断罪
コッ…コッ…
一歩、また一歩、僕は進む…
『平和な国に人殺しはいらない!』
『殺人鬼ははやくこの国から出て行け!』
ふっ、この前まではこの場で歓声をを受けていたのにな
かつての国の英雄も今ではこのざまか
コッ…コッ…
「到着したようだな。では、これより"弧狼"ウタカタの判決を言い渡す」
「被告ウタカタは国家反逆目論見の罪により、流刑島への島流しを処す。今件は…」
ああ、終わったか、まぁ僕にはもう、ドウデモイイコトカ…ダッテミンナ、イナクナッチャッタカラネ
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「降りろ、ここが流刑地だ」
流刑島――通称天国島、犯罪者に島流しを決行する際に使われた島
この国では死刑よりも重い罰、それが島流しとされている
その理由としては死刑よりも悲惨な死を遂げるからだと言われている
「悪いな、こんなところまでついてきてもらって」
「何のことだか、俺は仕事でここまで来たまでだ」
「ふっ、確か島流しの場合は内地から出航してから二時間たったら罪人を小型のボートに乗せてながすのではなかったっけ?」ニヤッ
ウタカタは意地悪そうに笑い問いかけた
そして一瞬彼の顔に影が差した
「まぁここからは、自由にやらせてもらうさ、どうせ誰もいないみたいだしな」
「…本当によろしいのですか?」
「何がだ?」
脳天気そうに返事を返す彼に対して怒りがわいた
「あんたは…!あんたは、この国の英雄なんですよ…こんな仕打ちあまりにひどすぎますよ…」
「僕は確かに"元英雄"だったよ。でもね、意味なんてないんだよ、そんな称号…
僕にはあいつらがいなくちゃ意味がないんだよ。」
悲しそうに呟き彼は船を降りた
「またね、見送りありがとな」
彼の顔には一切の生気が感じられなかった
「っ!、生きて、生きてまた会いましょう!いつかまた、お迎えに参りますから!」
「…そうだな、また、いつかな」
その言葉を聞いた後船は出発した
「さぁこっからは正真正銘一人ぼっちだ、二つ名の如くな」
最初の島は満点の星空が広がっていた
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