平凡な日々が
豊かになればなるほど人間は欲が出る。
もっともっとと...
~2113年~
今年4月から高校1年生になった木宮陽向は新潟県にある上越高校に通うことになった。
あるアニメでは2112年に人間と仲良く過ごす子守り用のロボットが産まれるとかなんとか。でも2113年になってもそんなものは開発される訳でもなくこの通り平凡な日常が。
『おはよう』
後ろから元気なそして可愛らしい声が聞こえた。
『よおっ‼ひかり、朝から元気だな』
天宮ひかり(あまみやひかり)、中学のときからの友達で誰とでも仲良くて頭も良くて顔もスタイルも文句の付け所がない。
『今日から高校生だよ?ワクワクして元気いっぱいになるのは当然でしょ‼ほら早くいこ。』
手を引っ張られながら街中にある高校へ早歩きで行くことになった。
高校につき体育館で校長のあいさつと1年生の代表の話を聞き各クラス教室へ。
俺のクラスはさっき一緒に学校へ行ったひかりともう一人仲のいい。
『ひなた、また同じクラスだな!席も前後だし。最高‼』
『ひびき、声でかすぎ‼』
『あは、わりーわりー』
こいつは比山ひびき(ひやまひびき)。こいつも中学のときからの友達で何かと一緒になることが多い。
こうして仲のいいひかりとひびきと同じ高校、同じクラスになって平凡だけど楽しい高校生生活が始まると
始まると思ってたんだ。
~ずっと仲良く~
高校生活から1週間。
同じクラスの人たちの名前は覚え仲のいいやつらが集まってグループが出来始めた。
俺はひびきとクラスで一番目立つ和泉りょう(いずみりょう)とクラスで一番頭のいい北条れん(ほうじょうれん)とよくいるようになった。
ひかりはというとクラスでもひかりと1位、2位を争うほどの可愛さ一躍かれん(いちやかれん)そしてビッチと噂されてる和泉りい(いずみりい)。ちなみに和泉りょうと和泉りいは双子だがなぜか同じクラス。
俺達はひかりグループと学校終わりに遊ぶことがよくあった。
『ねぇねぇ、今日の数学よくわからなかったんだけど、れん今度教えて‼』
『今度だとわからないところもわからなくなるだろ?りいはすぐに忘れるんだからさ』
『じゃ今日りいの家で教えてよ‼』
最近れんとりいは仲がいい。
りょうの聞く話だと二人は付き合ってるとかなんとか。
俺はびっくりした。だってれんは頭がよくて勉強熱心、女なんか全く興味無さそうだしりいはどちらかと言うと年上のおじさん的な人がタイプかと!
でも二人を見ると幸せそうで羨ましくてお似合いに見えなくもない。
『じゃ俺は邪魔しちゃ悪いからゲーセンで遊んでから帰るとするかな。笑っ』
『もぉ、りょうったら‼』
そう言ってりょうとれん、りい達と別れてひかりとかれんとひびきで帰ることになった。
『ひかりは誰か好きな子とかいないの?笑っ』
『な、何いきなり‼かれんこそ誰かいないの?』
『えーっとあたしは~‼』
『男子がいるから今度りい入れて三人の時話すね‼じゃあたしここだからひかり、ひびき、ひなたまたね』
俺達は二人の恋ばなを聞きたかったが聞くことはなくかれんとも別れてしばらくしてひかりとひびきとも別れた。
~君の声~
家についてご飯が出来るのを待つまで俺はいつも本を読む。
未来の内容がある本だったり未確認生物の本だったりクローンやAIの本だったり。
『今日は何を読もうかなと..』
♪~
スマホが鳴ったのでラインを開く。
りいからだった。
{お疲れ様、突然ラインごめんね‼
夕飯の時間になってもりょうが帰ってこなくて。もしかしてひなたのところにいるかなと}
高校生になったのだから夕飯家で食べないときがあってもおかしくないと思うが。
{いや、一緒にはいないよ。りょうも気を使ってどっかでご飯食べてるんじゃないの?まだれんと一緒なんだろ?}
♪~
{れんならとっくに帰ったし帰ったあとに電話して牛乳がなかったから買ってきてって言ったんだよ?でもそれから連絡つかなくて。}
{わかった。俺も電話してみるしりいはひびきにも連絡してみてくれ。}
♪~
{わかった。ありがとう‼}
りいとの連絡が終わったあとすぐにりょうに電話してみた。
♪~♪~♪~
繋がらないな。
何してるんだろ?
