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新たな人類~ルビ  作者: こたつむり
2/5

新人類

~新人類~


放課後みんなでりいの家にやってきた。

りいの部屋に通されお茶をいただきながられんの話を聞く。


『それで何を調べたんだよ?』


俺は焦らすようにれんに聞く。

れんはみんなを見渡しゆっくりと話始めた。


『この間りいに勉強を教えに家にお邪魔させてもらったんだ、そのときりょうは出掛けててちょうどシャーペンのシンがなくなったからりょうに一本貰おうとりょうの部屋に入らせてもらったんだ。』


『そのときりいも入ったんだけど前に話したクローンの本と他にAIの本がたくさんあったの。』


りいが震えながら話し出した。

そしてりいはその本を俺達に見せてくれた。

その本はクローンとAIの他にルビ計画と書いてあるノートが数冊あった。


『ねぇルビ計画って何?クローンもAIも名前は有名だけどルビなんて初めて聞いたんだけど。ひなたそう言うの得意なんでしょ?』


俺だってルビなんて知らない。

ひかりにそう伝えようとしたときりょうがまた話始めた。


『俺の推測だがクローンとAIが合わさったことをルビと呼んでるんだと思う。ここを見てくれ。』


そう言ってルビ計画と書いてあるノートを見せてきた。

そこにはある人物Aと例えたらAをそっくりそのまま同じ風に作り物事を考えたり行動する意思や感情はAIのチップでAのクローンの中に埋め込みAそのものを作り出すことをルビ、と書いてある。


『待って待ってよ。ってことはひびきはひびきでなくてクローンによって作られそのAI?チップかなにかを中に埋め込まれて今までのひびきの行動や考えをそのままそっくり作り出された。ってこと?』


