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努力チートの転生令嬢は研究員になりたい  作者: まるねこ


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 それからは私の作る魔法剣の刻印は父と兄がしている。やはり優秀な人は仕事が早い。5日で2本程度のペースで作れている。慣れてきてペースも速くなってるのが嬉しいよね。


父や兄からすれば余計な仕事が増えたとボヤいてもおかしくないのだけれど、特に愚痴は聞こえてこない。兄の讃美ばかり聞こえてはくるけどね。

 

 そうこうしている間に冬休みも終わり、寮に戻る。領地についてはセバスが新たな教師を見つけ引き継いでくれているので心配無さそう。


 私の方は必死に単位を取っている所。この間の試験が合格すれば残りは実技のみになる。


 試験合格の知らせがきた頃を見計らうかのように王家主催のお茶会なる召集令状が送られてきた。


リリーに行きたくないとゴネてはみたがやはり駄目だったわ。また残念令嬢が頑張りましたの装いをし、お茶会へ参加した。


 今回は首元には殿下から頂いたネックレスをして参加よ。


 前回のお茶会とは案内される席が違う気がする。王妃席の両隣は私と2つ上のシエナ・ジョンソン公爵令嬢が陣取る感じ。これはもしや。令嬢達の視線が痛すぎるわ。


やだ、もう帰りたい。


 王妃様が来られ、お茶会が始まる。みんな当たり障りの無い会話を始めてるが、目はギラギラ。


「さて、前回のお茶会でみんなに宿題を出したのだけれど、1人1人に発表して貰うわ。」


王妃様の言葉により、一番遠い席の令嬢から発表していく。発表した内容は利き茶ができるようになったとか、ヴァイオリンで賞に輝いたとか。えっ、下らないと思ったのは内緒。


 シエナ様は唯一自分の領地の特産品を新たに開発し、現在売り始め、領民の所得向上に尽力しているのだとか。うん。


一番まともだし、私みたいな知識チートではないのに凄い。私の番ね。


「私、アイラ・スペンサーは領地の改革として領民の識字率を1%から20%に上げました。何年も掛かりますが目標としては90%を超えるようにしたいと思っておりますわ。私の成果は以上ですわ」


「みんなよく頑張ったわね。みんなの頑張りを見せて貰ったわ。でも、発表で気づいたとは思うけれど、成果について自分の事よりも領地、領民の事での成果を求めたのはシエナとアイラだけよ。


王族はいつも民の為に動かなければならないの。特にアイラは領民の為に水道を整備したり、先日の魔法闘技会で話題になった魔法剣の製作者でもあるのにも関わらず。発表していない物も沢山あるわ。


彼女自身も飛び級制度を利用していつでも卒業出来てしまうほど優秀なの。シエナも同じく1年生の時から飛び級制度でいつでも卒業できる優秀さを持つ。


それと孤児院への訪問や領地への視察、領民への細やかな気配り。2人とも合格よ。シエナはリカルドの婚約者に、アイラはアーサーの婚約者に決定するわ。異議があるなら今ここで唱えなさい」


一同沈黙。と、思いきや


「異議ありですわ。私も頑張っています。王妃教育だって人一倍頑張っているし、アーサー殿下の事を誰よりも愛していますわ。私を差し置いてこんな地味なスペンサー嬢を婚約者にするなんてアーサー殿下があまりにも不憫です」


わるーございましたね。地味令嬢で。


「ふふっ。テイラー公爵令嬢、貴方の言い分は分かりました。ですが、残念ながらアイラの王妃教育の大半はもう済んでおります。それにアイラはリカルドの婚約者を当初予定していたのですが、アーサーが自分の妃にどうしてもと。アーサーたっての願いでアイラは第二王子妃に決定したのですよ」


に、睨まれてる。ポピーさんも他の令嬢も黙ってしまった。一様に暗い顔してる。


「さて、お茶会もそろそろお開きにするわ。妃候補者の令嬢達は今まで頑張りましたね。婚約予定という縛りで素敵な殿方に出会う機会が無かったのだから次回は令息のいるお茶会を開くわ。私の推薦する子達だから将来有望間違いなしよ」


そう言って王妃がウィンクすると令嬢達はもう既に浮き足立ってるようす。


 皆様の機嫌も直ってお茶会も無事終了。良かった。

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