第58.5話 項羽と劉邦って誰?
※ 本編にはあまり関係ないですので、興味がある方のみお読みください。
大田勇介と藤田吉郎の対話コーナーの第59弾です。
今回のテーマは、項羽と劉邦って誰?です。
第58話で出てきた項羽と劉邦についての説明です。
ナレーション
さぁ、始まりました!親友ふたりによる、夢のひととき。今回のお題は・・・「項羽と劉邦って誰?」です!!では、おふたり、お願いします。
藤田吉郎
また中国の話?
大田勇介
そう。中国最初の皇帝は某人気マンガで有名な秦の始皇帝やねんけど、彼の死後にあっけなく秦の天下は終わってしまう。各地で反乱を起こした数多の人々のなかで、秦を滅ぼして最終的に天下をめぐって争ったのが項羽と劉邦の2人やったんや。
ヨシロー
第58話で秦の首都を攻めた話が出てたけど、どういうことなん?
マタスケ
実はどちらも秦の末期に各地で反乱を起こした勢力のうち、楚に属する将軍やった。楚は秦に滅ぼされたのを項羽の叔父・項梁が再興した勢力で、項梁の死後ほどなくして項羽が主力軍を引き継いで秦との戦いを継続していた。一方、劉邦は自前の小集団とともに後から楚に加わり、項梁が立てた楚の懐王の信頼を得て、別働軍を率いて秦を攻めることになった。懐王は2人を競わせるようにして、先に秦の首都・咸陽を降した者に秦の本拠地・関中の王にすると約束したんや。
ヨシロー
ほんで、両方とも秦の首都を目指したんか。
マタスケ
そう。先に到達したのは、より兵力が少ない劉邦の方やった。
ヨシロー
ん?少ない方が早かったん?多い方が強くて先に進めそうやけど!?
マタスケ
むしろ人数が多い項羽軍が敵の主力を引きつける形になって、その間に劉邦軍が敵の手薄なところを抜けて行った感じやね。
ヨシロー
で、何か劉邦は秦王の命を助けたりしたって?
マタスケ
うん。降伏してきた秦王を助命し、秦の複雑な法律を廃止して3箇条のルールだけにして、緩やかな軍政を行った。そして自分の兵隊には乱暴行為を厳しく禁止し、減税を行って民衆をいたわることに努めた。だから、秦の民衆から劉邦は絶大な支持を寄せた。
ヨシロー
劉邦ってええヤツやったんやな。
マタスケ
いや、いいブレーンを抱えてたし、本人もその意見をしっかり聞くだけの思慮もあったけど、いい人やったかどうかは別の話やな。単純に兵隊の数が少ないから、あんまりなことをして住民反乱が起こると抑え込む自信がなかったこと、将来自分の領地になることを見越して人気取りに走ったことが理由やと思う。
ヨシロー
それで行くと、項羽はメチャクチャやったんやな?
マタスケ
そやね。劉邦が助けた秦王を殺し、財宝や美女を根こそぎ掠奪し、咸陽の宮殿などを焼き尽くした。欲望のおもむくままに好き勝手したから、項羽への反感は頂点に達した。あまりに対照的やから、劉邦への好感度がさらに上がるという副産物もあった。
ヨシロー
うーん、項羽の方が条件恵まれてるからかもしれんけど、あんまり賢くないような・・・?
マタスケ
たしかに。項羽はこれより前に降伏した秦軍20万人を新安というところで生き埋めにしてるし、後には反乱を起こした斉の国を攻めて老若男女問わず数十万人を生き埋めにしたとされる。ブレーンにあまり人を得なかったのもあるかもしれんけど、本人の資質にも問題があるよな。
ヨシロー
けど、それってホンマの話なん?あんまり酷すぎる話やから、ちょっと信じられへんねんけど。
マタスケ
項羽が盗掘して焼き払ったとされる始皇帝陵(始皇帝の墓)の周りで見つかった、世界遺産の兵馬俑には火災の跡がたくさん残されてる。また、新安からは多数の人骨が出土してる。証拠がある以上、項羽が掠奪や虐殺を行ったのは間違いない。
ヨシロー
そうなんか・・・。
マタスケ
その後、いったん項羽を中心に戦後処理がされ、新しい体制が作られた。けど、不満を持つ者が多く、すぐに至るところで反乱が起こった。そのうちのひとりが劉邦やった。
ヨシロー
劉邦は何で反乱したん?
マタスケ
一番乗りの功績で関中王になれるはずが、僻地の漢中に飛ばされたことを不満に思い、反乱を起こしてん。劉邦軍は北上して関中に入り、住民の絶大な支持を背景にここを本拠地にして項羽と戦った。ただ・・・。
ヨシロー
ただ!?
マタスケ
ハッキリ言って劉邦軍は弱く、逆に項羽軍は強く、劉邦軍は負けに負け続けた。けど、本拠地の関中が安定して兵隊や物資を供給し続けたから、戦い続けることができた。一方、項羽はいたるところに敵を作ったから、長期戦になるにしたがって補給が続かなくなり、離反者も続出して自滅していき、最後は劉邦に敗れ去った。
ヨシロー
いくら戦争に強くても、ちゃんと民衆のことも考えていかなアカンてことなんやな。それで例え話に出したんやな。
マタスケ
せやね。信長もどっちかと言えば項羽みたいな武力重視の男やから、余計やね。咸陽での話がもとになっただけに・・・寛容さが肝要って感じかな。
ナレーション
お後がよろしいようで。