でも繋がるってことは電波悪いところにいるわけでもないし電源が切れてるわけでもない。
どこかに落としたのか?
とりあえず留守電に一言入れとくことにした。
♪~『あっ俺、ひなた。りいが心配してたぞ!なるべく早く帰れよ‼じゃまた明日。』
とりあえず留守電入れといたしあいつも子供じゃないんだからお腹空いたら帰るだろう。
♪~
またりいからだ。
{ひびきのところにもいないみたい。そっちは電話出た?}
{いや、出なかったから留守電入れといたが。}
♪~
{やっぱり出なかったんだ..もしかして事件とか事故とかにあったんじゃ。}
{大丈夫だろ?明日には帰ってくるって。もしかしたらあいつにも彼女がいてその子の家に泊まるとかそんな感じかもよ。笑っ}
♪~
{だといいんだけど。そうだよね。ありがとう‼じゃまた明日。}
りょうは一体どこに行ったんだろうな!最後にいってた言葉はゲーセンに行くとかだったよな?なんもなきゃいいが。
~おかえり~
いつものように学校へ。
あれからりいから連絡はなかった。
ちゃんとりょうは帰ったのか?
『ひなたー‼おはよ‼』
『りい、あっ、りょうも‼おはよ』
『昨日はごめんね、あれからしばらくしてりょう帰ってきたの‼ゲーセンにいて音がうるさくてラインと電話気付かなかったんだって。笑っ 全くりょうったら‼』
『ごめんごめん、でも大丈夫だから‼ひなたもありがとな』
『おーい、おはよー‼りょう‼お前生きてたか 笑っ』
『おいおいっ、ひびきひどいな 笑っ』
良かった。なんも巻き込まれてなくて‼
そのあとひかりとかれんも来てみんなで学校へ。
『今日は抜き打ちテストをやるはずだったが急遽変更して未来のことについて話し合いをしようと思う。みんな未来についてどう思う?』
抜き打ちテストが今日あるはずだったのか。なくなって嬉しいが未来についてって言われてもな。まだなりたい職業なんかないしなー。
『俺なりたい職業なんてわかんねぇーよ。ひなたは決まってる?』
後ろを向き小声でひびきが言ってきた。
そのときだった‼
りょうが突然手をあげた。
『お、りょう話してみろ。』
先生の言葉にりょうは席を立った。
『昔は猿が人間に進化した。そして長い月日が立ち人間は人間のまま今に至る。でも近い将来人間は新たに進化をとげそれがやがて広がり人間はいなくなると思います。』
『よし、席につけ。そうだな。昔は猿が元となり人間に進化した。それはみんなも知ってるよな?だが人間に進化してから数えきれないほど月日が立つのにまだ人間は人間にしかなれていない。だがもう少しで広がる、それは恐れることは何もない。みんなで出迎えよう。』
りょう一人が拍手をしりょう以外の俺達は何を言ってるのかわからなかった。
~近い未來~
結局さっきの授業がわからないまま帰りの時間に。
『なぁひびき?りょうが言ってたことわかるか?俺全くわからなくて。』
『俺も‼だって未來のことについてっていうから将来の夢の話かと。』
ひびきと帰り道話してるときに後ろからりいが来た。
『あのーっちょっといい?』
『どした?』
『このあと時間ある?ひかりとかれんも呼んでスタンバーでお茶飲みながら話したいことが。』
りいが真剣に言ってきた。りょう抜きにみたいだからきっとりょうのことなのだろう。俺達3人はスタンバーに行くことにした。
先にひかりとかれんがいて席を取っててくれてる。
俺達は適当に頼んで席についた。
『それでりいどうしたの?』
沈黙を先に遮ったのはひかりだった。
『もしかしてりょうのこと?』
続けてかれんが聞く。
『実はね、昨日りょうが帰ってきたとき難しい本を持ってたの。よく見えなかったけどクローンとかそんな名前。』
『おい、待てよ‼クローンって確かひなたも読んでるよな?』
『あぁ、確かに俺はそう言う本を持ってるし読んでる。昔からそう言うやつ好きだからな。でもりょうがそう言うの好きだなんて知らなかったな。』
『あたしも知らなかったよ‼今までだってそんな本読んでるの見たことないし。でも話すといつもと変わらなくて。』
『確かに話した感じはいつもと一緒だよな?でも今日の授業の発言なんか変じゃなかったか?』
ひびきの言葉にみんなが黙った。
今日の授業の発言。
未來のことについての話し合い。
りょうは何を思ってあんなことを言ったのか。
SF映画の見すぎか?