『もしかれんの言うことがそのままその通りだとしたら本物のひびきやりょうはどこにいるんだよ!』


俺はわけがわからず混乱した。

いや、俺だけじゃない。ひかりもかれんもりいも混乱していた。


『ひびきやりょうだけじゃないと思う。たぶん先生やクラスの半数が乗っ取られてるかもしれない。ルビと言うやつらに。』


れんの言葉にピンと来た。

先生が言ってた言葉。そしてみんながうなずき拍手をする。

そしてやつが来るとか歓迎しようとか。

きっとみんなはやつに乗っ取られたからあんな風になってたんだ。


『そろそろその本りょうの部屋に戻した方がいいんじゃない?いつ帰ってくるかわからないしもしバレたらどうなるかわからないよね..?』


ひかりが声を震えながらそう言った。

確かに今もし帰ってきてこんな状況を見たらどうなるか想像も出来ない。

そして俺達が二人を誘わずに集まってるってのもバレたら怪しすぎる。


『りい部屋に置いてくるね。とりあえずみんなは今日帰ってそれぞれこれからのこと考えよ。』


そう言われりょうが帰ってくる前に俺達は帰ることにした。



~彼らの居場所~


りいの家から出てしばらく俺達四人は黙って歩いてた。

さっきの話が衝撃的で何をどう話したらいいのかわからなかった。

かれんは今日一人でいたくないのかひかりの家に泊まるみたい。

買い物があるからと二人とは別れてれんと二人きりになった。


『おい、あれ見ろよ!』


いきなり俺の手を引き近くに止めてある車の後ろに隠れながられんが指差す方を見る。


『ひびきとりょう‼あんなところで何をしてるんだ?』


俺達が歩いてたところはショッピングモールの近くで最近大きなビルが立った道だった。

そのビルの中に二人は消えていった。


『あの建物なんなんだろうな?ちょっと調べてみるか‼』


れんはスマホを出しグルグルで検索している。俺は画面を覗き検索結果が出るまで待った。

そこには開発会社と書いてあるが詳しいことは何も乗っていない。

開発会社になんの用があるのだろうか。


『とりあえずここに長くいるのはまずい。ひとまずここを離れてもう一回グルグルで検索してみよう。』


俺達は周りを確認しながらその場を立ち去った。

もしかしたらあのビルに何か秘密があってやつらの隠れ場、居場所なのかもしれないな。

それからいろんな検索ワードを入れても結局なんの手がかりもないままれんとも別れた。



~新たな動き~


家に帰ったあと持ってる本を隅からすみまで目を通したがルビなんて言葉は出てこずよほど疲れたのかそのまま眠りについてしまった。

朝になり頭がまだボーッとしてるが学校の準備をする。

朝ご飯がのどを通らず食べないまま玄関を出るとひかりとかれんがいた。


『おはよ。』


いつもなら元気のいい二人もさすがに落ちている。

俺は昨日れんと見たビルのことを話そうとしたが二人には内緒にした方がいいと思い言わなかった。

三人で歩いてると後ろからりいとれんが来た。

今日はひびきとりょうがいない。

教室に入ると誰も生徒がいなく先生すらも来てなかった。


『どう言うこと?あたしたち以外誰もいないじゃん。』


かれんがそう言うと隣のクラスを見に行った。でも隣のクラスの人達もいなかった。


『もしかしてりい達以外みんな...』


今まではひびき達が仮にルビでも学校にはちゃんと来てた。

なのに突然今日になって来なくなるなんて。

まさかみんなあのビルに行ったってのか?


『今はここにいても仕方ない。とりあえず家に帰って荷物まとめて今日は俺の家にみんな泊にこい。バラバラでいるよりいいと思うんだが!』


俺の言葉にみんな賛成しそれぞれ支度をしてから俺の家に集まることにした。

家に帰る途中普通に人が歩いている。

こいつらはまだルビになってないのか?

それともルビなのか?

誰を信用すればいいのか誰を疑えばいいのかわからなくなってきた。

そのときれんから連絡が来た。


♪~♪~♪~


<もしもし‼どうした?>


<りいからラインがあってりょうが家にいるらしい。どうしたらいいのかわからないみたいで。俺これからりいを迎えにいく。>


<待てよ‼一人で大丈夫なのか?>


<大丈夫かはわからない。でもお前は他のみんなが家に来るのを待ってる方がいい。俺もなんかあったら連絡するからいつでも電話出れるようにしてくれ‼>


そう言い電話が切れた。

れんのこと、りいのことは心配だが俺の家にこれからひかりとかれんが来る。

だから家で待つことにした。

あれから15分が過ぎ二人は無事に俺の家に。

れんとりいのことは二人に話してれんからの連絡を待つことに。


『れんとりい大丈夫かな?』


『きっと大丈夫だよ。りょうだってさすがに双子の妹になんかしないでしょ。ひびきは今どこで何をしてるのかな?』


二人の会話を聞きながらスマホを見ると着信が


♪~♪~♪~


<今りいとお前の家に向かってる。ついたら話すからカギ開けとけよ。>


れんからの電話が切れたときひかりとかれんは安心した。きっと声が漏れてて聞こえたのだろう。


『お邪魔します。』


れんとりいがやってきてやっとこれでみんな合流した。


『遅れてごめんなさい。家に帰ったらりょうの靴があって‼慌ててれんに連絡したんだけどりょう寝てたみたいでなんとか抜けてこれた。』


りょうは家にいたのか。しかも寝てたって。

もしかしてみんなも寝てるのか?

ひびきも家で?

そんなことを考えながらこれからのことを話し合った。


『俺思うんだがルビは増殖するんじゃないんだ?人間の世界からルビの世界にさせるために。』


『それはなんの目的で?でも確かに今日教室に誰もいなかったんだもんね。きっとみんなルビになったってことだよね..』


俺の問い掛けにすぐひかりが答える。

きっとみんな同じことを考え思った。


『まずルビとはそもそも誰が最初に作ったんだろ?その核を倒せばなんとかなるんじゃないかな?今日新たな動きを見せたってことはこれからもっと何かしらの形で動きを見せてくれると思う。だからそこを探ろう。』


れんはいつも冷静だ。ひとつひとつのことをきちんと考え行動に移そうとする。

でも今日のれんは震えていた。




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