあるんやな。で、どうなったん?
マタスケ
それは次回以降のお楽しみってやつやな。若さゆえの過ちで、絶体絶命の信長。いったいどうやって切り抜けるのか、乞うご期待!
ヨシロー
ああ、「若さ」と「若狭」をかけたのね。
ナレーション
お後がよろしいようで。