それともりいが言ってたクローンとかの本の影響か。
『ねぇ?近い未來って何?それがやってくるとか怖くないとかなんなのかな?』
ひかりは不思議な顔をしてみんなに投げ掛ける。でも俺達にもわかるはずがなく結局なんも話が進まないまま帰ることになった。
家に帰り俺が持ってるクローンの本を読む。
クローンは全く同じ顔や形をしていてもう一人の自分がいるって簡単に書かれている。
でもクローンは日本では作っては行けない。これは法律でも決められている。
同じ顔で同じ形...か。
近い将来クローンを開発してそれらが当たり前のように生活する未來になってるのだろうか。
~選ばれし人間~
今日は土曜日せっかくの休みなのに今のところ予定はない。
ひびきでも誘って遊びに行くか。
♪~♪~♪~
ひびき出ないな?
何してるんだろ?
まぁいいや。今日は寝てよう。
ベッドに横たわり目を瞑る。
♪~♪~♪~
『あっラインだ‼んーっとひびきだ‼』
俺は起き上がりラインを開く。
{おつかれー‼電話気づかなかったよ‼今りょうと一緒にいるんだけどこれから遊ぼうよ‼}
{おつ‼そうなんだ‼今何して遊んでるの?}
♪~
{今転生..選ばれしにんげ..あなよぬにやなひ}
???
なんだ?選ばれしにんげ?
ってか転生ってのもなんだよ?
それからいくらひびきに連絡しても帰ってこない。
りょうと確かいるんだよな?
りょうにも連絡してみるか‼
♪~♪~♪~
ダメだ、りょうにも繋がらない。
ってなるとりいだな。
♪~♪~♪~
<あっもしもし?りいか?今りょうと一緒にいるか?>
<もしもし‼りょう?りょうなら今日ひびきと出掛けるって朝からいないけど?>
<なぁ?これから集まれないか?俺はひかりとかれんに連絡する。お前はれんに連絡しろ。>
<ど、どしたの?わ、わかった。じゃスタンバーで集まろ。あとでね。>
りいとの電話を切ったあとすぐにひかりとかれんにも電話をしてスタンバーに行くことに。
『みんな突然呼び出してごめん。』
『どうしたんだよ。突然‼勉強してたのに。』
『れんったらそんなこと言わないで。んでひなたどうしたの?』
『実は今日暇だったからひびきに遊べるか連絡したんだ‼そしたら今りょうといるって言って。』
『それがどうしたの?別にひびきとりょうが遊ぶくらいいいじゃん。もしかしてひなた嫉妬してるの?笑っ』
かれんがふざけて言う。
確かにここだけを聞けばそう言う風にとらえられても仕方ない。
だが問題はここからだ。
『ひびきからこんなラインが来たんだ‼』
みんなにそのラインを見せる。
『これ?何?ふざけてるの?』
『ひかり、俺だってそう思いたいがそこから連絡が来ないんだ。なぁりい、りょうと連絡取れるか?』
♪~♪~♪~
『今電話してるけど出てくれない。』
『俺思うんだけどさ。最近りょう変だったじゃん?もしかしてその変なのがひびきにも移ったんじゃね?それを転生って言ってさ。笑っ』
そんな単純な考えでいいのか?
