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誰も知らないグリム童話より  「おばあさん」 人生の全貌、それは神様だけが知ってる。

作者: 舜風人




安易な人間の浅知恵?で

人生というこの、底なし沼?を即断することなど不可能なのです。

人は人生の全貌など見通すことは不可能です。

人生はいくつもの偶然と必然が複雑に絡み合い

綾なし、裏をかき、建前をせせら笑い?

時として、偶発を装って必然をぶちかまし

必然なのか?と思わせて、それは偶然に過ぎゆくばかり。


まさかそんなことが、、ということが全くの庶民に突然、降りかかり

あるいは、想定外の大事件がある日、全く予兆もなく

平凡なあなたの前に降ってわく。

それが人生なのです。

私たちの人生においては

一見、いかにも幸運と思われるような事案も

後から振り返ってみたら


≪あの事のために、後々、ひどい目にあったなあ≫


という

ことって、結構ありますよね。


逆に、

えらいひどい目にあって、不運だなあと、その時は思ったのに、


ゆくゆく、時がたって振り返ってみたら、


「あの不幸は実は俺のためになっていたんだよなあ」


というような経験も多いはず。


あなたを襲った、その事態がほんとに幸運だったのか

それとも不運だったのか、


それは後になって冷静に振り返ってみなければ確定できないんですよ。


格言にこうあります。


「棺の蓋を覆うまでは、その人の一生がどうだったとかの評価はしてはいけない」


つまり

あなたも私も

死ぬまでは、

人生の全貌なんてわからないって、ことですよ。


例えば、、、


30歳くらいで、人生の絶頂期を迎えて、大豪邸に住み、、美人の奥さんがいて

年収5000万。

まさに飛ぶ鳥を落とす勢いですよね。


でも


じゃあこれが老いるまで、、、

死ぬまでずっと、続くのか、、


と、言われれば、一寸先は闇でしょう。


明日、家宅捜索が入り、逮捕されるかもしれないし、

明日、不慮の事故死を遂げるかもしれないし、

人間なんて明日どうなるかは、神のみぞ知る、、ということですよ。


そんな人生の、、あなたが知らない全貌を諭した?こんな寓話はどうでしょうか?


それでは、、さっそく、、、


こんな人生の寓話をどうぞ。








グリム童話集より




≪おばあさん≫






むかし、、むかし、、


あるところにとっても不幸な老婆が住んでいた。


その老婆は今は全く一人ぼっちでまさに独居老人、。


その老婆は夕方になると一層わびしさが募ってこんなことを

振り返り悲しい思い出にふけるのだった。


「ああ振り返れば、、最初に亡くなったのが夫だったねえ、

私が25歳で子供が男の子二人もいて、、。

それなのにある日、夫があえなく病死さあねえ」

で、、、、

「それから私はもう、基地外みたいになって子供二人を養うために身を粉にして働いたのさ、」

「でも、、それから、10年後には、相次いで子供二人があえなくこれまた病死さ、上の子は12歳、

下の子は10歳だったよ」


「そうして絶望の淵からもう生きてるのも嫌になって何度死のうかと思ったことかしらねえ」


さらには生存してた唯一の身寄りの私のいとこも、事故死さあね。まったく神様はどこに目をつけてるんだろうねえ。こんな私ばっかり、苦しめてさあ」


「これでもう世界には私の身寄りは全くいなくなって、、


それからずっと私はこうして独りぼっちさ、気が付けばもう私も70歳さあ」



老婆はあまりにも悲しくって、、特に何の罪もない息子二人をあえなくも奪い去った神様を恨めしく思って、

「神様いったい私が何をしましたか?私はなあんにも悪いことはしてませんよ、

それなのにこの仕打ち、いいえ、、夫の病死はそりゃあ大酒飲みですから自業自得で仕方ないでしょうよ。

でも、あの罪とがもない、息子二人は?どうして私から奪い去ったのですか?かみさま?」


そうしてじっと考え込んで、ものおもいにふけってると、

いつしか外が明るくなってきて、、


「あれ?もう夜明けかい?それにしてもはやいねえ」


老婆はゆっくり身を起こして外に出てみた、

外は、なんだか異様に?妙に薄ら明るかった


遠くで礼拝の声が聞こえてきたので、教会へ行ってみることにした。

行ってみると教会は、開いていて入ってみると、

何人かの人々が妙に黙って席に座っていた、

おばあさんもちょうど空いてた席に座ってあたりを見回すと、

そこに座っているのはみんなおばあさんのとっくに死んだ親戚ばかりだった、

青白い顔をして、、昔風の衣服で、、そう、それはみんな死人だった。


おばあさんは内心、ぎょっとしたが、努めて冷静を装い、一心に心の中で祈っていた。


やがてその中の、昔、亡くなった親類の女の人がおばあさんに近づいてきて


「ほらあそこの祭壇のほうをごらんよ。あんたの息子さんたちが見えるでしょ」


言われて、、おばあさんがそっちを見ると、、

面影のある、自分の息子二人が、すっかり青年になって、、、そうして、、、、

処刑台の首つり台にぶら下がっていた。


親類の女の人が言った、。


「見てごらん、もしあの子たちが生き続けて、、、神様が、罪とががない子供のうちに御許に呼んでくださらなかったら、二人とも、悪に走って、あんな目に合う運命だったんだよ」


おばあさんはそれを聞くと震えあがって、教会を飛び出し自宅へ戻り、

小さな自宅の祭壇に額づいて一心に祈った。


「神様。ありがとうございました、馬鹿な私が思いもしないようなところで、神様、あなた様は

いいようにお計らいくださったのですね」


そうして、、ひたすらおばあさんは祈り続けるのだった。


、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、




朝が来て近所の人がいつも通りおばあさんを朝の礼拝に誘おうと


来てみると、、おばあさんは囲炉裏の前でじっと動かず、、、、、


近づいてみると、、、、もう死んでいたのだった。




おわり







付記


このお話は、、、、グリム童話集の「おばあさん」というオハナシからの、引用であり

私が多少、脚色して二次創作したものです。

グリムってシンデレラや赤ずきんちゃんだけじゃなかったんですね。

こんなお話もあるんですよ。





グリム童話の真実

https://ncode.syosetu.com/n1545fo/

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