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 さて、学院でしていた研究。魔法剣を形にしていかないとね。


 学院の研究室とは異なった素材も手に入ったので鉄をベースに今回は魔力を注ぎ混みながら作っていき、手のひらサイズの棒状にして冷やしてから属性のある魔力を通してみると楽しい位にスパークしたね。


素材は大丈夫そうなんだけど、鉄の部分が耐えきれず。数秒は耐えれてるんだよね。難しいね。グラム数や魔力量を変えながらメモってを繰り返して行くしか無いね。




 数日間小屋に籠り、魔法剣と格闘してる間に兄の知り合いの領地に行く日となりました。早速兄と2人で馬車に乗り込み移動開始。勿論リリーも来てます。


「お兄様、お知り合いの方は海から邸が近いのですか?色々見てみたいです」


知り合いのお屋敷に到着したようです。デカい!えーっと、これは怪しい香りがぷんぷんします。


ハイ。正解。


リカルド殿下とアーサー殿下来ましたー。


兄よ、謀ったな。横に居る兄を睨みながら腕を小突く。兄の目は泳いでいる。後でシメよう。


 早速お部屋に案内されて荷物を置いて素材採取の旅に出る。…つもりだったのに侍女達に引き留められ、可愛いワンピースに強制的に着替えサロンに強制連行されました。


流石王家所有の別荘。サロンも豪華絢爛で今にも目が潰れてしまいそう。


そしてサロンには既に兄達が揃ってました。いつもの様に兄は膝ポンポンし、膝に乗るように要求。さっと隣に座りました。仕方ないなぁ、とぴったりくっ付いてきましたが。


 両殿下とも慣れっこのようで、敢えて指摘はされないようです。


「ようこそ我が別荘へ。休み前に海に行きたいってアイラ嬢が言ってたからノアにお願いしたんだ。だってさ、いつもお茶会に誘っても来ないし、ノアも妹天使って自慢する割に絶対会わせなかったから。楽しみだったんだよ」


 ん。もしや。兄に視線を送ると目が泳いでる。買収されたな。


よくよく話を聞いてみると、研究室はあの場所に作る予定は無かったらしい。けれど、兄に許可を取る時に空いている向かいの教室ならすぐに顔を出せる。そして兄は妹の手料理を食べたい一心で応接セットまで持ち込んだそうだ。



そしてここに居る間、私に手料理やお菓子を作って欲しいと。なるほど。そうか、私は珍しい料理を出すシェフ的ポジションとみた。


仕方がない。


明日は素材探しを邪魔されないためにおやつを作るわ。すぐさま待機している侍女に牛乳、卵、生クリーム、蜂蜜を持ってきてもらい、殿下達の前でさくさくっとアイスクリームを作った。もちろん魔法で冷やしながらね。魔法で料理をするなんて事は無いのでこの世界にはアイスクリームは存在しないのよね。世界初よ!


「殿下、明日は私が満足するまで素材集めをしようと思っております。私の邪魔しないとおっしゃるならこのアイスクリームを差し上げますわ。」


 みんなアイスクリームに興味津々。秒で納得していただけましたわ。皆様アイスクリームを一口食べて目を丸くしてますね。


リカルド殿下からすぐさまお替り要求が。暑い日には冷たい物が一番ですよねー。


明日の素材採取は確保。海辺近くに街があるようなので明日か明後日行ければ兄に連れて行って貰う予定。お土産沢山買うんだー。


翌日はとても良い天気でした。


朝から張り切って地味目令嬢の格好をしてリリーに小言を言われたけれど、気にしない。



 朝食後リリーと2人で素材採取に出かける予定だったのに何故かアーサー殿下の姿があるではありませんか。


「アイラ嬢の素材採取に一緒に行くよ。邪魔しないからいいんだよね」


仕方がない。


アーサー殿下に連れて来て貰った海はコバルトブルーで白い砂浜には彩りどりの貝殻が落ちている。よく見てみると、砂浜は一面星の砂だわ!なんて素敵なの!


「殿下、連れて来て下さってありがとうございます」


心なしか殿下の耳が赤くなってる気がする。こんなメガネ掛けた地味令嬢に。


あー、もしかして殿下の好みは地味女子なのかしら。失敗したわ。

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