未來のこと
クローンのこと
転生、そして選ばれしにんげ。
『ねぇ、選ばれしにんげってきっと選ばれし人間ってことだよね?何に選ばれた人間なのかな?』
『ひかりの言う通り俺も選ばれし人間だと思った。でもまだ何に選ばれたかは..』
結局また解決しないでスタンバーを出ることに。
俺達の周りで何が起こってるのかまだこのときは誰も知らなかった。
~あなた誰~
日曜日もあっという間に過ぎ月曜日になった。
いつもと変わらず学校へ行く。
りょうとひびきは学校に来るのだろうか?
そんなことを考えながら歩いてると後ろから俺を呼ぶ声が。
『おーい。ひなたおはよー‼』
すごい勢いで走ってくる。
いつもと変わらない笑顔。
よかった。いつものひびきだ。
『よぉっ‼ひびきおはよ‼土曜日は心配したよ、連絡途中から取れなくて。』
ひびきは少し焦ったように
『ごめんごめん。りょうとゲームしてたら変な風に送っちゃって‼今度は一緒にそのゲームやろうな。』
そう言ってニコニコしながら俺を見る。
なんのゲームしてたかは聞かなかったが俺もみんなで早く遊びたいと思った。
『二人ともおはよ‼』
りいとれんがやってきた。
朝から仲が良いこと。
『待って待ってー‼あーっひびきおはよ。』
かれんも走ってきた。
その後ろをひかりが追いかける。
『ちょっとかれんー。早い‼みんなおはよ‼あれ?りょうは?』
『俺なら後ろにいる。おはよう。』
久しぶりにみんなが集まっての登校だ。
また放課後みんなで遊べるといいな。
そんなことを思いながら学校へ急ぐ。
『おはようございます。今日はこの間の続きの授業をする。この間は未來のことについて話した。今日はそれが来たときにどうしたらいいかを話し合おう。』
また話し合いか、まずそれとはなんなのか説明してくれないと困る。
『なー?ひびき、それってなんなんだろうな?』
『は?何を言ってるんだよ、それってあれだろ?そんなこともわからないのかよ。先生木宮さんが変なこと言ってます。』
ちょっ‼何を言ってるんだ‼
俺はなんも変なこと言ってない。ってかひびきのが変だぞ。
『木宮くん質問なら手を上げて言いなさい。』
『あのっ、それとはなんなんですか?前にもやつが来るみたいな、怖くない、歓迎しようとかよくわからないのですが。』
俺は正直に言った。
だって質問ならちゃんと言えと言ったのだから。
『そうかそうか、君はまだなんだね。大丈夫。そのうち迎えが来るよ。君もすぐになれる。それはけして怖いことではない‼』
先生は笑いながら俺に言った。
なんだよ!わけわからねぇーよ。
りょうもひびきも笑いながらうなずいてる。
いや、よく見るとひびき達以外にも数人うなずいてるやつがいる。
一体なんなんだ‼
俺は授業が終わりひびきに話しかけようとしたがりょうとどこかへ行ってしまった。
それを見ていたひかりが話しかけてきた。
『ひなた、やっぱりみんな変だよ‼よくわからないけどみんながみんなじゃないみたいってか...』
『わかる‼あたしもそう思う‼』
そう言ってりいも近づいてきた。
『俺あれからいろいろ調べたことがあるんだが今日時間があるやつりいの家に来てくれ。りい、今日りょうとひびき遊びに行って家にいないんだよな?』
『うん..いないよ!かれんも今日予定ないなら来て‼』
かれんの手を引いてこっちに来た。
『ねぇ、ひびき達どうしちゃったの?ひびきはあのひびきは私の知ってるひびきじゃないよ。』
かれんが泣きそうになった。
確かに俺は昔からひびきの友達だがあんなひびき知らない。
あいつは誰なんだ。
きっと誰もが想像する未來
いい未來や悪い未來
それはけして決められてなくて
自分達が切り開く